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自転車マナーアップ&ゴミ拾い活動体験レポート河川敷は誰のもの? グッチャリの「クリーンサイクリング」が問いかけること

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 自転車のルール遵守・マナー向上を啓発する「グッド・チャリズム宣言プロジェクト」(グッチャリ)が11月13日、東京・荒川の河川敷で自転車走行のマナーアップの呼び掛けとゴミ拾いを組み合わせた「クリーンサイクリング」を実施しました。荒川で20年以上にわたってゴミ拾い活動を続けている「荒川クリーンエイド・フォーラム」の協力を得ての活動で、参加した坂田良平さんは河川敷を走るサイクリストとしてでなく、荒川を利用する市民として改めて「河川敷は誰のもの?」という問題を考えさせられたそうです。「ゴミ拾いを通じてさまざまな気付きを得ることができた」という坂田さんによるクリーンサイクリングのレポートです。

◇         ◇

快くチラシを受け取ってくれたサイクリストの皆さん Photo: Ryohei SAKATA快くチラシを受け取ってくれたサイクリストの皆さん Photo: Ryohei SAKATA

止まらないサイクリストにこそ伝えたい

マナーアップチラシ配布を前に、段取りを説明するグッチャリの韓代表理事 Photo: Takayuki KUROKIマナーアップチラシ配布を前に、段取りを説明するグッチャリの韓代表理事 Photo: Takayuki KUROKI

 小春日和の穏やかな青空のもと、集まったサイクリストは12人。今回は「ツール・ド・おきなわ」と開催日程が重なったこともあり、いつもと比べて参加者はやや少なめ。参加者の半数が初参加というフレッシュな顔ぶれとなった。今回、マナーアップチラシを配布したのは、岩淵水門(東京都北区)。荒川を利用するサイクリストにとってはおなじみの場所だ。

道行くサイクリストに声をかける Photo: Ryohei SAKATA道行くサイクリストに声をかける Photo: Ryohei SAKATA

 「すいません、ちょっとよろしいですか?」

 道行くサイクリストたちに声を掛け、そしてマナーアップチラシを手渡す。「がんばってください!」と応援してくれる人、そして「以前ももらいましたよ!」と声を掛けてくれる人もいて、活動に対する認知も少しずつ実を結んでいるのかと嬉しくなる。

 しかし、声を掛けても足を止めてくれるサイクリストは全体の7割ほど。何度も参加している者にとってはいつものことなのだが、初めての参加者にとってはショックだったようだ。

 「止まってくれないサイクリストこそ、チラシを渡したい」─ある女性参加者がそんな言葉を発した。

Photo: Ryohei SAKATAPhoto: Ryohei SAKATA
Photo: Ryohei SAKATAPhoto: Ryohei SAKATA
小春日和の青空の下で行われたチラシ配り。話を聞いてくれると、心も温まる Photo: Ryohei SAKATA小春日和の青空の下で行われたチラシ配り。話を聞いてくれると、心も温まる Photo: Ryohei SAKATA

 もちろん、チラシを受け取らないサイクリストにもそれぞれの事情や考えがあって、一概に非難するのは善意の押し売りである。しかし中には、止まってチラシを受け取っているサイクリストに対して「急に止まるな!危ないだろ!」と罵声を浴びせて走り去るサイクリストもおり、サイクリスト以前に、人としての良識を疑ってしまう場面もあった。

ゴミを拾って気付く“みんなの”河川敷

 荒川クリーンエイド・フォーラムに協賛してくれたアルミ缶リサイクル協会から提供されたエプロン。ありがたく使わせていただきました! Photo: Ryohei SAKATA 荒川クリーンエイド・フォーラムに協賛してくれたアルミ缶リサイクル協会から提供されたエプロン。ありがたく使わせていただきました! Photo: Ryohei SAKATA

 約80枚のマナーアップチラシを配布した後は約5km上流に自転車を走らせ、戸田橋(東京都板橋区)まで移動。荒川クリーンエイド・フォーラムが参加を募った人たちと合流し、同団体の指導を受けながら約1時間、総勢41人でゴミ拾いを行った。

 荒川クリーンエイド・フォーラムは荒川をメインフィールドとしてゴミ拾いを実施、自然と人との共生を考える活動を行う団体。ゴミの種類を記録しながらゴミ拾い実施し、ゴミの種類と数を確認することで参加者に“気付き”を促す取組みが特徴だ。さらにその調査結果を活かし、ゴミの発生を抑え、ゴミのない社会を目指すことを活動のコンセプトとしている。

 前2回のクリーンサイクリングは、それぞれ千住大橋付近(東京都足立区)、木根川橋付近(東京都葛飾区)で行った。今回ゴミ拾いを行った戸田橋はさらに上流に位置し、より水際に近づいてゴミ拾いを行った。

これまでよりも水際に近づいてゴミ拾いを行った Photo: Ryohei SAKATAこれまでよりも水際に近づいてゴミ拾いを行った Photo: Ryohei SAKATA
ゴミは集計しながら回収する Photo: Ryohei SAKATAゴミは集計しながら回収する Photo: Ryohei SAKATA

 そのためだろうか、ゴミの種類や数でこれまでと異なる点があった。まず前回、前々回と圧倒的に数が多かったペットボトルがとても少なかった。その反面、コンビニ袋や弁当、お菓子、カップ麺などのビニールやプラ容器、缶詰、タバコの吸殻、そして乾電池が多く見つかった。

 41人が集めたゴミ。総数量はこれまでよりも少ないが、重い物が多い Photo: Ryohei SAKATA 41人が集めたゴミ。総数量はこれまでよりも少ないが、重い物が多い Photo: Ryohei SAKATA

 これまで拾ったゴミの多くは、河川敷に来た人々が「これぐらいなら…」という甘い心で捨ててしまったゴミ、もしくは風などで飛ばされてしまったと想像されるゴミが多かったように思うが、今回多数回収された乾電池などは本来河川敷で頻繁に使われるようなものではない。つまり意図的に捨てられた、もっと言えば川をゴミ箱代わりに使った結果として集まったゴミが多かったように感じた。

 ゴミ拾い終了後はグループごとに拾ったゴミの数を種類別に集計。その結果をグループ内でディスカッションし、気がついたこと、感じたことをグループごとに発表し、参加者全員で共有した。

ゴミはこのようなシートで集計する Photo: Ryohei SAKATAゴミはこのようなシートで集計する Photo: Ryohei SAKATA
グループ発表を行うグッチャリメンバー Photo: Ryohei SAKATAグループ発表を行うグッチャリメンバー Photo: Ryohei SAKATA
最後には荒川ゴミの現状や生態系に与える影響についての説明を受けた Photo: Ryohei SAKATA最後には荒川ゴミの現状や生態系に与える影響についての説明を受けた Photo: Ryohei SAKATA

 活動の最後には、荒川ゴミの現状や生態系に与える影響、そして最近世界規模での環境問題として注目されている「マイクロプラスチック汚染」(※)などについて、荒川クリーンエイド・フォーラムから説明を受けた。

※目に見えない微細サイズにまで分解されたプラスチック粒子が海洋に流れ出すことで食物連鎖によって人間も摂取し、様々な健康被害をもたらす可能性のこと

大切なのは互いの尊重

河川敷ではそれぞれの利用者を尊重する気持ちを Photo: Ryohei SAKATA河川敷ではそれぞれの利用者を尊重する気持ちを Photo: Ryohei SAKATA

 河川敷は歩行者のものでも、野球少年のものでも、釣り人のものでも、ランナーのものでも、サッカー少年のものでも、犬を散歩する人のものでも、ましてやサイクリストのためのものでもない。が、誰のものでもある。

 河川敷を利用するその人が他の利用者を尊重することで、その人は河川敷という豊かな環境を利用する権利を持つ。老若男女、様々な人が目的を持って河川敷を利用する環境を維持することが、河川敷におけるあるべき姿だろう。

 荒川のゴミ拾いという活動は、荒川を利用するすべての人の活動や生活をゴミという“メガネ越し”に眺める行為でもある。ゴミ拾いを通じ、サイクリストという立場を超えて荒川河川敷を利用するすべての人と場を共有することで、そんな思いを新たにした。

ゴミを拾い終え、参加者全員が清々しい表情に Photo: Ryohei SAKATAゴミを拾い終え、参加者全員が清々しい表情に Photo: Ryohei SAKATA

 グッチャリは、今後も継続的にマナーアップチラシの配布活動や荒川クリーンエイド・フォーラムとのゴミ拾いを行っていく。興味を持った方は、ぜひ私どもの活動に参加してほしい。

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