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栗村修の“輪”生相談<96>23歳女性「巡航速度を上げるために行える、費用対効果の良い方法はありますか」

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 スポーツバイクには約6年、半年前からロードバイクに乗り始めた23歳女です。

 早速ですが1つご相談があります。平均(巡航)速度を上げるために行える、費用対効果の良い方法はありますでしょうか。筋トレが重要ということはわかっているのですが、他にできることとして

・ホイールを変える
・タイヤを変える
・ステム、サドル位置を変える
・ビンディングペダルに変える

を考えています。

 上記でお分かりになるかと思いますが、ロードバイクは買った時以来調整、カスタマイズ全くしておりません。全部できれば最高に良いのですが、悲しいことに金欠で、コストパフォーマンスの高いものから試したいと思っています(アパート一人暮らしのためローラー台は当方使用不可能です)。

 お恥ずかしい数値で恐縮ですが、現状平坦な道は平均で30km/h前後で走行していて、今後は35km/h平均出せるように目指しています。

 恐れ入りますが、もし可能でしたらご教示いただけますと嬉しく思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 

(23歳女性)

 若い女性からのご質問が多いのは、頼もしいですね。スポーツバイク歴は6年ということで、けっこう乗られているのですね。

「ほうほう、またトレーニングの質問か」と思い読み進めたのですが、「費用対効果」という言葉が見えて、つまり、手っ取り早く速くなる方法は? というご質問だと気づきました。

 大変、いいご質問だと思います。ぶっちゃけ、みんな内心では「楽に速くなる方法はないかなあ」と思っているものです。トレーニングがどうとか、機材の剛性がうんぬんなどと言いますが、ホンネのかなりはそこにあるのではないでしょうか。

 平坦での平均速度を上げたいとのことですが、ビンディングペダルなしで35㎞/h平均を目指すというのは、かなりの強者とお見受けします。金欠という条件のもとで、どうすればいいか考えてみました。

 走りに大きく影響する、ホイールとタイヤを変える手はありますが、大変にお金がかかりますので、今回はナシ(ただし、タイヤは安全を考えると、定期的に変えたほうがいいでしょう)。

 しかし、ポジションを変えるだけならば、お金はかかりません。平地ですと、空気抵抗がもっとも大きな敵になりますから、運動の効率を上げつつ、空気抵抗を減らせるポジションを考えてみましょう。

 まず、サドル。サドルの位置が購入された時のままだとすると、若干低めだと思います。購入時は初心者向けに脚の付きやすさを重視しますからね。でも、速く走りたいならば、もっと上げるといいでしょう。選手たちの世界では、昔から、股下×0.88前後がひとつの基準だと言われてきました。

平坦のスピードアップには、空気抵抗の低減が有効だ Photo: Yuzuru SUNADA

 まあ、そこまで上げる必要もないと思いますが、今のサドル位置が低すぎる可能性は十分にあります。股下を計ってから、サドル高さを確認してみてください。

 ついでに、サドルの前後位置も、いろいろ試してみてください。近年のサドル事情は、高め・前乗りが主流ですが、これはプロの間の話です。必ずしも、真似をされる必要はありません。

 それから、これはちょっとお金がかかってしまうのですが、ビンディングペダルへの交換はお勧めですよ。間違いなく効果はあると思います。ただ、クリート(脚をペダルに固定する部分)の位置や、シューズの選び方などが重要になるので、信頼できるショップで買ってくださいね。最初は、高いものでなくて大丈夫です。そこでついでに全体的なフィッティングも行い、攻めのポジションを手に入れるのも良いかもしれませんね。

 ここまでは、運動効率のお話でした。次に、空気抵抗ですね。

 追求していくと、けっこう難しいのですが、空気抵抗が少ないフォームを一言で表現すると、「前から見たときに小さいフォーム」ということになるはずです。だから、姿見の前で自転車にまたがってみるなどして、コンパクトなフォームを追求してみてください。脇や肘を閉じるとか、やれることはいろいろあるはずです。フォーム改善の過程で、ポジションをいじってもいいですね。

 以上、あまりお金を掛けずに、平均速度を上げる方法のご提案でした。

 なお、蛇足ではありますが、速度を上げる代表的な方法としてはやはり、トレーニングが王道になりますね(必ずしも「筋トレ」ではありません)。実は、現在の私も質問者さんとまったく同様でつい「費用対効果」という発想に走りがちなのですが、結局のところ、運動効率の向上にしても、空気抵抗の改善にしても、トレーニングとセットで考えなくてはいけない要素であり、なんとかして効率よくトレーニングを行える環境を手に入れなくてはなりません。最近では「静音タイプ(ダイレクトドライブタイプなど)」のローラー台も販売されているので、その辺りも考慮してみてはいかがでしょうか。

(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
 ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまで、タイトルを「輪生相談質問」としてお寄せください。

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