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「ツール・ド・東北2017」の公式ジャージをデザイン「日本の自転車シーンは成長し続けている」ポール・スミス氏インタビュー

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 英国のファッションブランド「Paul Smith」(ポール・スミス)のデザイナー、ポール・スミス氏が「ツール・ド・東北2017」の公式ジャージをデザインすることになった。発表に合わせ4月3日に宮城県・女川町を訪問したスミス氏が、自転車への熱い思い、ツール・ド・東北について「Cyclist」の単独インタビューに応じた。(聞き手・澤野健太)
←ポール・スミス氏が公式ジャージをデザイン

Cyclistオリジナルジャージを手に持つポール・スミス氏 Photo: Kenta SAWANO

 2011年の東日本大震災直後に単身で来日し、各地のショップスタッフを激励したほど親日家として知られるスミス氏。初めて訪れた女川の印象を次のように語った。「女川は初めて来ましたが、(報道で見た)以前のようなひどい状況から良くここまで回復しました。みなさんの努力には頭が下がります」。震災からの復興に、大好きな自転車を通じて協力している。

自転車はものすごく面白い

 Raphaのウェアやロードレース「ジロ・デ・イタリア」「ドバイツアー」の各賞ジャージもデザインするなど自転車競技とのコラボも多いが、そもそもプロを目指した自転車競技選手だった。

JR女川駅舎をバックに走る Photo: Kenta SAWANO

 ――自転車競技との馴れ初めを教えてください

スミス氏:ロードレースを12歳から始めて夢中でした。17歳の時にプロを目指していたけれど、交通事故で大ケガをして選手の道を断念してしまいました。それがなければ、ずっと続けていたと思います。

 ――それでもずっと自転車への情熱は冷めていないようですね

スミス氏:そうですね。今でもツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアのようなビッグレースは見に行きます。ときにはサポートカーに乗って選手の後ろから見たりもしますよ。

軒先の干物を撮影。何でもデザインのアイディアに? Photo: Kenta SAWANO

 英国の強豪、マーク・カベンディッシュやブラッドリー・ウィギンスをはじめ、有名ロード選手と親交があり、リスペクトを受けている。その親交、知識は日本人選手まで及んでいた。

 ――日本の自転車選手、自転車競技について知っていることはありますか

スミス氏:もちろん。日本人選手だと、ベップさん(別府史之)が僕のスタジオに来たことがあります。ほかにもたくさん強い選手がいることを知っています。日本には、トラック競技で「ケイリン」という伝統的な素晴らしい自転車文化がある。その一方でロードレースやソーシャルライドなどの分野も成長してきていると感じます。

ピナレロのバイクに座り、三陸の海をバックにポーズ Photo: Kenta SAWANO 

 スミス氏は、インタビューの前後でも時間があると、2013年に発売されたピナレロの「DOGMA 65.1 THINK2 PaulSmith Limited Edition」にまたがってぐるぐる回った。

 ――普段はどんな自転車に乗っていますか

スミス氏:たくさん持っていますが、コラボモデルを出している自転車が多いですね。ロードバイクだとこのピナレロ、ピスト(固定ギア)だとMERCIAN(マーシアン)ですね。

 ――日本、特に東京などの大都市での自転車環境をどう感じますか

震災の状況について熱心に話す Photo: Kenta SAWANO 

スミス氏:10年前よりサイクリストの人口が増えていると感じます。みんな前より健康に気を付けているんだと思います。忙しい毎日の中で人々が簡単にリラックスできるツールとして使われるようになったんじゃないですかね。町にも優しく使い勝手がいいものとして日本人が理解してくれていると感じます。東京を何回か走ったこともありますよ。

 最初に日本に来たときは、主婦の方がトラディショナルなバイク(ママチャリ)に乗っている姿を良く見たけれど、この10年はスポーツバイクや、世界のトレンドに合わせたファッショナブルなバイクに乗っている人が多くなってきましたね。

 ――東京を走った時は、どのように感じましたか

スミス氏:女川町のような地方の町は交通量も少なくて走りやすいけれど、東京はパリ、ロンドンのような都市と並んで交通量が多く、まだ慎重に走らないといけませんね。

TVカメラマンにも気軽にサービスショットを提供 Photo: Kenta SAWANO
笑顔で報道陣に手を振る Photo: Kenta SAWANO 

――ツール・ド・東北のジャージに込める思いを教えてください

スミス氏:ジャージのデザインという形で、このイベントに参加することができ、とてもうれしいです。震災後、今まで以上に日本のファンや、東北の皆さんと心でつながったように感じるし、小さなことかもしれないが、復興に貢献することができて光栄です。

ポール・スミス氏が乗るピナレロの「DOGMA 65.1 THINK2 PaulSmith Limited Edition」 Photo: Kenta SAWANO
トップチューブにはピンクで「Paul Smith」のサインが入る Photo: Kenta SAWANO
「DOGMA 65.1 THINK2 PaulSmith Limited Edition」にはピンクがアクセントになっている Photo: Kenta SAWANO

◇      ◇

 最後にCyclist編集部のチームジャージをプレゼントした。スミス氏は手を広げて喜び、お世辞なのか「本当にありがとうございます。素敵な迷彩ですね。私のオフィスのジャージコレクションに入れて大事にとっておきます」と自ら丁寧に畳んで袋に入れる姿が、自転車好き、服好きを物語っていた。

※取材費用の一部をヤフー株式会社が負担しています。

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