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東海地方のシリーズ戦ロードレース雨乞竜己が今季初優勝、キナン勢が3位まで独占 キナンAACAカップ第3戦

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 東海地方で開催されるロードレースシリーズ「キナンAACAカップ」の第3戦が3月11日、岐阜県海津市の国営木曽三川公園 長良川サービスセンター前特設コースで行われた。メインカテゴリーの1-1クラス(102km、5.1km×20周回)では、スプリントを制した雨乞竜己(キナンサイクリングチーム)が今シーズン初勝利。2月に行われた第2戦での野中竜馬に続き、チーム2連勝を飾った。なお、野中と中西健児がそれぞれ2位と3位でフィニッシュ。キナン勢が上位を独占した。

ラストの追い込みに成功し優勝した雨乞竜己(キナンサイクリングチーム)が第3戦優勝 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

北風が集団を苦しめる

1-1クラスのスタート Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 毎月1回のペースで開催されるシリーズ戦の3戦目は、すでにシーズンインしている選手と、今年の初戦が間近に迫っている選手とが集まり、ハイレベルのレースが予想された。シリーズを支える『株式会社キナン』がメインスポンサーを務めるキナンサイクリングチームは、今戦もホストとして山本元喜、椿大志、阿曽圭佑、中西健児、野中竜馬、雨乞竜己、中島康晴の日本人フルメンバーとなる7選手を送り込んだ。

 この日の長良川サービスセンターは強い北風の影響で、周回前半が向かい風、後半が追い風のコンディション。正午にスタートが切られてからしばらくは、メイン集団全体がこの風に悪戦苦闘する様子が見受けられた。

序盤に逃げグループを形成した椿大志ら Photo: Syunsuke FUKUMITSU
メイン集団は逃げグループとの差1分前後で次なる展開に備える Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 逃げを狙ってのアタックによって、数人単位のグループが形成されかけるが、いずれも成功とはならず。力のある選手の飛び出しが決まり、レースの流れがいったん落ち着きを見せたのは3周回目だ。蠣崎優仁(伊豆総合高校/EQADS)、水野貴行(Interpro Cycling Academy)、筧五郎(56サイクル)、キナンからは椿が加わり、4人の逃げグループが形成された。その後は順調にメイン集団とのタイム差を広げて、約1分20秒のリードとした。

長良川のほとりを走るメイン集団 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

土壇場で勝負は振り出しに

 しかし、中盤に入ってそれぞれの思惑も関係してか、逃げる4人のローテーションが乱れ始める。10周回目に設けられた周回賞を蠣崎が獲得すべくペースを上げたタイミングを利用して、椿がアタック。蠣崎も食らいつこうと試みるが、追い風区間でリズムが合わなかったことも関係し、11周回目からは椿の独走へと変わった。

レース後半に入り、メイン集団が活性化。キナン勢がアタックのチェックに動く Photo: Syunsuke FUKUMITSU
懸命に逃げる椿大志。ラスト3周回まで独走が続いた Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 椿が単独先頭となってからは、メイン集団が一度は迫って40秒差としたが、風を味方につけたことも幸いし、椿が自ら1分差に広げてみせる。一方で、さすがに逃げ切りを許したくない集団では、次々とアタックに転じる選手が現れ始めた。そのケアに動くのは、椿を前方に送り出しているキナン勢。周回を追うごとにタイム差は縮小しているが、急激な変化とはならない。展開次第では、椿の逃げ切りの可能性も出てきた。

 だが、レース終盤に入って風向きが横風へと変化したことで、椿の足取りも重たくなってきた。歯を食いしばって逃げ続けたが、ラスト3周回となったところでメイン集団がキャッチ。土壇場で勝負は振り出しへと戻った。

ラスト2周回となったところでアタックした阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 再びアタックの応酬となったメイン集団。残り2周回を迎えて飛び出したのは、キナンの阿曽だ。しばらくは独走だったが、ラスト1周回の鐘が鳴ったところで、チームメイトの中島が合流。さらには野中ら2選手も加わり、先頭は4人中キナン勢3人と数的優位な状況へと持ち込んだ。残り1kmを切って阿曽と中島がメイン集団へと戻されるが、先頭2人は依然数秒のリード。そして、残り500mを切ったところで野中がアタック。これに合わせる形で、追いかけるメイン集団からも数人が追い上げを図った。

土壇場でチームメイトを差し切り

 野中が先頭のまま、勝負は最後の直線へ。上り基調で、フィニッシュライン手前はわずかなカーブとなっている。ここで猛然と迫ったのは雨乞だ。フィニッシュまで数mのところで雨乞が差し切り、トップでフィニッシュ。すぐに勝利を確信し、両拳を握りしめた。

上位独占のキナン勢3人。左から中西健児、雨乞竜己、野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 逃げ切りまであと一歩だった野中は2位、雨乞とともにメイン集団から追い上げた中西が3位。2017年シリーズ3戦目にして、ホストであるキナンサイクリングチームが上位を独占した。

 最後はチームメイト同士での優勝争いとなったが、メンバーが増え、チーム内競争が激しさを見せるキナンサイクリングチームの、現在を象徴するレースになったといえそうだ。序盤から中盤にかけては椿が逃げ続け、同時にメイン集団では他チームの動きをしっかりとチェック、終盤には阿曽、中島、野中がアタックを決め、最後は雨乞のスプリントと、終始キナン勢が優位に展開したレースでもあった。翌週に開幕する国内最高峰のシリーズ戦「Jプロツアー」、そしてその先に控えるUCI(国際自転車競技連合)アジアツアー、同ヨーロッパツアーに向けて各選手が順調な仕上がりを見せていることを印象付けた。

1回目の周回賞を獲得した蠣崎優仁 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
18周回目に設けられた2回目の周回賞を獲得した豊田勝徳 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
2017年初勝利を飾った雨乞竜己 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 1戦ごとにレベルの高まりを見せる「キナンAACAカップ」。今後も、逃げやアタックから勝負が大きく動くような、アグレッシブなレースが期待される。次戦は4月29日(土・祝)、今回と同じく国営木曽三川公園長良川サービスセンター前特設コースにて行われる。

第3戦 1-1 クラス(102km、5.1km×20周回)結果
1 雨乞竜己(キナンサイクリングチーム)
2 野中竜馬(キナンサイクリングチーム)
3 中西健児(キナンサイクリングチーム)
4 中村龍太郎(イナーメ信濃山形)
5 福田真平

2017 キナンAACAカップ ポイントランキング(第3戦終了時)
1 トム・ボシス(フランス、Interpro Cycling Academy) 768pts
1 野中竜馬(キナンサイクリングチーム) 768pts
3 雨乞竜己(キナンサイクリングチーム) 544pts
4 椿大志(キナンサイクリングチーム) 256pts
5 中西健児(キナンサイクリングチーム) 128pts
5 山本雅道(シエルヴォ奈良 MIYATA-MERIDA サイクリングチーム) 128pts
5 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 128pts

スキルアップ講座は身体バランスをテーマに

 キナンAACAカップは、レース内外にわたるさまざまなアクティビティが魅力。選手1人ひとりのスキルに応じたレースカテゴリー設定もさることながら、ビギナーから上級者まで幅広く参加が可能な講座、その場でアドバイスが受けられるスポンサー各社のブース、さらには、キナンサイクリングチームの選手がサプライズ登場するポディウムなど、その楽しみはレースだけにとどまらない。

レーススキルアップ講座は、『中島通整骨院』若山敦資院長を招いて行われた Photo: Syunsuke FUKUMITSU
山本元喜らキナンサイクリングチームの選手たちも真剣な表情でレーススキルアップ講座に臨む Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 毎回恒例の「レーススキルアップ講座」には、愛知県一宮市の『中島通整骨院』若山敦資院長を招いての特別篇が行われた。身体バランスをテーマに、左右どちらも同じ力をペダルに加えられるよう、日々のストレッチから見直していくことを指導。自宅で簡単に取り組めるような内容を紹介し、器具に頼らずとも自分の体だけで効率的・効果的な調整ができることを呼びかけた。

講座は身体バランスをテーマに実施。左右ともに同じ力をペダルに加えるための効果的なストレッチ方法がアドバイスされた Photo: Syunsuke FUKUMITSU
若山敦資院長を囲んで、参加者全員で記念撮影 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 コース脇に設置されるブースでは、WAKO’S(和光ケミカル)がチェーン汚れや、自転車とオイルの関係などを参加者にアドバイスした。バイクメンテナンスも大好評で、今回も早い時間帯に受付が終了した。また、BUCYO COFFEEとCLTによるコラボブースも出展。温かいコーヒーやパスタをはじめ、プロテインがその場で飲めるとあって、選手がレース前後に行列をなして栄養補給に努めた。

 また、1-2カテゴリー優勝選手には、副賞として福井県越前市の銘菓「羽二重の街」が贈られた。同市のふるさと大使をキナンの中島が務めている縁から、今回の出品が実現。プレゼンターには中島が登壇した。

キナンサイクリングチームの選手たちがWAKO'Sのブースを訪問 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
1-2クラスのポディウムでは、福井県越前市のふるさと大使を務める中島康晴(右)がプレゼンターとして登場。優勝したデイ・ライアンに同市の銘菓「羽二重の街」を副賞として贈った Photo: Syunsuke FUKUMITSU

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AACAカップ キナン

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