スマートフォン版はこちら

サイクリスト

中島康晴がチーム最高のステージ7位総合上位のクロフォードが逃げでタイム稼ぐ ツール・ド・フィリピン第2ステージ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
  • 一覧

 ツール・ド・フィリピン(UCIアジアツアー2.2)第2ステージが2月19日に開かれ、キナンサイクリングチームは約30人に絞られたメイン集団内で3選手がフィニッシュした。中島康晴がチーム最上位の7位となったほか、総合5位でスタートしたジャイ・クロフォード(オーストラリア)が逃げてレースをリード。終盤にもアタックするなど見せ場を作り、ライバルチームにプレッシャーを感じさせる走りを見せた。キナンチームからのレポートをお届けする。

ジャイ・クロフォード(左)ら逃げの3選手がスプリントポイントを目指す Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 フィリピン最大の島であるルソン島南東部のソルソゴンからナガへのステージは、序盤からアップダウンが続き、選手たちの体力を奪っていった。中盤には、この日唯一のカテゴリー山岳である3級の上りが待ち受け、戦前の予想通り集団の人数を絞っていくこととなった。

 キナン勢は、前日の第1ステージで5位となったクロフォードと、6位のトマ・ルバ(フランス)の2人を軸にレースを組み立てていった。中島をはじめ、山本元喜、椿大志も含めたメンバーで果敢にレースを動かし、他チームに脅威を与えたいところだ。

ホテルから自走でスタート地点へと移動する中島康晴 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
スタート前の記念撮影 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
逃げるジャイ・クロフォード。メイン集団との差を着々と広げていった Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 そして、その狙い通りのレース展開となった。アクチュアル(正式)スタートから山本らが逃げ狙いの動きに対応。すぐに逃げが決まることはなかったが、スタートから20分ほど動きが続いたところでクロフォードがアタックに成功した。上りの頂上で図った抜け出しに、大久保陣(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)、ペ・デヒョン(韓国、LXサイクリングチーム)が続く。メイン集団では、個人総合首位のダニエル・ホワイトハウス(イギリス)擁するトレンガヌサイクリングチームがコントロールを開始。これによって3選手の逃げが決まった。

多くの人たちが沿道で声援を送る中進むプロトン Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 前を行く3人は順調にタイム差を広げ、4分以上のリードを得る。迎えるは59.9km地点に設けられた、この日1回目のスプリントポイント。ここはスプリントで大久保が1位通過。クロフォードは3位で1ポイントと1秒のボーナスを獲得した。ホワイトハウスとの総合タイム差は2分4秒だが、総合2位以下のタイムは拮抗していることもあり、総合順位を上げるためには1秒でも稼いでおきたいところ。まずは最低限のミッションはクリアした。

 この直後、大久保、ペと相次いで後退。クロフォードの単独逃げが始まった。それでも、メイン集団とのタイム差を維持しながら快調に進んだ。

山本元喜から椿大志へとボトルが渡る Photo: Syunsuke FUKUMITSU
未舗装区間を走るプロトン Photo: Syunsuke FUKUMITSU
単独での逃げとなったジャイ・クロフォード Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 メイン集団では、107.46km地点に設けられた3級山岳が近づくにつれ、少しずつ動きが起きた。ルバら総合上位陣が次々と上りでアタックすると、リーダーチームのトレンガヌサイクリングチームのアシストが崩壊。アタックが起きては集団が吸収する状況が続いたが、それでも人数を減らしていくには十分な攻防だった。アタックを繰り出す選手によっては、リーダージャージを着るホワイトハウスが自ら集団を引く場面もみられた。

 独走を続けるクロフォードは、山岳ポイントと136.07km地点のスプリントポイントを1位通過。山岳賞争いでは6点を加算し3位に、スプリントポイントでは3点を加算すると同時に3秒のボーナスタイムをゲット。総合タイム差を4秒縮めることに成功した。

人数が絞られた集団から次々とアタックが繰り出される Photo: Syunsuke FUKUMITSU
最終局面に備える中島康晴 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 しかし、勢いに勝るリーダージャージグループがクロフォードを吸収。キナン勢は、前半にメイン集団前方でレースをコントロールした山本と椿が遅れたものの、勝負がかかるメンバーの中にルバ、中島が加わっており、クロフォードも遅れることなく3選手が先頭集団に位置。キナン勢が集団の前へと出て、ペースをコントロールする場面も出てきた。

 そのまま約30人の勝負になるかと思われたが、最終局面でクロフォードが再びアタックに乗じる。約10人が先を急いだが、逃げ切りとはならず。最後はスプリントの末、シーン・ウィットフィールド(オーストラリア、オリバーズリアルフードレーシング)が優勝した。

スプリントを制したシーン・ウィットフィールド(左から3人目)がステージ優勝 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
中島康晴がチーム最上位の7位 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 このスプリントでは、中島が先駆けで上位をうかがい、7位でフィニッシュ。26位までがトップと同タイムで、13位のクロフォード、15位のルバもタイム差なしでステージを終えている。

 このステージを終えて、ホワイトハウスの個人総合首位は変わらず。クロフォードは総合5位をキープすると同時に、ホワイトハウスとの総合タイム差を2分としている。ルバは他選手のボーナスタイムやフィニッシュ順位が関係し、総合9位となっている。ホワイトハウスとの差は2分4秒のままだ。このほか、中島がトップと9分25秒差の総合13位、山本と椿もトラブルなく2日目を終えている。

フィニッシュエリアに設けられた放水エリアでアイシング Photo: Syunsuke FUKUMITSU
中島康晴はリーダーチームであるトレンガヌサイクリングチームの選手たちと健闘を称える Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 20日の第3ステージは、ナガからダエトまでの177.35km。カテゴリー山岳が設けられておらず、アップダウンもそう厳しくないことから、スピードに富んだレース展開となる可能性がある。また、ダエト市内に入ってからはフィニッシュまでにテクニカルなコーナーが連続する。集団内でのポジション確保がカギとなりそうだ。定石通りスプリント勝負になるのか、違った展開となるのかも楽しみだ。

選手コメント

ジャイ・クロフォード「トレンガヌサイクリングチームにプレッシャーをかけたいと思っていた。何度かアタックが繰り返された後に、自分が逃げを決めることができて、トレンガヌはプレッシャーになったと思う。集団に吸収されてからは、ホワイトハウス選手の強さが際立っていた。彼はこの大会で特に強い選手だといえる。明日以降は違う形でチャンスを探ることになるけど、第3ステージは平坦でもあるので、自分としては無理せず終えたいと考えている。最終の第4ステージは(200km超えの)ロングステージだし、雨や暑さも頭に入れておかなければいけない。そのために、明日は落ち着いて走る必要がある。終盤のアタックについては、スプリンターの力が上回っていた。集団に吸収されてしまって勝ち目が完全になくなってしまったね」
 
山本元喜「序盤は自分が動いたが、その後ジャイが逃げに入ってくれたので、集団に待機してレースを進めた。カテゴリー山岳の上りを前に集団の後方へと下がってしまい、上りこそ集団でクリアできたが、その後の下りで遅れてしまった。椿たちと一緒に集団復帰を目指して、あと一歩のところまでいったけど結局追いつくことができなかった。コンディションは前日よりもよかった。気温も5度ほど下がったことや、1日走ったことで体に刺激が入って、動きは少しずつよくなってきた。ただ、この大会ではまだ何もできていないので、何か形に残して終えられたらと思っている」
 
椿大志「前日の脱水の影響もあって、ひたすら耐えるレースになった。それでも、前日よりは体が動いている感覚はあったし、あとはもう少しレースらしい走りがしたいと思う」
 
トマ・ルバ「アタックの多さや変わりやすい天候はいつものこと、アジアのレースだからね。今日はリーダーチームがレースをコントロールしたことで、集団はイージーな流れになった。その中で、総合上位の選手たちがいつ動くのかといったところで気が抜けなくて、ライバルたちの動きをフォローしながら、逃げていたジャイを守る必要があった。明日はマークすべき選手のアタックをチェックすることと、ジャイと私の総合順位をアップさせる走りがしたい。そのためには日本人メンバーに逃げてもらって、展開次第ではチャンスを生かしてほしいとも思う。逃げ切りが決まるか、スプリンターたちの勝負になるかはフィフティーフィフティーだね」
 
中島康晴「調子は悪くないので、ジャイやトマの総合ジャンプアップに貢献する走りを続けたい。 このメンバーでアタック合戦をするのは初めてで、状況判断なども探りながらではあるが、走りながらより良い形にしていくべく強化していきたい」

■ツール・ド・フィリピン第2ステージ(177.35km)結果
1 シーン・ウィットフィールド(オーストラリア、オリバーズリアルフードレーシング)4時間19分21秒
2 パク・サンホン(韓国、LXサイクリングチーム) +0秒
3 フェルナンド・グリハルバ(スペイン、クウェート・カルトゥーチョ.es)
4 チャ・ドンヒョン(韓国、LX サイクリングチーム)
5 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)
6 ネイサン・アール(オーストラリア、チーム UKYO)
7 中島康晴(キナンサイクリングチーム)
13 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)
15 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)
41 椿大志(キナンサイクリングチーム) +9分15秒
45 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +12分4秒

■個人総合時間賞
1 ダニエル・ホワイトハウス(イギリス、トレンガヌサイクリングチーム) 8時間15分24秒
2 ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、アタッキ チームグスト) +1分57秒
3 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +1分58秒
4 フェルナンド・グリハルバ(スペイン、クウェート・カルトゥーチョ.es) +2分0秒
5 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +2分0秒
9 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +2分4秒
13 中島康晴(キナンサイクリングチーム) +9分25秒
45 椿大志(キナンサイクリングチーム) +34分2秒
49 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +36分51秒

■ヤングライダー賞
1 ダニエル・ホワイトハウス(イギリス、トレンガヌサイクリングチーム) 8時間15分24秒

■チーム総合時間賞
1 チームUKYO 25時間52分24秒
2 キナンサイクリングチーム +7分21秒

■ポイント賞
1 ダニエル・ホワイトハウス(イギリス、トレンガヌサイクリングチーム) 13pts
6 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) 6pts
15 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) 1pt

■山岳賞
1 ダニエル・ホワイトハウス(イギリス、トレンガヌサイクリングチーム) 15pts
3 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) 12pts
8 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) 3pts

関連記事

この記事のタグ

キナン

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

ショップナビ

スペシャル

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載