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ジロ・デ・イタリア2016 第19ステージニバリが「チマ・コッピ」制し総合2位浮上 クルイシュウィック落車でチャベスがマリアローザ

by 澤野健太 / Kenta SAWANO
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 ジロ・デ・イタリア第19ステージは5月27日、ピネローロからリスルまでの161kmで争われ、2013年覇者のヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)がステージ優勝を飾り、総合でも2位に浮上した。スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)は落車が響き、マリアローザを手放し、3位のヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)が総合首位に輝いた。NIPPO・ヴィーニファンティーニの山本元喜は、136位となった。

区間優勝を果たし、天を指差すヴィンチェンツォ・ニバリ Photo: Yuzuru SUNADA区間優勝を果たし、天を指差すヴィンチェンツォ・ニバリ Photo: Yuzuru SUNADA

スカルポーニが1位通過

 残り3ステージ、総合優勝争いに向け今大会最大の「山場」を迎える。スタート直後から約100kmを登り続け、今大会最高標高地点「チマ・コッピ」となる、標高2744mのアニェル峠を越えフランスに入る。21.3km、平均6.8%、最大15%の険しい峠を超えると、そこから約45kmの長い下りを経て、ツール・ド・フランスでお馴染みのリゾル峠を上ってゴールする。

 第18ステージ2位のモレーノ・モゼール(イタリア、キャノンデール プロサイクリングチーム)ら20人超の逃げ集団が、残り70kmでメーン集団に4分差をつける展開。チーム スカイ、イアム サイクリング勢が3人を送り込んでいた。

 残り65km地点で、ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)、エゴル・シリン(ロシア、カチューシャ)がアタック。ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ プロチーム)も食らいつき3人が逃げ集団を作る。アニェル峠頂上に近づくにつれ霧で視界が悪くなり、周りの山も雪景色になっていった。そこからスカルポーニが飛び出し、ウリッシが追う。

アニェッロ峠での雪を横目に走るヴィンチェンツォ・ニバリ Photo: Yuzuru SUNADAアニェッロ峠での雪を横目に走るヴィンチェンツォ・ニバリ Photo: Yuzuru SUNADA

バルベルデ遅れる

 一方、メーン集団は残り60kmで、チャベスらオリカ・グリーンエッジ勢がアタック。ニバリ、ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ)、総合3位につけるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)らが喰らいつく。残り57kmでチャベスが再アタック。クルイシュウィック、総合5位のイルヌール・ザカリン(ロシア、チーム カチューシャ)らがついていくが、バルベルデはついていけない。

クルイシュウィック、路肩の雪に激突

落車して立ち止まるマリア・ローザのスティーフェン・クライシュウィック Photo: Yuzuru SUNADA落車して立ち止まるマリア・ローザのスティーフェン・クライシュウィック Photo: Yuzuru SUNADA

 アニェル峠をトップで通過したのは2011年大会の覇者スカルポーニ。その次にウリッシ、メーン集団から逃げたニバリ、チャベス、クルイシュウィックが続いた。

 峠を超えても視界は悪く、下りでクルイシュウィックが痛恨の落車を起こす。コーナーで目測を誤り、路肩の雪に激突しながらバイクごと前に1回転してしまう。幸い雪の上でダメージは少なかったが、後続に抜かれ、味方のアシストもなく、孤軍奮闘で前を追った。後続でザカリンも路肩に落ちる落車でリタイアとなった。
   

落車後、前を追うスティーフェン・クルイシュウィック Photo: Yuzuru SUNADA落車後、前を追うスティーフェン・クルイシュウィック Photo: Yuzuru SUNADA

 トップを走っていたスカルポーニに長い下りでマキシム・モンフォール(ベルギー・ロット・ソウダル)が追いつくが、スカルポーニは一旦ストップして、後続のエース・ニバリのアシストに回った。

 クルイシュウィックは残り30kmでトップに3分54秒。自ら集団の先頭を引くが、前を行くチャベス、ニバリのグループとの2分差をなかなか詰めることができない。逆にウリッシら第2グループと、ニバリ、チャベスらの第3グループが一緒になり、約20人の集団でスピードアップ。後続のクルイシュウィックを引き離した。単独で逃げていたモンフォールも吸収した。

コロンビア人3人目栄誉

ポディウムで祝福を受けるヨアンエステバン・チャベス Photo: Yuzuru SUNADAポディウムで祝福を受けるヨアンエステバン・チャベス Photo: Yuzuru SUNADA

 リゾル峠への最後の登りで残り5kmからニバリがアタック。チャベスが反応するが、ニバリが再度アタックをかけると、誰もついてこなかった。ニバリはチャベスに51秒差をつけると、両手で天を指さしゴール。1位のボーナスタイム10秒も獲得し、総合でも前日の4位から首位チャベスに44秒差の2位に迫った。「超級山岳でみんなを驚かせることができた。グランツアーの最後の何日かでこういうことは起きるよ」と、3年ぶりの優勝に自信を見せた。

 3位に入ったチャベスは、リゴベルト・ウラン(キャノンデール プロサイクリングチーム)、ナイロ・キンタナ(モビスター チーム)に続きコロンビア人として3人目のマリアローザに袖を通した。「クルイシュウィックの落車は残念だったけど、落車は自転車競技につきもの。マリアローザを着るのが夢だったけど、(優勝して)家に持って帰れたらもっといいね」と残り2日、総合首位を守り切る構えだ。

第19ステージ結果
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 4時間19分54秒
2 ミケル・ニエベ(スペイン、チーム スカイ) +51秒
3 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +53秒
4 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) +1分2秒
5 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ) +2分14秒
6 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)+34秒
7 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール プロサイクリングチーム)
8 ゲオルク・プライドラー(オーストリア、チーム ジャイアント・アルペシン) +2分43秒
9 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム スカイ) +2分51秒
10 ユベール・デュポン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)
136 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +36分31秒

個人総合(マリアローザ)
1 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) 78時間14分20秒
2 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)+44秒
3 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +1分5秒
4 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)+1分48秒
5 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ) +3分59秒
6 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +7分53秒
7 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +9分34秒
8 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール プロサイクリングチーム)+12分18秒
9 カンスタンティン・シウツォウ(ベラルーシ、ディメンションデータ) +13分19秒
10 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)+14分11秒
152 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +4時間11分27秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) 185pts
2 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) 152pts
3 マッテーオ・トレンティン(イタリア、エティックス・クイックステップ) 141pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 134pts
2 ミケル・ニエベ(スペイン、チーム スカイ)98pts
3 シュテファン・デニフル(オーストリア、イアム サイクリング) 69pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) 78時間22分13秒
2 セバスティアン・エナオ(コロンビア、チーム スカイ) +22分09秒
3 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレメリダ) +59分22秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 235時間5分37秒
2 キャノンデール プロサイクリングチーム +12分9秒
3 モビスター チーム +18分56秒

 

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