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山下晃和の「ツーリングの達人」・アメリカ フロリダ編<最終回>自転車旅の装備拝見! あると快適&便利な選りすぐりのアイテム 

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 3回にわたり、自身のアメリカ・フロリダ半島の自転車横断旅をレポートしてくれた山下晃和さん。ネパールやインドなど、これまでのストイックな自転車旅とはまったく異なるモーテルなどを組み合わせた今回の旅は「自転車で世界旅を始めてみたいと思ってる人にもおすすめしたいコース」だという。ただ、気軽に向かう自転車旅だからこそ、旅に必要な最低限の基本装備が見えるもの。「ツーリングの達人」山下さんはどんな装備で今回の旅に臨んだのか。これから旅に出ようとしている人はぜひ参考にしてもらいたい。

これが全装備類。左上からサンダル、ウェア類を入れた無印良品の小分けバッグ、手ぬぐい、ヘルメット、現地で買った3in1のシャンプー、クランプラーの化粧ポーチ、飛行機輪行の時に入れていた畳めるダッフルバッグ110リットル、コッヘル、ヘッドライト、地図、クランプラーのカメラバッグ、寝袋、マット、レインウェア上下、テント、工具 Photo: Akikazu YAMASHITAこれが全装備類。左上からサンダル、ウェア類を入れた無印良品の小分けバッグ、手ぬぐい、ヘルメット、現地で買った3in1のシャンプー、クランプラーの化粧ポーチ、飛行機輪行の時に入れていた畳めるダッフルバッグ110リットル、コッヘル、ヘッドライト、地図、クランプラーのカメラバッグ、寝袋、マット、レインウェア上下、テント、工具 Photo: Akikazu YAMASHITA

旅の快適さを左右するウェア

KEENのトレッキングシューズは陽のあたる場所で毎回乾燥させて清潔に保つ。最近はミッドカット以上のくるぶしまで隠れる登山靴にしている。一日、二日では分からないが、一週間以上走り続けると顕著に疲れが変わってくる Photo: Akikazu YAMASHITAKEENのトレッキングシューズは陽のあたる場所で毎回乾燥させて清潔に保つ。最近はミッドカット以上のくるぶしまで隠れる登山靴にしている。一日、二日では分からないが、一週間以上走り続けると顕著に疲れが変わってくる Photo: Akikazu YAMASHITA

 今回のフロリダ半島縦断自転車旅は、2週間だったのと、気温が高いところのみの走行だったため、かなり荷物は少なかったと思う。なにより自転車自体に付いていたフロントキャリアと前後マッドガードを装着しなかった。結果として、マッドガードはあったほうが良かったが、フロントキャリアは要らなかった。

 テントはプロモンテの1人用。寝袋はモンベルのナンバー4。マットはクライミットの「インシュレーテッド・イナーティア」。寝袋は要らないくらい暑かったので、実際はコクーンなどの軽量ブランケットでも良かったように思う。

モンベルのサイクリングジャージとKABUTOのヘルメットとNEWERAのGORE-TEX製ワークキャップを着用したサイクリスト仕様でスタート Photo: Akikazu YAMASHITAモンベルのサイクリングジャージとKABUTOのヘルメットとNEWERAのGORE-TEX製ワークキャップを着用したサイクリスト仕様でスタート Photo: Akikazu YAMASHITA

 ウェアは、サイクリングジャージや速乾性のインナーを3枚。モンベル、マウンテンハードウェア、アイスブレーカーの3つのブランドのもの。その中にはファイントラックのスキンメッシュインナーを。汗を直接肌に付けないようにするインナーのインナーだ。

 レインウェアは、モンベルの「トレントフライヤー」上下。ショーツはピークパフォーマンスとモンベルのスイムウェア、あとはコンバーチブルタイプ(ショーツとロングパンツを変えられる)のバーグハウスのトレッキングパンツ。その中でもモンベルのスイムパンツは優秀でストレッチが効いているうえに、お尻にポケットが無いので漕ぎやすかった。

 靴下は、ダーンタフ、RLソックス、KEENの三足。シューズはKEENの「VERDI II MID WP」というトレッキングシューズとモンベルの「ソックオンサンダル」。ここ最近はトレッキングシューズで漕ぐことが多い。以前はローカットタイプのものだったが、くるぶしまでくるミッドカット以上のほうが長距離走るときは楽だということに気づいたからである。 

 ヘルメットの下にはニューエラのゴアテックス製ワークキャップを着用し、スコールに備えた。また、タオルはかさばる上に重たくなるので、手ぬぐいがオススメだ。速乾性もあるし、万能に使える。

以前も紹介したスクラバウォッシュバッグはキャンプ好きや登山好き、旅好きにはオススメ。中にツブツブ状の洗濯板のようなものが入っていて、洗剤と水さえあればどこでも洗濯できる Photo: Akikazu YAMASHITA以前も紹介したスクラバウォッシュバッグはキャンプ好きや登山好き、旅好きにはオススメ。中にツブツブ状の洗濯板のようなものが入っていて、洗剤と水さえあればどこでも洗濯できる Photo: Akikazu YAMASHITA
この日は、手ぬぐいを乾かしながら走行。自転車を停めておく場所が無い場合は、芝生にそのまま横に倒しておく。背中からワニやアルマジロが現れるので周りに注意を払いたい Photo: Akikazu YAMASHITAこの日は、手ぬぐいを乾かしながら走行。自転車を停めておく場所が無い場合は、芝生にそのまま横に倒しておく。背中からワニやアルマジロが現れるので周りに注意を払いたい Photo: Akikazu YAMASHITA

 どこでも洗濯ができるスクラバウォッシュバッグはとても便利なので、ネパール、インド、バングラデシュの遠征の時から利用している。洗濯板が入っているようなバッグだ。汚れたものを入れておくのにもいい。

トラブル、天候、先を読んでリスクに備える

走行時にアンダーウェアや靴下などを乾かしながら走行する。オルトリーブの防水バッグとドローコードが役に立った Photo: Akikazu YAMASHITA走行時にアンダーウェアや靴下などを乾かしながら走行する。オルトリーブの防水バッグとドローコードが役に立った Photo: Akikazu YAMASHITA

 今回はリアキャリアの天板に載せるために、オルトリーブの軽量防水バッグを持ってきたがこれもまた非常に有効だった。洗濯で乾かなかったものをバッグに載せてゴムにくくりつけることによって、走りながら乾かしたからだ。

 リアキャリアのサイド振り下げバッグはオーストリッチの特大パニア。これ一つで合計74リットルの荷物が入る大容量のものは国内で唯一と言っていい。むしろ世界中探してもこれだけ大きなバッグは売っていない。

 キャリアに引っ掛けるタイプではないので、宿やキャンプ場に着いたら外す必要があるが、キャリアに負担がかからないため、車体へのダメージも少ない。海外で年単位、数千キロ単位で走っている旅人はみなキャリアが壊れてしまうので溶接しながら旅することになるだろう。たいがいキャリアにひっかけるタイプのバッグを利用したサイクリストが壊しているので、左右振り下げバッグは長距離ライドに向いている。

フロリダの7月はスコールが多い。お店やガソリンスタンドを見つけたら迷わず雨宿りをしたほうがいいが、無い場所では防水仕様にするしかない。雨量は日本の比ではなく、前に進めなくなるほど。雷もピカピカとあちこちに稲光が見え、風も吹き荒れるので夕方は雲の動きに注意 Photo: Akikazu YAMASHITAフロリダの7月はスコールが多い。お店やガソリンスタンドを見つけたら迷わず雨宿りをしたほうがいいが、無い場所では防水仕様にするしかない。雨量は日本の比ではなく、前に進めなくなるほど。雷もピカピカとあちこちに稲光が見え、風も吹き荒れるので夕方は雲の動きに注意 Photo: Akikazu YAMASHITA

 雨が降りそうなときは先読みして、レインカバーを装着させ、中に財布、カメラ、地図を入れる。今回はソトのOD缶で使うシングルバーナーの「ウインドマスター」は一度も使うことがなかった。またOD缶が売っている店もなかったので、もし調理をするならガソリンが使える「MUKA」ストーブの方がいい。また、発売予定のOD缶とガソリンの両方が使えるソトのストーブにも期待したい。

キャンピング時の革命を起こしたKlymit(クライミット)のマット。膨らませて使うマットを寝袋の中に入れるため、軽量でコンパクトになり、スタッフサックに入れると空き缶ほどのサイズに。穴が開いているところには空気の層ができるため寝袋のロフトを潰さずに保温性もキープ。他のマットが大きすぎて持てなくなるほどだ Photo: Akikazu YAMASHITAキャンピング時の革命を起こしたKlymit(クライミット)のマット。膨らませて使うマットを寝袋の中に入れるため、軽量でコンパクトになり、スタッフサックに入れると空き缶ほどのサイズに。穴が開いているところには空気の層ができるため寝袋のロフトを潰さずに保温性もキープ。他のマットが大きすぎて持てなくなるほどだ Photo: Akikazu YAMASHITA

 なぜストーブを使わなかったかというと、フロリダ半島の6、7月の気温があまりにも高かったので、温かい食べ物が必要なかったこと。スーパーマーケットなどでも、米自体がなかなか売っていないため、コッヘルで炊く作業も要らないこと。パンとジャムくらいであればナイフ付きのスプーンだけで十分だったということも要因だ。よって、コッヘルも要らなかったかもしれない。

 夜はキャンプ場も暗いので、明るいヘッドライトはジェントスの250ルーメンのものとハイギアのLEDランタンを持っていった。

 もし、キャンプ泊をしないと割り切るなら、テント、シュラフ、マットが要らなくなるのでもっと軽量な荷物で行けると思う。バイクパッキングのようなスタイルでも、ロードバイクでも走破できるはず。その際はモーテルを使うと思うので、1泊50ドル〜70ドルくらいがかかる。予算だけは多めに用意しておく必要がある。

アメリカの大手スーパーにはどこでも自転車のチューブが置いてあった。それもすべての種類を。24インチから700c、29インチまで。日本から買っておく必要もなく、持ち歩くのも一本で良いほど。さすがスポーツ大国アメリカだ Photo: Akikazu YAMASHITAアメリカの大手スーパーにはどこでも自転車のチューブが置いてあった。それもすべての種類を。24インチから700c、29インチまで。日本から買っておく必要もなく、持ち歩くのも一本で良いほど。さすがスポーツ大国アメリカだ Photo: Akikazu YAMASHITA

 走行距離も伸びると思うので、頑張れば4日間で行くこともできる。ただ、途中の町はいかにもアメリカの田舎町といった雰囲気で、通り過ぎてしまうのはもったいないところばかりだった。ローカルのお店で買い物したり、カフェに寄ったり、レストランやダイナーでご飯を食べたり、地元のスーパーでお酒を買ってモーテルでメジャーリーグを観ながらノンビリするのは格別の時間だ。よって、時間が取れるのであれば5日間、もしくは6日間かけて走ってもらいたい。その方がきっと楽しい。

 アメリカでは、クレジットカードがどんな地方であっても使えること、小さな商店でも嫌な顔せずに切ってくれることが良かった。ATMでお金を下ろすことは一度もなく、成田空港で両替した300ドルは最後余ったほどだった。

山下晃和山下晃和(やました・あきかず)

タイクーンモデルエージェンシー所属。雑誌、広告、WEB、CMなどのモデルをメインに、トラベルライターとしても活動する。「GARVY」(実業之日本社)などで連載ページを持つ。日本アドベンチャーサイクリストクラブ(JACC)評議員でもあり、東南アジア8カ国、中南米11カ国を自転車で駆けた旅サイクリスト。その旅日記をもとにした著書『自転車ロングツーリング入門』(実業之日本社)がある。趣味は、登山、オートバイ、インドカレーの食べ歩き。ウェブサイトはwww.akikazoo.net

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