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「完走」経て語る「自転車の魅力」「自転車がライフスタイルを豊かに」 メルセデス・ベンツ日本、上野金太郎社長×福田萌子さん対談

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 2月に開催された「サイクリング屋久島」で念願の完走を果たし、落車のトラウマを乗り越えたモデルの福田萌子さんが、自転車友達で普段からトライアスロンなどを楽しむメルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長と「自転車とライフスタイル」について対談。仲間との繋がりが深まり、日常にも仕事にもモチベーションを与えてくれる“自転車の魅力”を語り合った。

メルセデス・ベンツ「GLE」を前にライドへ出発する上野金太郎社長と福田萌子さん Photo: Kenta SAWANO

友人同士で都内を自転車散策

 上野社長と萌子さんは2年前のサイクリング屋久島出場の際に知り合い、トライアスロンを共通の趣味に持つ友人同士だ。この日、2人は対談を前にして、久しぶりに一緒に都内のサイクリングへと出かけた。

 「ほら見て! ちゃんと乗れてるでしょ。ダンシングも少しできるようになったんだ」と軽快に走る萌子さんの後ろから、上野社長も続いてスピードを上げる。

「自転車のアイコンがわかりやすい」と通行帯に沿って走る福田萌子さんと上野金太郎社長 Photo: Shusaku MATSUO
迎賓館前で立ち止まり、バイクのカラーやウェアのコーディネートについて談義する Photo: Shusaku MATSUO
上りでペースを上げる上野金太郎社長 Photo: Shusaku MATSUO

 上りに差し掛かると、上野社長がぐっと先行する。「長い上りは苦手だけど、短ければ勢いでいける」と笑う上野社長に、追いついた萌子さんは「私は上りが得意だから大丈夫だと思ったてたけど、思いのほか上野さんが速かった」とちょっぴり悔しそう。2人は時々止まっては、バイクのカラーやウェアのデザインを自慢し合ったりしながらサイクリングを終えた。

 対談が行われたのは東京・六本木にある「メルセデス・ベンツ コネクション」。メルセデス・ベンツの車を見て、乗って体感しつつ、併設しているカフェやレストランでゆっくりと時間を過ごせるスペースだ。

◇         ◇

対談前には福田萌子さんの「サイクリング屋久島」完走を祝い、花束が贈られた Photo: Kenta SAWANO

上野社長:まずは「サイクリング屋久島」の完走おめでとうございます。一生トラウマで乗れないってこともあるのに、復活してサイクリングを楽しんでいるのは素晴らしい。

萌子さん:ありがとうございます! 1年半かかりましたが戻ってきました。大好きな自転車に少しでも乗れるよう、なるべく毎日サドルにまたがるようにしています。

2人は自転車はもちろん、トライアスロンやマラソンにも出場する根っからのスポーツ好き。改めて、どのようにスポーツに取り組んでいるのか、また、自転車の良さや自分なりの楽しみ方を聞いた

景色や風を直に感じられるのが最高

萌子さん:私はもともと体を動かす事が好きで、普段からランニングやヨガ、キックボクシング、水泳とか、色んなスポーツをしていました。新しいスポーツに挑戦したい気持ちも常にあって、ロードバイクやトライアスロンに誘われた時には『楽しそう!』と二つ返事で参加を決めました。自転車はランニングでは走れない距離を自分の体を使って駆け抜けられるのが魅力的で好きです。

 今回の企画もあって、サイクルスポーツにどんどん興味が湧き、この冬は毎日のようにツール・ド・フランスの映像を見ながら漫画「弱虫ペダル」を読みふけっていました。最新刊まで全部揃えたんですよ。

 まだ自転車に乗るのが怖かったときは、安全に走れるインドアサイクルトレーニングの「フィールサイクル」に何度も通って汗を流していました。実際、外を走れるようになってつくづく感じますが、自転車は外の景色や、流れる風を直に感じられるのが最高! ずっと続けていきたいスポーツです。

上野社長:僕は海外出張など何かと忙しくて、このところ自転車には乗れていないんだ。でも、外国の街をランニングしたり、日本でもなるべく体を動かすようにはしているよ。会食が多くて食生活が不規則になりがちだし、健康のこともよく考える。

 あと、飛行機の移動が多いので、睡眠の管理も大変。眠れない時でも、ランニングして体を動かすとすっきり寝られるんだ。根はスポーツが大好きだから、年に1回くらい出場するトライアスロンは楽しみ。目を三角にして走るようなことはせず、自分のペースを楽しみながら完走するのがいいね。

普段から友達で仲が良い2人は自転車談義が弾む Photo: Kenta SAWANO

自転車の経験を重ねるにつれ、自転車を通じたさまざまな人との出会いも増える。こうした人間関係ついて、2人はどんな思いがあるのだろう。また、大会での悔しい思い出、走るためのモチベーションなどについても話題が広がる。

ビリでもいいから完走を

上野社長:僕もサイクリング屋久島には出場したことがあって、そこでサポートライダーをしている自転車競技で日本有数の強豪校、鹿屋体育大学の選手たちと出会った。1周走っている間に学生たちと友達になってね、ずっと引っ張ってもらってたんだけど、最後だけ頑張って抜いてやったんだ! 「えー、それはあんまりだよ上野さん」って文句言われたね(笑)

 そんな縁もあって、彼らのロードバイクにかけるひたむきな姿勢と自転車競技を日本で盛り上げたいという思いに共感し、鹿屋体育大学にはいま、スタイリッシュなデザインと高い積載性を両立した「CLA シューティングブレーク」をサポートで提供している。遠くのレース会場まで遠征で運転していかなければならない彼らの負担が少しでも軽減されてればいいなと。免許取立ての学生が事故を起こすのはとても心配だからね。

 その後、京都・丹後を走る「京都TANTANライド」にも出た。“海の京都”と呼ばれるリアス式海岸の辺りを走るんだけど、ここがまた絶景なんだ。水面近くに集落があって、まるで外国のような景色だった。車だと何気なく通り過ぎてしまう風景も、自転車だとあんなにも記憶に残るものになるんだなと感心した。

 あとは以前、ツール・ド・東北に出場したんだけど、不意な落車による機材トラブルでパーツが破損してリタイアしてしまった。回収車に乗って揺られている間、悔しくてたまらなかった。何があってもリタイヤだけはしたくない。怪我をするのもよくないよね。ビリでもいいから完走することに意味があると思っているよ。

風景に魅せられた京都のライドイベントの写真を見せ、当時を思い出す Photo: Kenta SAWANO

仲間と楽しい思い出を共有するために…

萌子さん:私は落車で顔に怪我を負って、「モデルの仕事大丈夫かな」と不安だった。そこから一時トラウマになったけど、逃げるのは簡単。もしまた乗れることができたら上野さんや仲間たちとまた一緒にサイクリングをしたり、イベントに出たり、楽しい思い出を共有できると思ったから頑張れたと思う。

上野社長:自転車は走り終えた後の達成感が大きいのも魅力だね。特にイベントは走るだけではなく、終わった後の食事もお酒もより一層美味しい。この前ドイツでヤン・フロデノ選手(現トライアスロン・ロングディスタンス世界記録保持者)に会ったんだけど、レース後のビールが最高だから競技ができるって言ってたよ(笑) もちろんそれだけが理由ではないと思うけど、モチベーションと達成感ってリンクしていると思う。

萌子さん:そうですね、私も食いしん坊なのでよくわかります(笑)。あと、私にとっての達成感は大会で記録を出すというより、『何でも自分の出来る範囲で目標を決めて、そこに向けていつも以上に練習を楽しむ』という感じです。もちろん、日々のランニングやサイクリングも好きですが、何か目標を立てた方がそこに向けてモチベーションも上げられるし、より楽しくなります。ロードバイクでいうと、「『下ハン』を持てるようになりたい」とか「もっと上手にダンシングがしたい!」とかが今の目標です。

輸入車ブランドの日本トップとしてクルマの魅力を伝える上野社長と、スポーツ用品ブランドなどのモデルとして活躍する萌子さん。2人の自転車との出会いは全く異なるが、いずれも自転車を「かけがえのない存在」として受け止める。萌子さんからは、そんな「相棒」との狙う次なる大会への夢も飛び出した。

人生のスパイス

上野社長:まず自転車は僕にとって“魔法の絨毯”だった。小学生の時に六本木から北区のおばあちゃんの家まで自分の足を使って移動ができた。いろいろなところに連れて行ってくれる乗り物だったんだね。「自分の力でこんなに遠くまで来れるんだ」って感動したのを覚えているよ。それがいつしかバイクになって、いまでは車が中心になった。人生のスパイスになったと思う。車と自転車の親和性が高いのはベースが似ているのかもしれない。だから毎日練習することはできないけど、自転車は今でも僕のライフスタイルを豊かにしてくれているよ。

「小学生の時、自転車は僕にとって遠くまで連れて行ってくれる魔法の絨毯だった」と振り返る上野金太郎社長 Photo: Kenta SAWANO

「相棒」と共にホノルル、富士山へ…

萌子さん:私は沖縄出身で、上野さんのように身近に自転車がありませんでした。だから、シティサイクルに乗ったのも大人になってから。今ではなくてはならない存在だし、この「萌子号」は宝物。移動手段として乗ってるわけではないから、純粋にスポーツを楽しむ相棒ですね。だから、ロードバイクを車に乗せて大好きな世界遺産を巡ったり、イベントにどんどん出たりしてみたい。

 例えば、9月に開催される「ホノルルセンチュリーライド」には絶対に出場したいです。上野さんも一緒に出ましょうよ! レースではなく、自分のペースで完走を目指すイベントで、上野さんにも向いていると思います。ホノルルは一昨年に落車してしまった地なのでリベンジという意味もあるけど、純粋に暖かい南の島を仲間と走りたいです。あとは、上りも大好きだから、6月開催の富士山の「富士ヒルクライム」にも出場したい。

上野社長:僕は上りが苦手だからちょっと考えちゃうな(笑)。 でも、最近は新しいバイクにもなったし、乗りやすさは明確。以前、僕がサイクリング屋久島に出場した時はトライアスロン仕様のタイムトライアルバイクに乗ったんだけど、姿勢も辛いし、ハードな乗り味だし、とてもしんどかった。今僕が乗ってるキャノンデール「スーパーシックス エヴォ」は軽いし、本当に快適。カラーも「メルセデスAMG GT」のレーシングカーに合わせたものなんだ。全体をカスタマイズできる手軽さもいい。道具って大事だなと思ったよ。

レーシングカーの色を参考にしてキャノンデールのカスタムラボでオーダーした上野社長 Photo: Kenta SAWANO

萌子さん:(車の写真を見て)あ、このカラーに合わせたんですね! 私もこだわったので色を決めるのにとても悩みましたよ。車もカスタマイズできるんですか?

上野社長:メルセデス・ベンツは輸入車なので、すでにある仕様の車をチョイスするのが一般的だけど、シートの色や素材を細かくオーダーされるお客様もいますよ。自転車は見た目はもちろん、性能に直結するパーツを自分で決めることができるのがいいですね。

自転車の楽しみは乗ることだけにとどまらない。パーツを取り替えたりメンテナンスをしたりするのも、機材としての自転車の大きな魅力だ。ただ、これについては、上野社長は慎重な姿勢を示す。また、安全を第一に考えたライドのために必要な「余裕」については2人とも意見が一致した。

プロ任せで分かった「仲間意識の強さ」

上野社長:僕は全てプロに任せています。自分でいじると怖いからね。例えばブレーキキャリパーのレバーを下げ忘れた一つの動作で事故につながることもある。僕はレーシングカートを昔からやっていたんだけど、その世界では全部自分でやらなければならいないんだ。ショップの人も誰も手を貸してくれない。「他人に頼らず、自分で整備」が基本。でも、自転車の世界はみんなとても優しく教えてくれるし、お店の方も丁寧だよね。仲間意識がとても強いと感じる。本当は自分でやらなければいけないんだけどね(笑) そういった魅力も自転車の世界にはあると思う。

萌子さん:私もまだまだ勉強中だけど、前後のホイールの脱着、ライド前にブレーキの安全確認などができるようになりました。あ、ギアのバッテリー充電はしないと…。

楽と安全につながる「余裕」

萌子さん:最初に屋久島を走った時、西部林道の道のりがとても険しく感じられたんだけど、今回は自分にフィッティングしたバイクで、軽くて、性能がより優れたものだったから「え、もう終わったの」って感じでとても楽だった。余裕を持って走れたのも良かったなぁ。ホノルルで落車した時も、余裕がなかったから回避動作が取れなかったのだと思う。

今後の目標を「下ハンドルを持ってアタックをしてみたい!」と語る Photo: Kenta SAWANO

上野社長:そう、余裕はとても大事だね。僕は上りは苦手だけど、下りは大好き。カートや車も身近だったから、スピードが好きなんだろうね。でも、自転車も余裕がなくなって、限界を超えちゃうと事故に遭ってしまう。下手すれば死んでしまうことだってある。だからちゃんとマージンをとって走らなけらばいけない。

 実は昔、この会社で自転車部を立ち上げたんだ。健康のことを考えて運動しなきゃと思って。最初、3人で始めたのが、次の年は倍の6人に。さらに女性や家族も加わって筑波サーキットで開催されたエンデューロにも出場した。ここでけが人が出てしまい、会社から呼び出しをくらった。すぐ廃部にと言われたけれど、「みんなロードバイク持ってるし、乗らないわけにもいかないですからねぇ。休日に1人で事故に遭遇したら助けも誰もいないし、怪我で済むかどうか…」と話したところ、現在でも存続している(笑)

 スポーツとしては限界にチャレンジしないと面白くない。僕の場合は怪我もなく、リタイヤせずに完走することがチャレンジ。自分ができる範囲で楽しむことが重要だと思う。自分が楽しいから挑戦して、沿道から「頑張れ!」って応援されるんだからスポーツっていいよね。

「ちょっとずつの進歩を楽しむ」

萌子さん:私はもっとダンシングがうまくなりたいし、下ハンドルを持ってアタックをしてみたい! 常に「あの時もっと頑張れたら」と後から思わないように、毎回全力で取り組み、やるべきことをやり遂げたいと思います。自転車を再び始めてから自分に満足しなくなったと思う。強い向上心につながりました。

上野社長は「自分のペースで、少しずつの進歩を楽しんでいきたい」と自身の自転車との付き合い方を述べた Photo: Kenta SAWANO

上野社長:最後までやり遂げるっていうのは仕事も一緒だね。仕事は団体競技で、個々がしっかりと役割を果たすことが重要です。「俺1人ぐらい漕がなくてもいいだろう」ではなく、個人がパフォーマンスを出すことが会社のパフォーマンスアップにつながると思う。自転車とビジネスの共通点でもあると思うな。“挑戦”が周りにいい影響を与えてくれる。これからもちょっとずつの進歩を楽しみながら自転車に乗っていきたいね。

◇         ◇

 2人の自転車談義は盛り上がり、止まることなく続いた。自転車仲間と再び一緒に走れるようになった萌子さんは、上野社長はじめ、周りにいる友人たちと自転車ライフで得られる素晴らしい体験を共有していきたいと目を輝かせていた。

自転車とライフスタイルについて対談したメルセデス・ベンツの上野金太郎社長と、モデルの福田萌子さん Photo: Kenta SAWANO
上野金太郎
上野金太郎(うえの・きんたろう)

メルセデス・ベンツ日本代表取締役社長。世界中を忙しく飛び回りつつもトライアスロンを趣味としており、「ホノルルトライアスロン」への参加が1年の楽しみだという。愛車はメルセデスAMG GTのレーシングカーのカラーを参考に、カスタムラボでオーダーしたキャノンデール「スーパーシックス エヴォ ハイモッド」

福田萌子
福田萌子(ふくだ・もえこ)

沖縄県出身のモデル。身長176cmの日本人離れしたスタイルで、2010年ミス・ユニバース・ジャパンでは3位入賞。スポーツ用品ブランドのアンバサダーなどを務める。自転車をはじめマラソンやトライアスロン、ヨガ、セパタクローなど幅広いスポーツをアクティブにこなしてきたが、2015年ホノルルセンチュリーライドで落車し、その恐怖から自転車に乗れずにいた。

◇「ホノルルセンチュリーライド2017」JALで行けばもっとうれしい!

 福田萌子さんが魅力を話していた「ホノルルセンチュリーライド2017」(9月24日開催)は今年で36回目。例年多くの日本人サイクリストが参加する人気ファンライドイベントとして知られています。大会はレースではなく、参加者は美しいハワイ・オアフ島東部の自然を満喫しながら、最長で100マイル(約160km)のロングライドを楽しめます。

・開催日:2017年9月24日(日)
・申込締切:8月31日(木)まで

 プレゼンティングスポンサーのJALでは、JALホノルル線を利用する同大会参加者向けにお得な「3つの特典」を用意しています。

【特典1】…大会エントリー料金2000円値引き
:JAL便を利用すると、ホノルルセンチュリーライド2017に2000円値引き(大人のみ)でエントリーできます。

【特典2】…JALマイレージを使ってのエントリーが可能
:ホノルルセンチュリーライド2017エントリーの際に、参加者の保有するJALマイレージバンクのマイルを充てることができます。

【特典3】…日本ホノルル間の自転車運搬が無料に
:日本―ホノルル間(往復)の自転車運搬を無料でサービスします。

※各特典の詳しい申込み方法はJALのエントリー方法ページを御覧ください。

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