スマートフォン版はこちら

サイクリスト

title banner

栗村修の“輪”生相談<79>30代女性「サークル内の走力差に悩んでいます」

  • 一覧

 
 私は都内で社会人ロードバイクサークルの運営をしている30代女性です(私の他にも男性の運営メンバーが数人おります)。

 サークルメンバーは経験者、初心者、男女関係なく所属していただいており、週末ごとにサイクリングに出かけております。サークル運営にあたり、1点気がかりな事がありご相談いたしました。それは実力の違う者同士が集まって本当に楽しめるのかどうかと言うことです。

 男女差、実力差と言うのはどこの世界でもつきものだと思います。凄く実力のあるメンバーは平地は巡航速度35km/h以上、ロングライドも300km余裕と言うような方もいますし、私のように今までスポーツをやっていたわけではなく、何とかロードバイクには乗れるが、平地でも巡航速度は20km/h前後、ロングライドも100kmが限界という者もおります。

 男女比が8:2くらいなので、サークルライド参加者はほぼ男性がメインで、女性は毎回0〜2人前後です。 私や他の女性が参加する事で男性の参加者が満足できなくなってしまうのと、速い方たちばかりだと私をはじめとする女性や遅い人たちは参加を遠慮してしまい、結局実力の合う者同士が固まり、サークルが分裂してしまうのではないかと危惧しております。

 そうなってしまった時はそれはそれで受け入れようとは思っておりますが…。

 サークルの方向性は無理せず楽しくをモットーとしておりますし、分類的にもいわゆるガチの部類でもないです。リーダーからも参加を遠慮する必要はないし、速い人は遅い人に合わせるようにとも言われています。

 速いチーム、遅いチームに分けて走ったりすることもあるのですが、今度は待たせることがプレッシャーになるのと、結局合流後すでに待たせてしまっているため、ほとんど休憩ができずに出発となってしまいます。

 速く走れるようになるのが一番いいとはわかっていますが、趣味の自転車でそこまで追い込んでトレーニングをしたくないというのも事実です。

 こういった場合皆が楽しむためにはどのようにサークルを運営していくのが一番いいのでしょうか?

(30代女性)

 実力差の問題はレースに限らず、サイクリングイベントを含め、色々な場所で問題になっていますね。ご質問も要約すると、実力差があることを踏まえて、どのように安全に楽しむか、ということになるでしょう。

 ロードバイクという乗り物には、ちょっと特殊な特性があるんです。ランニングと比べると、分かりやすいですね。

 ロードバイクには、ランニングとは異なり、顕著にスリップストリームが働きます。ですから、強い人が前、そうでない人が後ろ、という配置ならば力の差を埋められるんですね(走行スキルは必要ですが)。

 僕が宇都宮ブリッツェンの監督をしていた時代に、選手たちと一緒に走ることがありました。全然練習をしていませんから選手たちとの力の差は歴然なんですが、現役時代に培った集団走行のスキルは残っています。すると、高負荷のダッシュ練習などを除けば、選手たちのスリップストリームに入ればついていけるんです。

老若男女を問わず楽しめるのがサイクリングの魅力だ Photo: Naoi HIRASAWA老若男女を問わず楽しめるのがサイクリングの魅力だ Photo: Naoi HIRASAWA

 でも、ランニングで、トップ選手の練習にアマチュアがついていくのは無理ですよね。これがロードバイクの特性の一つです。

 しかし、別の特性もあります。それは、今お伝えした特性と関係があるんですが、ちぎれちゃうと急速につまらなくなってしまうことです。

 ランニングなら、目標タイムを設定して、そこに向かって走ることができます。だから、一人でも楽しみやすいと。例えば皇居に集まって、しかし個々人が好きなペースで走る、という楽しみ方が可能です。

 でもロードバイクではどうでしょうか。理屈上は、同じ楽しみ方もできます。でも、スリップストリームの効果があるため基本的に皆が一つの集団で走りますから、独りぼっちになると、なんといいますか、敗北感みたいなものに襲われるのです(ご経験がありませんか?)。

 では、どうすればいいか。レースのように、脚力別の厳密なカテゴリ分けをすることだと思います。遅れる人が出ることを防ぎましょう。あと、コースも脚力によって分けるべきです。速い人たちに待ってもらうといっても限界がありますからね。
 
 それから、ゲーム性でしょうか。トレーニングも同じですが、がんばればギリギリ手が届く、くらいのところに目標を設定するんです。もちろん、脚力に応じた目標ですよ。

 楽しむためにのポイントは、頑張れば手が届くご褒美がある、という状況を作れるかどうかにかかっています。そういうゲーム性を確保しつつ、楽しんでください。

(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
 ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

現在募集中のイベント情報

関連記事

この記事のタグ

Q&A(女性向け) 栗村修の“輪”生相談

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

イベント情報:御神火ライド

スペシャル

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載