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日本勢は新城幸也が35位でフィニッシュペテル・サガンが圧巻のスプリントで2連覇 UCIロード世界選手権男子エリート

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 カタールの首都・ドーハで行われてきたUCI(国際自転車競技連合)ロード世界選手権は10月16日、大会の最終種目として男子エリートロードレースが行われた。レースは前半から同地特有の強風を利用したサバイバルな展開となり、最後は約20人に絞られた先頭集団でのスプリントをペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ)が制し、この種目2連覇を達成した。日本勢は、新城幸也(ランプレ・メリダ)が35位、別府史之(トレック・セガフレード)はリタイアとなっている。

UCIロード世界選手権、男子エリートロードレースはペテル・サガンが2連覇。会心のスプリントにガッツポーズ Photo: Yuzuru SUNADAUCIロード世界選手権、男子エリートロードレースはペテル・サガンが2連覇。会心のスプリントにガッツポーズ Photo: Yuzuru SUNADA

横風分断で集団の人数が一気に絞られる

 9日に男女のチームタイムトライアルで幕を開けた今大会。個人タイムトライアル、ロードレースと各カテゴリーのレースが続いてきたが、いよいよ最終日を迎えた。最後を飾るのは、男子エリートロードレース。ドーハ市内のアスパイア・ゾーンをスタートし、メイン会場である「ザ・パール・カタール」を目指す257.3km。スタートから151kmは砂漠地帯を南北に横断するワンウェイコースで、ザ・パール・カタールに入ってからは、7周回してフィニッシュする。

 大会前から、暑さとあわせて強風が心配されていたが、競技が始まると思いのほか風が穏やかな日々が続いていた。だが、この日はスタート前から強めの風が吹き、レースにどの程度影響するかが焦点となった。

集団内でレースを進める別府史之 Photo: Yuzuru SUNADA集団内でレースを進める別府史之 Photo: Yuzuru SUNADA

 日本からは、ヨーロッパのトップシーンを主戦場とする別府と新城の2人が参戦。大きなアップダウンがなく、スピードに富んだ流れになると見られる中、得意の展開に持ち込んでの勝負が期待された。

 レースはスタート直後に7人が逃げグループを形成。有力国の中では、コロンビアがブライアン・ラミレス(モビスター チーム・アメリカ)を送り込む。メイン集団は、約11分30秒差までは容認。その後はカンスタンティン・シウツォウ(ベラルーシ、ディメンションデータ)やイギリス勢が集団の前方を固め、ペースをコントロールした。

ワンウェイコースの折り返しを前に集団を分断する動きが発生。優勝争いの人数が一気に絞られた Photo: Yuzuru SUNADAワンウェイコースの折り返しを前に集団を分断する動きが発生。優勝争いの人数が一気に絞られた Photo: Yuzuru SUNADA

 ワンウェイコースの折り返しを迎えようとするタイミングで、メイン集団が一気にペースアップ。横風を利用して集団分断を狙う。折り返しを過ぎてもその趣きは変わらず。追い風を受けてペースはさらに上がり、集団はあっという間にいくつにも分かれた。

 24人に絞られた第1追走グループには有力スプリンターがそろう。勢いをそのままに、残り145km地点で逃げていた7人に合流した。一方、日本の2選手は第2追走グループで前を追う形となる。第1追走グループとは30秒から1分程度の差で進んだ。

サガンのキレがライバルを圧倒

 ザ・パール・カタールのサーキットへ入ると、レースは残り106km。新城らのグループは少しずつ先頭集団との差を広げられてしまう。ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン)が懸命にペースアップを図るが、前方に6人を送り込んだことで追走メンバーの合流を避けたいベルギー勢が執拗にチェック。業を煮やしたデゲンコルプがイェンス・デビュッシュール(ベルギー、ロット・ソウダル)にボトルの水をかけて怒りを露わにする一幕もあった。

追走グループから懸命に先頭集団を目指した新城幸也だったが、惜しくも届かなかった Photo: Yuzuru SUNADA追走グループから懸命に先頭集団を目指した新城幸也だったが、惜しくも届かなかった Photo: Yuzuru SUNADA

 やがてドイツ勢が力尽きると、追走グループはペースダウン。みるみるうちに先頭集団とのタイム差が広がり、勝負の行方は前を行く選手たちにゆだねられた。

 先頭集団をコントロールしたのは、主にベルギーとイタリア。さらにはノルウェーも加わる。大きく形勢に変化が起きることはないまま、終盤を迎えた。

 残り10kmを切ったところから、スプリンターを残していないオランダ勢がじりじりと集団前方へと上がってきた。隙あらばアタックしようという構えか。ここは8月に行われたリオデジャネイロ五輪ロードレースの金メダリストである、フレッヒ・ヴァンアーヴルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)がチェックする。

 だが、残り5kmになろうかというタイミングで、トム・レーゼル(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)がアタック。狙いすました動きに集団は対応が遅れた。トゥルリスエンゲン・コルサエス(ノルウェー、チーム ヨーケル・ビグトルゲ)が懸命に集団を牽引するが、レーゼルとの差はなかなか縮まらない。変わって、ベルギー勢がペースを上げてスプリント態勢に持ち込もうと試みる。

マイヨアルカンシエルを賭けたスプリント勝負。ペテル・サガンのスピードがライバルを凌駕した Photo: Yuzuru SUNADAマイヨアルカンシエルを賭けたスプリント勝負。ペテル・サガンのスピードがライバルを凌駕した Photo: Yuzuru SUNADA

 トップで粘ったレーゼルだったが、ラスト1kmを切って集団の勢いに敗れてしまった。スプリントによる勝負が決定的となった。そして、最終コーナーをすぎラストの直線。ここで先頭へと出たのはトム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)。2005年以来、11年ぶりの世界王座をかけて加速する。しかし、その横から抜群のキレ味を見せたのはサガンだ。マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)も迫るが、最後まで伸びたサガンに軍配。2006年から2007年のパオロ・ベッティーニ(イタリア)以来となる、世界選手権ロードレース2連覇達成だ。

 サガンはレース後、「誰もがスプリントをする中で勝利を狙うのは、宝くじのようなものだ。ちょうど狙っていたサイドが開いたので、そこを目がけた。塞がれなかったのは幸運だった」と振り返った。来シーズンからは、ドイツ籍のチームであるボーラ・ハンスグローエ(現ボーラ・アルゴン18)への移籍が決まっており、新天地へマイヨアルカンシエルをもたらす最高の結果となった。

 なお、2位にはカヴェンディッシュが、3位には来年のパリ~ルーベでの現役引退を公表し、今回が最後の世界選手権となる見通しのボーネンが入った。

 前を目指しながら、合流がかなわなかった新城は5分26秒差の集団でフィニッシュ。順位は35位だった。また、別府はレース後半、第3グループ内で走ったが、2周回を残してリタイアとなった。

男子エリートロードレース(257.3km)結果
1 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ) 5時間40分43秒
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) +0秒
3 トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
4 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)
5 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)
6 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)
7 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、チーム カチューシャ)
8 ウィリアム・ボネ(フランス、エフデジ)
9 ニキ・テルプストラ(オランダ、エティックス・クイックステップ)
10 フレッヒ・ヴァンアーヴルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)
35 新城幸也(ランプレ・メリダ) +5分26秒
DNF 別府史之(トレック・セガフレード)

上位3選手の表彰。左から2位マーク・カヴェンディッシュ、1位ペテル・サガン、3位トム・ボーネン Photo: Yuzuru SUNADA上位3選手の表彰。左から2位マーク・カヴェンディッシュ、1位ペテル・サガン、3位トム・ボーネン Photo: Yuzuru SUNADA

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