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パリ~ニース2017 第8(最終)ステージコンタドールの猛攻をしのいだエナオが総合優勝 デラクルスがステージを制す

by 平澤尚威 / Naoi HIRASAWA
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 UCI(国際自転車競技連合)ワールドツアー「パリ~ニース」の最終第8ステージが3月12日に開かれ、31秒差の総合3位から逆転優勝を目指すアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)が攻撃を仕掛け、ともに先頭でレースを展開したダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ)がステージ優勝。マイヨジョーヌのセルジオルイス・エナオ(コロンビア、チーム スカイ)は2秒差でリードを守り切り総合優勝を飾った。

パリ~ニース表彰式(左から)アルベルト・コンタドール、セルジオルイス・エナオ、ダニエル・マーティン Photo: Yuzuru SUNADA

 フランス南東部のニースをスタート・フィニッシュとする最終ステージは115kmと距離は短めだが、前半に3つの2級山岳、後半に2つの1級山岳が設けられ、海岸へ下ってゴールとなる山岳ステージだ。

メイン集団内でレースを展開するセルジオルイス・エナオ Photo: Yuzuru SUNADA

 この日の逃げは24人という大きめの集団で、デラクルスやマルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム)ら総合上位のエースを抱えるチームのクライマー、山岳賞を争うリリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)とアクセル・ドモン(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアル)が含まれた。カルメジャーヌは2級山岳を全て1位通過し、山岳賞を決めた。

 一つ目の1級山岳に入ると、50km以上を残した段階で、早くもコンタドールが仕掛けた。前日も好アシストを見せたヤルリンソン・パンタノ(コロンビア、トレック・セガフレード)が一気にペースを上げてメイン集団を崩壊させ、コンタドールを発射した。エナオはコンタドールの動きに反応したが、ついていけたのは300mほどで、そこから差は広がっていった。

 コンタドールは上りでばらけた逃げ集団と合流すると、約10人の先頭集団を形成した。先頭を引くコンタドールに対し、エナオは第2集団で他の選手の後ろに付きながら追いかける。コンタドールは自ら積極的に引きながら逃げていた選手たち先頭交代を要求すると、マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)やディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE チームエミレーツ)ら数人が協力した。

アタックを仕掛けたアルベルト・コンタドール Photo: Yuzuru SUNADA

 コンタドールから離されつつあったエナオには、30秒差の総合2位につけるダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)を含むメイン集団が追いついた。エナオはチームメイト2人のアシストを得たが、タイム差は徐々に広がっていく。コンタドールは総合順位を逆転する約40秒のリードを奪って最後の上りへ入った。多くの選手が遅れるなか、上りに強いデラクルスとソレルはコンタドールのスピードに対応。メイン集団ではスカイのアシストが仕事を終え、エナオは自力での追走を強いられた。

 先頭とメイン集団の差は1分ほどに広がった。残り17kmでコンタドールの背後に潜んでいたソレルが、ステージ優勝に向けアタックし単独先頭に立った。デラクルスは、エースのマーティンがコンタドールと総合を争っているため、コンタドールを引くことはなく付き位置で待機する。メイン集団はリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム)やマーティンがアタックを繰り出すが、誰も抜け出せないまま頂上へ向かっていった。

 マーティンがエナオを上りで引き離すことができなかった影響か、下りに入るとデラクルスが先頭に出るようになった。下りに設定された中間スプリントは、ソレルが先頭通過、デラクルスはコンタドールに2位通過のボーナスポイント2秒も譲って、ステージ優勝狙いに切り替えた様子をうかがわせた。

 協力者を得たコンタドールはソレルを吸収。2016年のツール・ド・フランスでクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が披露して世間を驚かせた、トップチューブに腰掛けてペダリングするダウンヒルを交えながらエナオとのリードを広げにかかった。

 しかし下りが終わりにさしかかると、タイム差は30秒ほどに縮まった。2秒のボーナスを得たコンタドールとエナオの差は29秒。ステージの順位で与えられる1位10秒、2位6秒、3位4秒のボーナスも、総合優勝の行方に大きく影響する展開となった。

パリ~ニース第8ステージで優勝を飾ったダビ・デラクルス Photo: Yuzuru SUNADA

 コンタドールは残り3kmでデラクルスらを引き離しステージ優勝に迫ったが、土壇場で追いついたデラクルスがスプリントでかわし、ステージ優勝を飾った。コンタドールは2位、ソレルが3位でフィニッシュした。そしてメイン集団は20秒遅れでゴールになだれ込み、エナオは2秒差でリードを守り切った。

 エナオはワールドツアーで初めての個人総合優勝を飾り、2位にコンタドール、3位にマーティンが入った。カルメジャーヌが山岳賞、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)がポイント賞と新人賞を獲得した。

山岳賞のリリアン・カルメジャーヌ、個人総合優勝のセルジオルイス・エナオ、新人賞とポイント賞のジュリアン・アラフィリップ Photo: Yuzuru SUNADA

第8ステージ結果
1 ダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ) 2時間48分53秒
2 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) +0秒
3 マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム) +5秒
4 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +21秒
5 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)
6 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)
7 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE チームエミレーツ)
8 ゴルカ・イサギレ(スペイン、モビスター チーム)
9 アルノルド・ジャヌソン(フランス、フォルトゥネオ・ヴィタルコンセプト)
10 リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 セルジオルイス・エナオ(コロンビア、チーム スカイ) 29時間50分29秒
2 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) +2秒
3 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) +30秒
4 ゴルカ・イサギレ(スペイン、モビスター チーム) +1分0秒
5 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) +1分22秒
6 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) +1分34秒
7 ホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +1分41秒
8 ワレン・バルギル(フランス、チーム サンウェブ) +4分7秒
9 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +4分39秒
10 トニー・ガロパン(フランス、ロット・ソウダル) +9分14秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) 36 pts
2 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード) 30 pts
3 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) 27 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー) 63 pts
2 アクセル・ドモン(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアル) 42 pts
3 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) 24 pts

チーム総合
1 クイックステップフロアーズ 89時間43分48秒
2 チーム スカイ +19分57秒
3 トレック・セガフレード +35分55秒

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