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「ノッてる!ガールズ」のとっておき愛媛女子旅<最終回>いちご狩りは水分補給! よく食べ、よく走るローカルグルメ・サイクリング

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 愛媛県の自転車好き女性ユニット「ノッてる!ガールズEHIME」がプロデュースする愛媛の温泉×自転車女子旅の2日目は、愛媛県の山間の里「内子町」から海岸へと移動。前日の歴史を感じるサイクリングから一転、地元愛媛の‟ローカル補給食”を味わい尽くします。食べたものをすべてエネルギーに変えられるのがサイクリング。それでも「摂取カロリーを上回ってない?」と突っ込まずにはいられない女子旅へ、サコッシュ下げていざ出発!

いちご狩りも補給のうち? Photo: Naoki OHOSHI

食が豊かな内子町

朝もやにつつまれる宿。冷えた空気に頬がきりっと引き締まる Photo: Naoki OHOSHI

 愛媛県松山市からクルマで約30分。標高300~400mに位置する内子町の朝はひんやりとした朝もやに包まれていた。雲海がかかったような内子町の山並みを一望する露店風呂で目を覚ます。「大登(おおと)温泉」をたたえる宿、オーベルジュ内子の朝は、和蝋燭が灯る静かな夜とは別に、キラキラと眩しい表情を見せていた。

 森の中にいるようなダイニングで朝日が差し込むなか、内子町で採れた食材の朝食を食べる。契約農家から届くとれたての有機野菜だけでなく、米や味噌に至るまで内子町産というこだわりぶりで、まさに内子町をまるごといただくという感じ。旅をプランした加藤涼子さん、芳ノ内奈央さんの2人も、地元愛媛っ子ながらこれには目が輝く。

内子町でとれた野菜や果物のスムージーで体を目覚めさせる Photo: Naoki OHOSHI
朝食は和食か洋食のいずれかを選べる。土鍋炊きのごはんが甘く、おいしい Photo: Naoki OHOSHI
朝日を浴びながら、リラックスした様子の2人。心なしかだんだんときれいに Photo: Naoki OHOSHI

 「内子町は焼サバが名物」だそうで、地域の食文化には直にそこに行ってみないと知ることができないものもあると感じる。朝ごはんでおなかいっぱいになった筆者に対し、「この後デザートをたくさん食べにいくよ!」という芳ノ内さん。「デザートを食べに?カフェにでも行くのかな」─首をかしげる筆者に2人は笑みを浮かべた。

自由でユニークな女子のアイデア

2日目のライドはふたみシーサイド公園からスタート Photo: Naoki OHOSHI

 宿をあとにし、レンタカーに自転車を積んで海岸へと移動。約30kmほど行った先の伊予市双海町(ふたみちょう)の「ふたみシーサイド公園」にクルマを駐車し、いよいよ2日目のサイクリングがスタートした。山を巡った前日とは打って変わり、青く穏やかな瀬戸内海を眺めながらのサイクリング。広い範囲を移動し、まったく趣向の異なるサイクリングが楽しめるのも「レンタカー+サイクリング」ならではの魅力だ。

雲1つない空。瀬戸内海ってこんなに青いんだー! Photo: Naoki OHOSHI

 と、その前に2人は「デザート」を求めて脇道へ。辿りついたのはなんといちご農園!サイクリング中にいちご狩りをしようというのだ。前日の和紙を使ったクラフト体験といい、女子の発想はなんとも自由でユニークだ。

サイクリングの途中でいちご狩りって斬新 Photo: Naoki OHOSHI
「いちご家おおもり」さんのいちご園。各レーン毎にいろんな品種が並ぶ Photo: Naoki OHOSHI

 ここ「いちご家おおもり」では大人(中学生以上)1500円で60分食べ放題。酸味が強いものや甘みが強いものなど、さまざまな品種を食べ比べることができる。

かわいく実ったいちごにテンションマックス! Photo: Naoki OHOSHI

 おいしさに加え、いちごの花や実がなっている様子の可愛さが3人のハートをわしづかみ。次第に食べることに夢中になるも、あっさり30分ほどでギブアップ。いちごで満たされたおなかを抱えながら、「ほとんど水分だからね」と自分の身体に言い聞かせる2人の様子がおもしろい。

美味しいものを食べるときの表情がいつも幸せそうな芳ノ内さん Photo: Naoki OHOSHI
「ヘタの方から食べると美味しい」と教わった加藤さん。「最後まで甘さが残ってたしかに美味しい!」 Photo: Naoki OHOSHI

美味しいものには感度良好

地元で超人気の「ぱんや103」 Photo: Naoki OHOSHI

 そして間髪入れずに向かったのが、いちご農園からほど近いところにある「ぱんや107」。東京からこの地へ移住し一昨年オープンしたパン屋で、無添加生地、国産小麦100%にこだわったパンのおいしさが評判となり、地元でも人気急上昇のお店だという。

 繰り返しになるが、「いちごは水分」。パンを食べる妨げにはならない。ということで2人に連れられてお店へ。一見民家のような佇まいで、案内してもらわないとうっかり通り過ぎてしまいそうになる。

人気のおさつぱん。正午近くですでに品薄状態 Photo: Naoki OHOSHI

 午前11時頃でパンはすでに品薄状態。追加で焼きあがったばかりの「おさつパン」を購入し、店の縁側で頬張る。もちっとした柔らかい生地と、口の中に広がるさつまいものホクホクした甘さが絶妙な一品だ。

バイクラックがあるのもうれしい Photo: Naoki OHOSHI
「いちごは水分だもんね~」といいつつパンをパクリ Photo: Naoki OHOSHI

‟愛媛のパワーバー”を求めて

青いラインと青い海に沿って漕ぎ進むと、行く手に菜の花が Photo: Naoki OHOSHI

 再び海沿いの道に戻り、サイクリングを再開。しまなみ海道のように道路に引かれたブルーラインを辿って走る。次なる目的地は出発地点の「ふたみシーサイド公園」から芋沿いにおよそ17km走ったところにある「長浜」というエリア。愛媛県大洲市の郷土菓子「志ぐれ」を目指す。

 一見羊羹のようにも見えるが、小豆にもち米などを加えた蒸し菓子で、その腹持ちの良さから「愛媛のパワーバー」とも言われてるのだとか。

次なる補給所?スタートから17kmほど走ったところに現れる「稲田菓子舗」さん  Photo: Naoki OHOSHI
「愛媛のパワーバー」と称される長浜の名菓「志ぐれ」。小豆、米粉などを使った蒸し菓子 Photo: Naoki OHOSHI

 さらに2人が案内してくれたのが、昔ながらのパン屋といった感じの「まことや」。さっきパン食べたよねと思いつつラインナップに目を向けると、なるほど、コッペパンや揚げパンといった懐かしい面々が並ぶ。地元の人のみぞ知る、こういった店にこそ名店が隠れていたりするのだ。

「学校帰りに寄るパン屋」といった佇まいの「まことや」さん Photo: Naoki OHOSHI
メロンパンやあんパンなど、昔懐かしいパンが所狭しと並ぶ Photo: Naoki OHOSHI
だんだん膨らんでゆくサコッシュ Photo: Naoki OHOSHI

 補給食でパンパンになったサコッシュを背負い、向かった先は国の重要文化財に指定されている橋長226mの跳ね上げ式可動橋、「長浜大橋」。1935年築で、太平洋戦争での機銃掃射の傷跡がところどころに生々しく残る。全体が赤く塗られていることから、地元では「赤橋」の愛称でも親しまれている。

国の重要文化財に指定されている「長浜大橋」 Photo: Naoki OHOSHI
船の往来はなくなったが、毎週日曜日に定期点検を兼ねて開閉を行っている Photo: Naoki OHOSHI

 現存する道路開閉橋としては日本最古のもの。現在は船の往来はなくなったが、毎週日曜日に定期点検を兼ねて開閉を行っており、タイミングが合えばいまもその迫力ある様子を観ることができるという。

 ここがライドの折り返し地点。橋の開閉を見終わった後に橋を望む土手に腰かけ、皆それぞれの補給食を頬張った。

瀬戸内海を一望する「下灘駅」

しまなみ海道のようにブルーラインがあるので走りやすい Photo: Naoki OHOSHI

 復路はもと来た道を走るが、より海岸に近い道を走る。視線を横にそらすと海の青さが視界に飛び込んでくる。しかもこの日は追い風。信号もほとんどなく、サイクリストにとっては最高なライドコースだ。

 ふと見上げると、道に沿って小高い丘の上を電車が走っているのが見えた。JR四国の予讃線だ。その線路上にある海に面した無人駅「下灘(しもなだ)駅」に立ち寄った。

JR予讃線「下灘駅」に到着 Photo: Naoki OHOSHI
線路の向こうに広がる瀬戸内海 Photo: Naoki OHOSHI

 駅を降りれば目の前いっぱいに瀬戸内の美しい海が広がる様子から、かつては「日本一海に近い駅」とも呼ばれていた。多くのドラマやCMの撮影場所としても使用されている。“秘境駅”っぷりが、どこか遠いところへ来たような旅情を掻き立てる。美しい夕陽が見られるスポットとしても知られているそう。

かつては日本一海に近い駅だった下灘駅はさまざまなドラマやCMのロケ地にもなった Photo: Naoki OHOSHI

ハートを重ねた女子旅

追い風と青い海。まさにサイクリスト天国 Photo: Naoki OHOSHI

 そしてさらに自転車を漕ぎ、クルマをとめているふたみシーサイド公園に到着。往復43kmのサイクリングを終え、自転車をレンタカーに収納する。

 「楽しかったし、美味しかった~」と大満足の筆者に、「最後にぜひこれを食べてもらいたい」と2人が渡してくれたのがハート型のジャコ天、その名も「ラヴジャコ天」。なんでもここふたみシーサイドが「恋人の聖地」であることにちなんだそうだが、形はなんであれ揚げたてで美味しい。

大満足でレンタカーに自転車を収納 Photo: Naoki OHOSHI
ハートの形をした名物の「ラヴじゃこ天」 Photo: Naoki OHOSHI

 相手が恋人でないのはちょっぴり残念だが、旅を案内してくれた「ノッてる!ガールズ」の2人とハートを重ねることができたことは、まさに女子旅大成功!

 「日本の夕陽百選」にも選ばれている双海町の大きく真っ赤な夕陽に見送られながら、次回の(?)愛媛女子旅に期待しつつ空港へと向かったのだった。

旅の終わりを告げるように陽が暮れる Photo: Naoki OHOSHI

<完>

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