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私の落車<カルテ10>朝日がまぶしくて…轍にハンドルとられ落車 ヘルメットのおかげで九死に一生

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【落車カルテ10】

Kさん(30代女性、ロードバイク歴5年目)

<事故状況>
 東京から千葉に向かう交通量の多い幹線道路を早朝に走行中、落車事故を起こす。原因は、進行方向の真正面から差してきた朝日。目くらましに遭った状態になり、路面の状況が確認できず、轍にハンドルをとられてバイクが跳ね、その勢いで道路に投げ出されてしまう。頭から落下したが、ヘルメットのお陰で打ち身だけで済んだ。

朝日に視界を奪われた

 事故を起こしたのは、2015年の暮れです。友人と千葉へツーリングに向かう途中のことでした。東京から千葉に向けて幹線道路を走っていて、午前7時頃に海浜幕張に差し掛かる手前の産業道路を通過しました。道路は直線で、信号も少なく、時速30kmくらい出てましたかね…。

 ちょうど正面から朝日が差し込んでいてまぶしかったんですが、知っている道でもあったので、ちょっと油断があったかもしれないです。

朝日が目に入り、路面をしっかり見ることができなかった(イメージ写真) Photo: Junji NAKAYAMA

 その道路は路面状態があまりよくないことで有名で、サイクリストには敬遠されがちな場所なんです。というのも、アスファルト舗装が溶けて、路肩に向かって押し寄せて隆起しているので、轍があちこちにあります。轍があるのも知ってはいましたが、その区間に差し掛かる前ということもあって、さほど路面は荒れてはいませんでした。

 事故が起きたのは、ちょうど朝日が正面から差してきたときです。強い光に一瞬だけ、視界が完全に遮られてしまい、視界が真っ暗になりました。運が悪いことに、そのタイミングで轍に乗り上げてしまって、ハンドルがボンと跳ね上げられてしまったんですね。予測できていない動きだったので手がブラケットから弾かれて、身体が右斜め前に吹っ飛びまして…。ワケがわからないまま落車です。

 アイウェアはしていたんですけど、それでも眩しかったですね。アイウェアをしていても、視界を奪われてしまうことってあるんだと知りました。

受け身も取れないまま、頭から落ちて

 落車の瞬間って時間がゆっくり流れるんですよ…。「ああ~、落ちる~~」ってなります(笑)。ただ、時間がゆっくりと流れるからといって、受け身がとれるって理屈ではありません(笑)。為す術なく地面に叩きつけられました。

路肩側に盛り上がった轍に乗り上げてコントロール不能に…(イメージ写真)

 受け身も取れないまま、まず頭から落ち、右肩をしたたかに打ち付けました。

 右側面を中心に体中が打ち身で痛かったのですが、骨折していないのはすぐにわかりました。車道の真ん中あたりまで飛ばされたので、とっさに起き上がり、急いで路肩に逃げました。車はそこそこ走ってはいましたが、落車の瞬間は後続車がおらず命拾いしました。タイミングによっては轢かれていた可能性が大です。

 冬で厚着をしていたので、擦過傷はなかったです。その代わり、アウタージャケットは下地が見えるくらい大きな穴があきました。ヘルメットの外側はこすった程度の損傷しかなかったので、「ラッキー、まだ使えるかも?」と思ったんですが、内側がバッキリと割れていました。

 派手にコケたわりには骨折もなく、ウェアとヘルメットがパーになっただけで済んだのは、幸運だったと言うべきでしょうね。ノーヘルだったら…頭が割れていたかもしれないです。本当に命拾いしたって思いました。

今はヘルメットを欠かさない

頭を打ち付けたヘルメット。外装が道路で擦れている(Kさん提供)

 事故直後ってアドレナリンが出ているせいか、痛みを感じないらしいんです。友人から「走れるか?」と訊かれ、行けると返事をして再出発しました。ただ、しばらくしてからあちこちが痛くなってきて…。でも、目的地に別の仲間が待っているって事情もあって、最後は義務感だけで必死にペダルを回しました。事故にあった幕張から、金谷のフェリー乗り場まで走って終了。80kmくらい走りましたかね…。

 船に乗ったところで肩や脚の痛みがひどくなり、到着した久里浜からは輪行で帰宅しました。あの事故以来、路面の隆起がトラウマです。

 じつは、この事故の前に別の事故にも遭っています。都内でロードバイクで走行中、路肩とタクシーの間をすり抜けようとしたときにドアが開いて、真横に弾かれるように倒れたんですが、この時はヘルメットを被っていなかったんですよ。

 短距離の移動だったのと、スピードもさほど出さないって決めていたので、「ヘルメットがなくてもいいだろう」と横着をしてしまいました。

ヘルメットは内側が割れていた(Kさん提供)

 あと、これは女性特有の言い訳になってしまうんですけど、ヘルメットをかぶるとセットした髪型がぺったんこにつぶれてしまうんです。横着してしまった要因のひとつですね。

 真横に倒れたその事故では、なんと運良く頭を打たずに済みました。完全にラッキーでした。これをキッカケに、「いついかなるときも、どんな状況でもヘルメットしないとダメだぞ。短距離とかスピード出さないとか言ってる場合じゃないぞ。事故はいつだって起きるんだから」と誓いましたね。今は、自転車にまたがる時はヘルメットは欠かしません。千葉の落車ではそのヘルメットに助けられました。

「たのんだぞ、ヘルメット!」という気持ち

 事故を経験してトラウマになっているのが、「視界を奪われる」こと、ですね。トンネルに入る前にアイウェアを少し口元に下ろして、一時的に裸眼にすることで、視界を確保するクセが付きました。

 そして、ヘルメットのストラップはしっかり締めること。たまに、アゴでブラブラさせているサイクリストもいますが、衝撃の瞬間にヘルメットがずれてしまっては本来の効果を発揮しません。

落車で穴ができてしまったジャケット(高かったのに…)。破れ具合から、とくに首から右肩、腕にかけて衝撃が強かったことがわかる(Kさん提供)

 あと、女性ならではなのかもしれませんが、男性にくらべて手が小さく、握力も劣るので、グローブはなるべく薄手でフィット感のよいタイプを選ぶようにしています。厚すぎるとブラケットが握りにくいし、タッチのフィーリングが損なわれるんですよね。

 休憩もこまめに取り、疲労で意識が散漫にならないように気をつけています。

 事故って、危険な場所では意外に起こらないものです。危なそうだと感じると、人間って注意深くなるんでしょう。逆に危ないのが、「日常のありふれた、なんてことないシチュエーション」です。ふと集中が途切れるとか、油断してしまう瞬間に事故原因は潜んでいるんだと身をもって学びました。

 落車した瞬間って時間がゆっくり流れるって言いましたよね。この後も一度落車に見舞われましたが、ヘルメットをして安心できていているせいか、「守られている安心感」はありましたね。「今から倒れる。たのんだぞ、ヘルメット!」って気持ちです(笑)。己の習慣に感謝する瞬間です。

 サイクリストの読者のみなさんにお伝えしたいのは、自転車に乗る際はとにかくヘルメットです。車種、距離、スピードは一切関係なく、サドルにまたがるときにヘルメットはマストですよ!

<今回の教訓>
『ヘルメット してたおかげで 命拾い 生死を分けるは 己の習慣』

(取材・編集 中山順司)

中山 順司中山 順司(なかやま・じゅんじ)

ロードバイクをこよなく愛するアラフォーブロガー。ブログ「サイクルガジェット」を運営。”徹底的&圧倒的なユーザー目線で情熱的に情報発信する”ことがモットー。ローディの方はもちろん、これからロードバイクを始めようかとお考えの方が、「こんなコンテンツを読みたかった!」とヒザを打って喜ぶ記事をつくります。勤務先はfreee

保険料の追加負担なしでヘルメット着用中の死亡事故に100万円<PR>

 自転車の事故やけがを防ぐコツですが、まずは「ヘルメットを被ること」。頭の致命的なけがを軽減できます。2つ目に、「日常の自転車のメンテナンス」。ブレーキやライトなどが整備不良のまま乗ってしまうことは危険ですし、道路交通法違反にもあたります。3つ目は、「左側通行を守ること」。交差点で出会い頭の事故にあう可能性が低くなります。

 そして、自転車に乗る全ての方に備えていただきたいのが、自転車向け保険です。一般的に「自転車保険」と呼ばれるものですが、自転車を運転する際の2つの大きなリスク、すなわち事故で「加害者」になってしまう場合と、自分が「けが」をしてしまう場合に対し、それぞれ「個人賠償責任補償」と「傷害補償」の2つの補償でカバーします。

 au損保の自転車向け保険では、個人賠償責任補償は、自転車事故以外に、日常生活での事故にも適用されます。さらに、自転車事故によるけがには保険金を倍額でお支払いします。

自転車に乗るときはヘルメットの着用を

 また、au損保では「ヘルメット着用中死亡特別保険金補償特約」をセットされているのも心強い点です。自転車乗車中に万一死亡事故に遭った際、ヘルメットを着用していれば死亡保険金とは別に100万円を支払うというもので、保険料の追加負担なしでセットされます。

 これから暖かくなると、自転車に乗る機会が増える方も多いかもしれません。もう一度、安全について確認し、もしもに備えてはいかがでしょうか。

【提供:au損害保険株式会社】

→au損保の自転車向け保険

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