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全日本制覇が第一目標宇都宮ブリッツェンが2017シーズン記者発表 小学生対象の地元育成クラブをスタート

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 栃木県宇都宮市を本拠地とするUCI(国際自転車競技連合)コンチネンタルチーム「宇都宮ブリッツェン」が2月19日、宇都宮市内で2017シーズンのチームプレゼンテーション記者会見と、サポーター向けのパーティーを行った。チーム設立9年目となる今シーズンは全日本選手権ロード制覇を一番の目標に置き、また小学生を対象としたジュニアクラブを春より本格スタートする。設立10年目を前に「基盤作りが完成しつつある」と廣瀬佳正ゼネラルマネージャー(GM)は新たな高みを目指す。

宇都宮ブリッツェンの2017メンバー。(左から)小坂光(28)、雨澤毅明(22)、飯野智行(27)、馬渡伸弥(22)、鈴木譲(31)、増田成幸(33)、小野寺玲(21)、岡篤志(21)、鈴木真理(42)、阿部嵩之(30)、清水裕輔監督(35) Photo: Ikki YONEYAMA

清水監督「まずは全日本」

 記者会見にはチームの首脳陣とともにロード9人、シクロクロス1人の総勢10人の選手が、今シーズンのウェアに身を包んで全員出席した。昨年末に発表された通り、昨シーズン体制よりスプリンターの大久保陣とクライマー堀孝明が移籍でチームを去り、新たにスピードマンの岡篤志(21)とクライマーの馬渡伸弥(22)が加入。選手人数は昨年と同じだ。

2017シーズンの体制を説明する運営会社の柿沼章社長(左)と、廣瀬佳正GM(中央)、清水裕輔監督 Photo: Ikki YONEYAMA
今年のスローガンは「ぶっちぎれ」 Photo: Ikki YONEYAMA

 毎年発表しているチームスローガンは、シンプルに「ぶっちぎれ」。廣瀬GMは、「このメンバーであればどのレースに出てもライバルを置き去りにできる」と自信を見せる。

バイクは引き続きメリダを使用 Photo: Ikki YONEYAMA

 シーズンの目標は例年と同様、全日本選手権、Jプロツアー、国内UCIレースでの優勝と、ジャパンカップ表彰台を掲げる。そのなかで清水裕輔監督は「まずは全日本。チーム全体で高いモチベーションを持って臨みたい」と悲願の全日本初優勝へ決意を示した。国内UCIレースでは昨年、2クラスのツール・ド・北海道とツール・ド・おきなわで優勝したが、今年は1クラスのツアー・オブ・ジャパンで、ステージ優勝を狙いたいという。地元開催のジャパンカップでは、世界のトップ選手を相手に3位以内表彰台を目指す。

 チームの勢いに合わせて、栃木県内でのロードレースも昨年の5日開催から12日開催へと大幅に増える。4年目を迎えるJプロツアー開幕戦「宇都宮クリテリウム」(3月18日)だけでなく、翌19日には鶴カントリー付近で「宇都宮ロードレース」が初開催。さらに3月31~4月2日には、国際レース「ツール・ド・とちぎ」(UCIアジアツアー2.2)が初開催となる。チーム合宿でコースを試走したという増田成幸(33)は「難易度は比較的低め。予行演習と試走を重ねて勝ちをもぎ取りたい」と意欲を見せた。このほかにも6月に那須、7月に大田原、矢板で新規のJプロツアーレースが行われる予定だ。

ハンドル・ステムはイーストン、パワーメーターはパイオニアを使用 Photo: Ikki YONEYAMA
ウェアはパールイズミ、パーツやホイール、シューズはシマノ Photo: Ikki YONEYAMA

増田、雨澤、小野寺がアジア選出場

 エースの増田成幸の目標はもちろん全日本優勝だ。増田は「自分に残された時間は少ない。今年はより(全日本を)意識して仕上げていきたい」と決意表明。2月末~3月にバーレーンで開催のアジア選手権ロードにも出場予定で、「この時期としては調子が良いので、チームとして金メダルを取る走りがしたい」と意気込みを語った。

エースの増田成幸。チーム同様、増田も全日本初制覇を最大の目標に置く Photo: Ikki YONEYAMA
雨澤毅明は地元出身のホープの一人 Photo: Ikki YONEYAMA
小野寺玲はアジア選で個人タイムトライアルにも出場予定 Photo: Ikki YONEYAMA

 アジア選にはU23で雨澤毅明(22)、小野寺玲(21)も出場予定。昨年の同大会で6位だった雨澤は「昨年は悔しい結果になったので、責任を持ってジャパンで優勝できる走りをしたい」とコメント。アジア選初出場の小野寺は「コースが平坦なので、僕にも十分チャンスがある」と意欲的だ。

キャプテンの鈴木真理は血栓の痛みが完治せず、選手生命のピンチに Photo: Ikki YONEYAMA
セカンドエースの鈴木譲。昨年は開幕戦の地元宇都宮クリテリウムを制した Photo: Ikki YONEYAMA
シクロクロスチームの小坂光は、今夏はMTB中心に活動。ロードはブラウブリッツェンで走る Photo: Ikki YONEYAMA

 一方でキャプテンの鈴木真理(42)は、昨年発症した血栓の影響でレースから遠ざかり、いまだ復帰の見通しは立っていない。もどかしさを浮かべつつも「今自分ができることを最大限がんばりたい」と語り、今シーズンはコーチを務める下部チームのブラウブリッツェンや、新しく始まるジュニアクラブの指導を中心に活動しながら、復帰の道筋を探っていく。

復帰2年目となる飯野智行は真価が問われる Photo: Ikki YONEYAMA
即戦力として活躍が期待される岡篤志 Photo: Ikki YONEYAMA
鹿屋体育大学から加入の馬渡伸弥 Photo: Ikki YONEYAMA

 アジア選手権に出場しない選手は、2月26日に伊豆で行われる、東京都ウィンターロードレースが初レースになる予定。その後さらに強化合宿を経て、3月Jプロツアー開幕に備える。

次世代を担う「黄色いブリッツェン」

「UP B-ling System」の組織図。地域の自転車教室からトップチームまでのピラミッドが完成する Photo: Ikki YONEYAMA

 また、昨年構想を明らかにしていた地域型総合育成システム「UP B-ling System」(アップビーリングシステム)が、今年から本格スタートする。小学生を対象にしたジュニアクラブを通じてロードレーサーの育成、発掘を行うもので、廣瀬GMは「別府史之選手や新城幸也選手のような才能は宇都宮だけでもたくさん眠っていると思う」と育成基盤の整備に意欲を見せる。

 ネーミングはUP=向上心・Utsunomiya Pride、upbring=育成、B-ling=BLITZEN+RING、といった要素を複合。活動は安全を十分確保し、宇都宮競輪場でのトラック練習と、鬼怒川河川敷の管理道路などでのロード練習を、週1回ずつ行う予定だ。ロードヘッドコーチは鈴木真理キャプテン、トラックヘッドコーチは日本競輪選手会の小坂敏之・栃木県支部長が務め、ロード・トラック両面から地元での育成をサポートする。

チームウェアはイエローを採用。スポンサーの一人『弱虫ペダル』作者の渡辺航さんもメッセージを寄せた Photo: Ikki YONEYAMA

 クラブメンバーは小学4~6年生で構成。3月中に募集告知を行い、4月下旬に宇都宮競輪場で運動テスト、面接などのトライアウトを実施する。初年度は20人程度を受け入れる予定だという。チームジャージはブリッツェンの赤、ブラウブリッツェンの青に対し、黄色を採用し、『弱虫ペダル』などのスポンサーも付く。またホームセンターのカンセキがロードバイクを約10台サポート。機材面のハードルも低くする。

地元の熱を一身に感じ、シーズンインへ

 夜に行われたチームプレゼンテーションパーティーでは、スポンサーやファンら約300人が集まり、選手らと交流した。

 スピーチに立った佐藤栄一・宇都宮市長は、宇都宮と同様に「自転車のまち」を掲げる自治体が増えていることに触れ、「自転車ファンがどんどん増えているということ。これもブリッツェンのおかげ」とチームの活動を評価。今年多く行われる地元レースで「ぜひ優勝を」とエールを送った。

佐藤栄一宇都宮市長も駆けつけスピーチ Photo: Ikki YONEYAMA
選手とファンが直接会話、記念写真、サインなど交流 Photo: Ikki YONEYAMA
パーティーのドリンクは、選手の直筆サイン入りカップで提供 Photo: Ikki YONEYAMA

 パーティー後半では選手と監督がそれぞれのテーマを記した「書初め」を披露。ステージ上で選手一人ひとりが目標を表明し、間近に迫ったシーズンインへの思いをサポーターと共有した。最後は参加者全員で恒例の「ブリッツェン!スリー・ツー・ワン・アレ!」のコールで締め、参加者が花道を作って選手をハイタッチで送り出した。

選手・監督が書初めを披露。一部身体を張ったネタも… Photo: Ikki YONEYAMA
廣瀬GMと栗村修さん(右)の爆笑トーク。中央はツール・ド・とちぎの実行委員長を務めるトヨタカローラ栃木の喜谷辰夫社長 Photo: Ikki YONEYAMA
地元女子チーム「ライブガーデン・ビチステンレ」の紹介も。針谷千紗子チームマネージャー(右から2人目)はブリッツェンの第1期生だ Photo: Ikki YONEYAMA
最後は参加者全員で恒例の「ブリッツェン!3・2・1・アレ!」のコール Photo: Ikki YONEYAMA

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