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私の落車<カルテ12>車道脇のノボリにバーエンドバーが絡まり転倒 身体だけが道路に投げ出され…

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【落車カルテ12】

Tさん(50代前半 男性)
自転車歴:2年(事故当時)
事故発生は2016年3月

<事故発生状況とその後>
 ミニベロで市街地走行中、青信号の交差点に侵入を試みたとき、信号手前の車道側に置かれた飲食店のノボリにハンドルを絡め取られ、自転車が急停止。身体だけ右斜め前に放り出された。何が起きたかもわからず、しかも後方確認のために後ろを振り返った瞬間だったため、受け身もとれなかった。ヘルメットのお陰で頭部に被害はなかったが、右脚に肉離れと、体中にアザと擦り傷ができた。

強風でノボリが車道内にはためいていた

事故時に乗っていたミニベロ(Oさん提供)事故時に乗っていたミニベロ(Oさん提供)

 乗っていたのはミニベロで、フラットバーハンドルにバーエンドバーを取り付けていたんですよ。ドロップハンドルやブルホーンバーのように姿勢を変化させられないので、せめてってことで使っていました。使用頻度は高くないんですけどね。これが側道のノボリに巻き取られるように、絡みついてしまいました。

 状況説明すると、この日は風が強い日で、ノボリが激しくはためいていました。車道をふつうに走っていて、交差点に侵入しようとしたとき、進路を塞ぐかのようにノボリが車道側にせり出していたんです。ハンドルさえ引っかからなければ、べつになんてことはない状況です。右に迂回してかわそうと思い、後方確認しようと首を軽く曲げたところ、そのタイミングで後方からクルマが追い抜きにかかっていることに気づきました。

 で、「おっとっと、クルマを先に行かせよう」となり、右に膨らんでノボリをよけることができなかったんです。まあ、バーエンドバーがなければ、おそらく絡まることはなかったと思いますね。ところが、運悪くバーエンドバーの先が、ノボリの布の部分に絡みついてしまい、ハンドルをぐいっと持っていかれました。いくつもの要因が重なって起きてしまった事故でした。

間一髪でクルマには轢かれず

ハンドルの左右から出っ張った部分がバーエンドバー(バイクは筆者の私物)ハンドルの左右から出っ張った部分がバーエンドバー(バイクは筆者の私物)

 視線を前に戻した瞬間、転倒しました。ハンドルを左に持って行かれバイクが急停止し、身体だけが放り出されたかっこうです。その瞬間は、バーエンドバーがノボリに引っかかったなんてわかりませんから、わけがわかりませんでしたよ。 受け身も取れず、激しく落車です。

 思い切り車道側に投げ出され、私を追い抜きかけていたクルマは急ブレーキ。間一髪で轢かれませんでしたが、マージンは1m…ギリギリで助かりました。マジで死ぬかと思いました。

 幸い、頭を地面に打ち付けることはなかったものの、ヘルメットはこすっていました。もしもノーヘルだったら、ただでは済まなかったでしょう。履いていたビンディングシューズは外れて、ふくらはぎが肉離れになり、両方の足首まで捻挫です。

「大丈夫」と言ったものの

 急停止した車の運転手さんがすぐに介抱に駆け寄ってくれました。偶然にも消防士さんで、そのへんの心得もあったみたいです。「救急車を呼ぶか」と聞かれましたが、骨折はなく、頭も打っていないのはわかっていたので、とっさに「大丈夫」と断りました。「あの判断はミスだったのでは」と5分後に後悔するわけですが…。

見慣れたノボリも、場合によっては事故の原因に…(イメージ写真)見慣れたノボリも、場合によっては事故の原因に…(イメージ写真)

 実は、落車したことがただただ恥ずかしくって、一目散にその場を立ち去りたかったんです(笑)。だから救急車を呼んで大ごとにしたくなったんですね。一人取り残されて気づいたのですが、体中が痛くて歩くどころではなかったです。しかも、ミニベロは右側に倒れてしまったので、リアディレイラーが破損。自走できない状態です。 救急車は呼ばなかったので、自力で帰宅するしか無い。でも、打ち身、裂傷、捻挫と肉離れで歩けない。

救急車は呼ぶべきだったかも

 途方にくれていたら、幸いにしてお世話になっているショップの近くでの事故だったので、藁にもすがる思いで電話して助けを呼んだんです。で、メカニックさんに軽トラックでバイクと自分をピックアップしてもらい、帰宅することができた、と。

 サイクリストって不思議なもので、こんなに身体が痛い状況にもかかわらず、身体よりもバイクが心配で仕方ないんですよね。我ながら、自転車好きにも程があると思いました(笑)。

人里離れた場所での事故だったら…(イメージ写真)人里離れた場所での事故だったら…(イメージ写真)

 でも、冷静に振り返ると、もしもショップが近くにない、家から遠く離れた場所での事故だったら……身動きが取れなかったわけで、どうしていただろうと。事故の瞬間は痛さより恥ずかしさが勝ってしまいましたが、消防士さんに素直に従っておくべきだったかもしれません。

今もけがの箇所が気になる

 けがのせいで、1カ月はバイクに乗れませんでした。入院ではなく、通院のみで治療しました。完治はしたものの、捻挫と肉離れの箇所は今も少し不安が残ります。捻挫はいまだに尾を引いていて、ロングライド時はサポーターを巻かないと心配です。サポーターの有る無しではずいぶんと違いますね。

 「事故から学んだこと」ですか? バーエンドバーって、車道とか町中を走るときって不要なんじゃないかと思うようにはなりましたね。持っているとブレーキかけられないので、結局使わない(使えない)シーンがほとんどなんですよ。あったらいいかなとは思いますが、無理して装着するほどでもないような気はします。

<今回の教訓>
『車道には 危険がいっぱい 潜んでる 路面だけでなく ハンドル周りも』

(取材・編集 中山順司)

中山 順司中山 順司(なかやま・じゅんじ)

ロードバイクをこよなく愛するアラフォーブロガー。ブログ「サイクルガジェット」を運営。”徹底的&圧倒的なユーザー目線で情熱的に情報発信する”ことがモットー。ローディの方はもちろん、これからロードバイクを始めようかとお考えの方が、「こんなコンテンツを読みたかった!」とヒザを打って喜ぶ記事をつくります。勤務先はfreee

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