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猪野学の“坂バカ”奮闘記<8>坂バカが夢見る最難関 一度は越えたい‟夫婦坂”

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 自転車という乗り物は、実に多くの出会いをもたらす不思議な乗り物だ。仕事やプライベートで、多くの人との出会いを頂き、どんどん輪が広がって行く。お勧めのコースの話。お勧めのトレーニングの話。お勧めのレースの話。お勧めの機材の話と話題は尽きない。自転車という機材を挟むだけで、簡単に人と人との垣根を越えてしまう。しかし、これが異性との出会いとなると残念ながら話は別だ。これだけ女性チャリダーが増えて来ているにも関わらず、私には出会いのかけらもない。

筆者の“坂バカメガネ”をリッチー・ポートが着用…歴史的瞬間に泣きそう!(2013年撮影)筆者の“坂バカメガネ”をリッチー・ポートが着用…歴史的瞬間に泣きそう!(2013年撮影)

悪いのは眼鏡じゃなかった!

 数え切れないほど尾根幹(都内のチャリダーのトレーニング場所)や奥多摩に行っているが、女性ライダーと出会った試しがない。パンクして困っている女性サイクリストに優しくチューブを差し出す…そんなシチュエーションがあっても良さそうなものだが、8年も自転車に乗ってるのに1度もない。勾配やサイコンの出力ばかり見てるからだろうか。

 ヨーロッパではクライマーはモテるという話を聞いた事がある。実際、クライマーと呼ばれる人達は実にスマートで紳士で格好いい。イヴァン・バッソ。リッチー・ポート。ラファル・マイカ。ロマン・バルデ。みんなイケメンだ。

見よ!リッチーの凛々しい“坂バカメガネ”姿(2013年撮影)見よ!リッチーの凛々しい“坂バカメガネ”姿(2013年撮影)

 イケメンの世界トップレーサーがモテるのは当たり前だが、彼らが「ちょっとコーヒー飲みに山岳100km走ってくるわ」といって家を出て行くのと、私が「ちょっと太ももちゃんイジメに尾根幹100km行ってくるわ」というのとは、とても似ているではないか。プロという意味でも、あちらがプロのレーサーなら、こっちだってプロの「坂バカ」だ。

 すぐに曇る黒ぶちのメガネが悪い、というご意見もあるが、以前とあるパーティでリッチー・ポート選手が私の「坂バカ眼鏡」をかけてくれた際、すこぶる格好良かった。メガネが悪いわけではないのだ。

坂バカは女心がわからない?

 それでは逆に、女性の方はどう思っているのだろうか。

崖っぷち芸人・牧野ステテコ崖っぷち芸人・牧野ステテコ

 残念なことに、身近にいる女性チャリダーが少ないので、「坂バカ女子部」の牧野ステテコと佐藤綾衣(あやぎ)に聞いてみた。

 ステテコ 「猪野監督っすか。カッコイイっす。すげえっす。アタシがボケるとツッコンでくれる優しい人っす。結婚? ええと…何すかねぇ、それはちょっと…。なぜって聞かれても、困るっす」

坂にトラウマを持つ佐藤綾衣(あやぎ)坂にトラウマを持つ佐藤綾衣(あやぎ)

 佐藤 「監督、素敵ですよ。でもメールで色々聞いても何にも返ってこないから…。もうちょっと女心を分かってくれるといいんですけど。結婚? 無理かなあ(笑)」

 聞いた相手が悪かった。とはいえ、坂バカの「自分と向き合うのが大好きで、一人で悦に入る」ところが、女心に寄り添いにくいことは確かだ。

坂バカが語る「理想の彼女」とは

 そもそも自転車乗り同士が結ばれて幸せになれるのだろうか?

 相手が自転車に詳しいと、高い機材を買ったらすぐバレるし、一緒に走ってもペースが合わない。色々と問題がありそうだ。

豪華メンバーによる“坂バカサミット” in富士山国際ヒルクライム2014(左端が筆者)豪華メンバーによる“坂バカサミット” in富士山国際ヒルクライム2014(左端が筆者)

 以前、番組で富士山国際ヒルクライムを特集した時、レース後の会場で『坂バカサミット』を開催した事がある。メンバーは超豪華で、山の神・森本誠師匠。その日のレースで見事優勝した宇都宮ブリッツェン・増田成幸選手。俳優・筒井道隆さん。いずれも富士あざみラインを愛してやまない坂バカだ。

 どうしたら速くなれるのか? どんな勾配が好きか? 坂バカの理想郷とは? 舞台上でローラーを回しながら、熱く語り合った。

“坂バカサミット”は増田成幸選手も参加してくれた“坂バカサミット”は増田成幸選手も参加してくれた
森本誠選手は「坂バカの恋人」についてアツく語ってくれた森本誠選手は「坂バカの恋人」についてアツく語ってくれた

 その時のお題に、坂バカにとって理想の彼女とは? というのもあった。皆こぞって一致したのが、自転車に乗らない人の方が良いと…暖かく見守ってくれる人が良いと。誰一人として、彼女と一緒に走るという概念はなかった。

トップ選手たちもまた、"坂バカ"ゆえの恋の難しさと闘っていた!トップ選手たちもまた、"坂バカ"ゆえの恋の難しさと闘っていた!

 森本師匠の「頂上で待つ彼女に向けて坂バカダッシュ!これがベスト!」という結論でサミットは幕を閉じたが、このサミット後に森本師匠は結婚。2014年の乗鞍では、頂上で待つ彼女の元へ誰よりも速くゴールし、頂上で結婚式まで挙げた。まさに理想の形だ。

 そういえばかつて彼女とサイクリングに出かけた時、彼女を置き去りにして激怒された事があった。「一緒にサイクルライフを楽しもう」とか、甘い幻想を抱くのはやめた方がよさそうだ。

 坂バカにとっての理想の結婚生活…それは私にとって、最も厳しい激坂のようだ。

(写真提供:NHK/テレコムスタッフ)

猪野 学猪野 学(いの・まなぶ)

俳優・声優。自転車情報番組NHK BS1『チャリダー☆』(毎週土曜18:00~18:25)にレギュラー出演し、「坂バカ俳優」という異名で人気を博す。自転車の他、空手やスキーなども特技とするスポーツマン。俳優として舞台や映画、ドラマなどで活躍する一方、映画『スパイダーマン』のトビー・マグワイアの声優としても知られる。ウェブサイト「マナブログⅡ

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