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サイクリスト

先取り!「四国一周1000キロルート」の旅<3>山地を挟んで一変 穏やかな瀬戸内エリアからダイナミックでディープな太平洋エリアへ突入

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 4日間で「四国一周1000キロルート」をめぐる「四国一周サイクリング ぐるっとPRツアー」の2日目後半は徳島県庁からスタート。徳島県の宍喰温泉を経て高知県に入り、室戸岬を経て次なる目的地、高知市を目指す。四国の中央部を東西に貫く四国山地をまたいだ太平洋側は、瀬戸内エリアとは表情ががらりと一変。ダイナミックな自然やその土地に根付いた独自の文化が、「PR隊」を待ち受けていた。

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第23番札所、薬王寺で。四国一周サイクリングでは巡礼中のお遍路さんともすれ違う ©愛媛県

熊谷・徳島県副知事「四国から“発心”」

 「鳴門スカイライン」を越えたPR隊は、その後バスに乗り換えて徳島県庁に到着。徳島県は「自転車王国とくしま」と称し、自転車を運んできたクルマを無料で駐車できる「王国拠点」や、そこを拠点とした25のサイクリングコースを整備するなどサイクリング事業を推進している。また、「ツール・ド・にし阿波」を初めとするさまざまなイベントを展開している‟自転車県”だ。

徳島県庁に到着 ©愛媛県
徳島県特産品の「すだち」にちなんだキャラクターで、実は20年以上のキャリアをもつ Photo: Kyoko GOTO
徳島県の熊谷幸三・副知事 ©愛媛県

 徳島市のシンボル的存在、「眉山」(びざん)を正面に眺める県庁では、熊谷幸三副知事が一行を出迎えた。熊谷副知事は自身もサイクリストで、しかも以前はかなり走り込んでいた様子。長距離を2日間かけて走った経験などを語り、PR隊を驚かす場面もあった。

 熊谷副知事がPR隊のフラッグに寄せたメッセージは「発心!!!」。仏教用語に由来する「物事を始めようと思い立つこと」を意味する言葉で、熊谷福知事は「前に進み出す‟発進”と、国内外に『サイクルアイランド四国』を“発信”していく思いを込めた」と語った。

熊谷副知事のメッセージは「発心!!!」。お遍路を表す仏語に「発進」と「発信」をかけた ©愛媛県
徳島のシンボル眉山をバックに徳島県のサイクリストの皆さんと ©愛媛県

旅の無事を願って「薬王寺」へ

5日目のモデルルート。徳島市から同じく徳島県内の宍喰町まで走る90.6km ©愛媛県

 ここからは5日目のモデルルート、徳島県側の県境近くにある宍喰(ししくい)へと向かう。

 この日の昼食は徳島ご当地の「徳島ラーメン」。徳島ラーメンには「茶系」「黄系」「白系」の3系統があるそうだが、今回は豚骨ベースで濃口醤油やたまり醤油で味付けした「茶系」をチョイス。スープに生卵を入れるのが特徴で、生卵は入れ放題というのがご当地サービスだそう。見た目ほど味は濃くなく、中細麺にとろりと絡む生卵がクセになる一品だ。

ランチはご当地グルメの徳島ラーメン ©愛媛県
豚骨ベースで濃口醤油やたまり醤油で味付けしたスープと、生卵を入れるのが徳島ラーメンの特徴 ©愛媛県
四国八十八カ所第23番札所、薬王寺 ©愛媛県

 道中、徳島県の美波町にある四国八十八カ所第23番札所「薬王寺」(やくおうじ)で足を止める。厄除けの寺として知られ、とくに「厄坂」と呼ばれる石段に一段ごとにお賽銭を置きながら厄を落としていく様子は全国的にも有名。病気平癒を願って年間100万人もの参拝者が訪れるという‟厄除けスポット”。旅の無事を願うためにも、立ち寄りたいスポットだ。

33段の「女厄坂」を上って厄を落とす ©愛媛県
薬王寺の瑜祇(ゆぎ)塔 ©愛媛県
薬王寺近くに立つ、JR日和佐駅隣接の「道の駅」。一度に20人が利用できるスペースで、 ©愛媛県

 薬王寺からすぐのところにあるJR日和佐駅隣接の道の駅「日和佐」には、敷地内で湧き出している温泉水を利用した「足湯館」がある。入浴部分の血流改善、疲労回復とサイクリストには嬉しい効能。年中無休(9時~18時まで、※土日祝は8時~)で、無料で利用できるのもありがたい。「ただの足湯」と侮るなかれ。これがなかなかの回復感を与えてくれる。ここを含め、道中の足湯スポットはぜひチェックしてみてほしい。

豪快かつ繊細な室戸岬の奇岩群

6日目のモデルルート。宍喰から室戸岬を経て高知市まで走る125km ©愛媛県

 途中、モデルルートを少し外れ、「松坂隧道」を走る。大正期につくられた旧幹線道路の施設で、コンクリートによる工法を用いたトンネルとしては日本最古のもの。全長87m、幅員5.8mの直線状の隧道で有形文化財にも登録されている。

 6日目のモデルルートはいよいよ高知県に突入。室戸岬を経て高知市を目指す。個人的な感想だが、ペダルを漕ぎながら、幼い頃耳にしていたペギー葉山のヒット曲『南国土佐を後にして』が頭の中に蘇る。当時わけもわからず歌っていた歌詞の場所に足を踏み入れるかと思うと感慨深い。

日本で初めてコンクリートで造られた「松坂隧道」(旧道) ©愛媛県
海沿いの道を漕ぎ進む ©愛媛県

 そして、ようやく高知を代表する名勝「室戸岬」に到着。「日本の渚百選」にも選ばれており、豪快な奇岩群や、弘法大師が残した数々の伝説が残るスポットなど見どころが盛りだくさんのエリアだ。

 「ユネスコ」が定める「世界ジオパーク」(※)にも認定されており、室戸岬の海岸沿いにある約2.6kmの「乱礁遊歩道」からはダイナミックな地層や地形、南国特有の珍しい亜熱帯植物などを観察することができる。

※「ジオパーク」とは地球・大地を意味する「ジオ」と公園を意味する「パーク」とを組み合わせた造語。地球科学的な価値を持つ遺産を保全し、教育や観光に活用しながら持続可能な開発を進める地域認定プログラム

室戸岬の奇岩群の間を縫うように、2.6kmの乱礁遊歩道が整備されている ©愛媛県
約1400万年前、マグマが地層に貫入して固まったとされる室戸岬の「ビシャゴ岩」 ©愛媛県

 奇岩の中でも一際目を引く「ビシャゴ岩」は、およそ1400万年前にマグマが地層に貫入して固まったとされる岩で、その後の地殻変動でほぼ垂直に回転したといわれている。という地質的にも珍しい特徴をもつ一方、この岩には「おさご」という絶世の美女にまつわる悲しい伝説もあるそう。自然のダイナミックさと同時にその土地に残る伝説も感じ入ることができる、最高の休憩場所だ。

約15km続く高知安芸自転車道 ©愛媛県

 さらに漕ぎ進むと、高知市の35km手前に香南(こうなん)市夜須町(やすまち)と安芸(あき)市を結ぶ約15kmの自転車専用道路「高知安芸自転車道」が現れる。

 土佐電鉄安芸線の廃線跡を利用した道路で、土佐湾の海岸線に沿って砂浜、港町を眺めながら爽快に走ることができる。ゴールの安芸周辺は、岩崎弥太郎らの出身地としてさまざまな史跡が残る。

土佐電鉄安芸線の廃線跡を利用している「高知安芸自転車道」。旅情をそそる風景 ©愛媛県

皿鉢料理に地酒 これぞ高知の夜

本場高知の宴席料理「皿鉢料理」に舌鼓 ©愛媛県

 高知市にゴールしたこの日の夜は、土佐の郷土料理を堪能。カツオのたたきや、新鮮な魚介類が大皿に乗った迫力ある「皿鉢料理」が「PR隊」を待ち構えていた。

 そして「酒どころ」高知県で外せないのが地酒。種類も豊富だが、全国的にも有名な銘柄が多い。

本場高知のカツオのたたき ©愛媛県
ブリや鯛など、新鮮な海の幸が並ぶ ©愛媛県

 皿鉢料理に日本酒と揃えば、宴会モード準備完了。それに輪をかけるのが、ご当地のお座敷遊び「可杯」(べくはい)だ。複数人で楽しくお酒を飲み交わすための独楽を使ったゲームだが、ついつい楽しみすぎると、翌日の四国一周のスケジュールが崩れかねないのでくれぐれもご注意を…。

高知といったら種類が豊富な地酒も有名 ©愛媛県
酒どころ高知のお座敷遊び「可杯」(べくはい) Photo: Kyoko GOTO

→<4>「面積もスケールも大きい高知サイクリング」

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