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日本のトッププロ選手が太鼓判ロードレース映画『疾風 スプリンター』が公開 鈴木真理選手も「本当に共感」

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 台湾などを舞台にした本格自転車ロードレース映画『疾風 スプリンター』が1月7日、日本全国の映画館で公開された。東京の新宿武蔵野館での初回上映後には、現役プロロードレーサーの鈴木真理選手(宇都宮ブリッツェン)らを招いてのトークショーが開催。鈴木選手も「本当に共感できた」と映画の出来栄えに太鼓判を押した。

映画『疾風 スプリンター』の初日初回上映後、プロロードレーサーの鈴木真理選手(右)らを招いてのトークショーが開かれた Photo: Ikki YONEYAMA映画『疾風 スプリンター』の初日初回上映後、プロロードレーサーの鈴木真理選手(右)らを招いてのトークショーが開かれた Photo: Ikki YONEYAMA

 『疾風 スプリンター』は、香港アクション映画の名匠ダンテ・ラム監督による、自転車ロードレースの世界を舞台に、プロ選手たちの夢と友情、栄光と挫折を描いた作品。台湾、中国、韓国のスター俳優らが身体を張った自転車アクションを自ら敢行し、市街地や山岳を封鎖しての迫力のレースシーンに加え、実在の本場ヨーロッパのトップ選手も登場するなど、2時間の上映時間に自転車レースの魅力を存分に詰め込んだ。

選手の気持ちを再現した映画

絹代さん(左)と鈴木真理選手。鈴木選手はこの日、会場まで自走で訪れたという Photo: Ikki YONEYAMA絹代さん(左)と鈴木真理選手。鈴木選手はこの日、会場まで自走で訪れたという Photo: Ikki YONEYAMA

 トークショーには鈴木選手と、サイクルライフナビゲーターの絹代さんの2人が出席。鈴木選手は全日本チャンピオンやアジアチャンピオンなど、国内外で数々の勝利を重ねてきた現役トップレーサーだ。すでに映画本編を2回鑑賞したという鈴木選手は、「自転車映画と聞いて、失礼ながら最初は期待していなかったが、知らず知らずのうちに映画にのめり込んでしまった」と率直な感想を語った。

 鈴木選手が挙げた映画のポイントは“選手の気持ち”。主役として描かれるミン、ティエン、ジウォンという3人の選手それぞれに「自分の昔を置き換えて見てしまった」という。劇中では激しい感情のぶつかり合いが描かれるが、エースの座を死守したい気持ちや、勝利に対する渇望などに共感して、心を打たれたという。

 時に体当たりも辞さない激しいレースシーンについては、「すごい迫力。実際僕らのレースでは、激しく邪魔したり転ばせることはないが、エースの時にはそのくらい貪欲に感じていました。気持ちがすごく伝わってきた」とレースの核心を突いた演出に賛辞を送った。

激しい落車のシーンも幾度となく登場する © 2015 Emperor Film Production Company Limited All Rights Reserved激しい落車のシーンも幾度となく登場する © 2015 Emperor Film Production Company Limited All Rights Reserved
初日に訪れた熱心なファンがトークショーに聞き入った Photo: Ikki YONEYAMA初日に訪れた熱心なファンがトークショーに聞き入った Photo: Ikki YONEYAMA

 映画には女子選手(シーヤオ)も登場。主人公のミンとのラブロマンスも描かれる。女性の視点から自転車スポーツの普及に携わる絹代さんは「女性がロードバイクに乗る姿がセクシーだった。こんなに肯定的に女性が自転車に乗ることを描いてもらえるとは」と印象深かったという。

美しい風景映像にも注目

 一方、禁断の選手同士の恋愛経験について尋ねられた鈴木選手は、「あんなキレイな選手はいないです!…いや、いっぱいいます!」と笑ってかわしつつ、病気やけがに負けずに頑張るシーヤオの選手としての姿に「感情移入して若干涙した」と告白。現在、脚の血栓の影響でレースから離れている鈴木選手にとって、彼女の美しさではなく、むしろその不屈の精神にとても心を動かされたという。

選手の気持ちにとにかく感情移入したという鈴木真理選手 Photo: Ikki YONEYAMA選手の気持ちにとにかく感情移入したという鈴木真理選手 Photo: Ikki YONEYAMA
鈴木選手が乗るメリダのロードバイク。なんと「ママチャリのフラットペダル」を装備した街乗り仕様 Photo: Ikki YONEYAMA鈴木選手が乗るメリダのロードバイク。なんと「ママチャリのフラットペダル」を装備した街乗り仕様 Photo: Ikki YONEYAMA
サイクルライフナビゲーターの絹代さん Photo: Ikki YONEYAMAサイクルライフナビゲーターの絹代さん Photo: Ikki YONEYAMA

 絹代さんはまたロードレースファンの視点から、劇中に登場した様々な美しい景色の映像に触れた。台湾をはじめ中国、韓国、イタリア、スイスなどが舞台となり、バイクカメラや空撮から、美しい風景をスクリーンに描き出した。ツール・ド・フランスでおなじみのサイクルロードレースの魅力が、映画でも存分に再現されている。

 「旅行気分で見られて良かった。走りに行きたいと思った」と話す絹代さん。逆に鈴木選手は選手の気持ちに入ってしまい、「旅行気分では見られなかった」と対照的。プロ選手の視点から映画に深く共感して感情移入していた様子がうかがえた。

『疾風スプリンター』

© 2015 Emperor Film Production Company Limited All Rights Reserved© 2015 Emperor Film Production Company Limited All Rights Reserved

 公開日:2017年1月7日(土)
 上映館:新宿武蔵野館ほか全国公開
 上映時間:125分
      ◇         ◇
 監督・脚本:ダンテ・ラム
 出演:エディ・ポン
    チェ・シウォン
    ショーン・ドウ
    ワン・ルオダン
 原題:『破風』
 製作国:香港・中国合作
 配給:エスパース・サロウ
 2015/香港・中国/北京語、広東語、英語、韓国語

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