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サイクリスト

上位モデルを思わせる“実力”性格違い、トレックのアルミバイク「ドマーネALR5 Disc」「エモンダALR5」を乗り比べ

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 トレックのロードバイクモデル「ドマーネ」と「エモンダ」は、最新のカーボン素材を使用したハイエンドグレードが存在している。しかし、モデルごとの特長をアルミバイクで実現した「ALR」グレードもラインナップ。アルミならではのダイレクトさと、カーボンに見間違えるほどのスムーズな作りを実現した「ドマーネALR5 Disc」と「エモンダALR5」の両モデルを乗り比べてみた。

ブレーキレバーを指一本で操作できる引きの軽さが魅力 Photo: Yosuke SUGA

総合スペックで乗り心地良さ実現

 ドマーネは、“北のクラシックレース”の石畳で鍛え上げられた振動吸収性に優れたロードバイク。トレック独自の振動吸収機構「IsoSpeed(アイソスピード)テクノロジー」が生む快適な乗り心地と、ペダリングのパワーロスが少ない造りが特長だ。今回、試乗レポートしたドマーネALR5 Discはシートチューブとトップチューブ部にアイソスピードを採用。また、トップチューブからシートステーにかけての作りは美しく、カーボンバイクかと見間違えるほどだ。

トレック「ドマーネALR5 Disc」 Photo: Yosuke SUGA
カーボンに見間違えるほどの美しいラインをもつIsospeed Photo: Yosuke SUGA

 また、モデル名にある通り、ディスクブレーキを採用。油圧ディスクは軽い力でブレーキングができることに加えて、エアボリュームをとれる太目のタイヤを装着可能なため、振動吸収性も優れている。アルミフレームで気になる硬めな乗り心地を、テクノロジーとパーツのセットアップで解決した。

ヘッドチューブは長めに取られ、より快適な姿勢でライディングを楽しめる Photo: Yosuke SUGA

 筆者は同形状でカーボン素材を使用したドマーネを愛用しているが、ドマーネALR5 Discの性格、バランスの良さはまさに上位モデルそのままだ。低い重心で、シッティングはもちろん、ダンシングでも地に張り付くように安定している。路面からの外的要因にも巡航スピードが左右されない。アグレッシブな加速を味わうならエモンダやマドンに軍配が上がるが、速いスピードを維持する“クルージング”感を味わいたいならドマーネがおススメだ。

 ディスクブレーキとの相性も良い。オフセットを取り、ホイールベースを長めに設定したフレームは、ハイスピード域からの強力な制動力でも車体が振られず、しっかりと減速ができる。指一本でコントロールできるのも楽だ。キャリパータイプのブレーキアーチを使用していないため、太目の32C幅タイヤが標準装備。ライダーが怖いと感じるシチュエーションを減らしてくれるだろう。ヘッドチューブは長めに取られ、上半身が楽なので、ライド中には振動吸収性にとどまらない快適さを得られるだろう。

32Cのタイヤは深いコーナリングでも安定感が高い Photo: Yosuke SUGA

ヒラヒラと軽快な上りが魅力

 よりロードレース色が強い「エモンダ」は、走りの軽快さが最大の特長だ。上位のカーボンモデルはツール・ド・フランスなどで活躍。軽量で俊敏な走りで、山岳ステージで選手の走りを支えた。

トレック「エモンダALR5」 Photo: Yosuke SUGA

 エモンダALR5もまた、ドマーネと同じく上位モデルのハンドリング、加速感、運動性能をアルミバイクで実現していた。重量こそカーボンモデルに敵わないものの、はっきりと同じ「エモンダ」だとわかる乗り味だ。

高級感のある蛍光マット塗装 Photo: Yosuke SUGA
トレックのアルミ素材「アルファアルミニウム」を採用 Photo: Yosuke SUGA

 走り始めるとやはり上りが得意なバイクだとわかる。特にフロント周りの振りが軽く、ダンシングでヒラヒラと速度を上げることが可能だった。リアへと伝えたパワーを余すことなく路面に伝え、フロントの軽快さを生かし、ライダーへ負担を感じさせずに上っていく。

上りが多いロードレースに最適なエモンダ Photo: Yosuke SUGA

 コーナー時のハンドリングはレーシーでややタイトだ。ライダーのテクニックが試されるが、チャレンジングで操る楽しみを味わえる。一見するとオーソドックスな構成のバイクだが、乗ってみると“濃い”。コンポーネントやホイールをアップグレードして、実業団レベルのレースに挑戦しても表彰台を狙えるクオリティだ。

アルミの負のイメージ払拭

 エモンダ、ドマーネ共に乗っているとアルミバイクだと忘れてしまった。一昔前のアルミバイクのイメージは「ハードでレーシーだが乗り心地が悪い」、「超軽量モデルだとペラペラで進まない」など、メリットとデメリットがはっきり分かれていた。しかし、今回試した2台に使われたアルミ素材「アルファアルミニウム」は、バランスが優れ、剛性、振動吸収性のどちらも高いレベルで両立している。

 「アルミはカーボンバイクを買えないサイクリストが買うもの」という安っぽいイメージも、2台に乗ると払拭されるだろう。走りもさることながら、エモンダの蛍光マット塗装や、ドマーネのアイソスピードは率直にかっこいいし、所有欲が満たされそうだ。

実業団レースでも表彰台を狙える可能性を感じた Photo: Yosuke SUGA

 今回試した2台はハッキリと性格が分かれている。レース志向ならエモンダ、エンデュランスライドならドマーネをおススメする。カーボンバイクももちろん良いが、上位モデルのエッセンスを受け継ぎ、アルミならではの「ALR」をチョイスしてみてはいかがだろうか。

トレック「ドマーネALR5 Disc」
価格:229,000円
カラー:ブラックピール
サイズ:44、47、50、52、54、56、58、60
メインコンポーネント:シマノ「105」(ブレーキはRS505)
重量:9.53kg(サイズ56)

トレック「エモンダALR5」
価格:189,000円
カラー:マットグリーンライト、ヴィパーレッド、トレックブラック
サイズ:47、50、52、54、56、58、60
コンポーネント:シマノ「105」
重量:8.41kg(サイズ56)

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