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はらぺこサイクルキッチン<61>食もサービスも運営も世界一! 池田祐樹の南アフリカMTBレースレポート

by 池田清子 / Sayako IKEDA
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 夫・池田祐樹(トピークエルゴンチームUSA)が南アフリカで開催された9日間のステージレース、「joberg2c」(ジョーバーグ・トゥー・シー)に参戦しました。私は日本で留守番をしていたので、今回は祐樹さん本人によるレポートでお伝えします! これを見て私は、行かなかったことを深く後悔しましたよ。ジョーバーグ・トゥー・シー9日間900kmステージレース「食」レポートをお楽しみください。

今大会名物の水上ブリッジ。動くし、沈むので意外に渡るのは難しいです。結構な数のライダーが落ちたそうです Photo: Yuki IKEDA今大会名物の水上ブリッジ。動くし、沈むので意外に渡るのは難しいです。結構な数のライダーが落ちたそうです Photo: Yuki IKEDA

800人の食事の用意を地元が手伝う

 このレースはヨハネスブルグから4つの郡を越え、南アフリカを縦断しながらスコットブルグの海岸へと爆走します。南アフリカ最長のMTBステージレースとして有名ですが、とにかく運営力が素晴らしく、サービスが充実していました。

 大会は、いかに選手たちがストレスなく、レースに集中し、楽しんでもらえるかを一番重視していました。私も数多くのステージレースを経験していますが、かつてないほどの素晴らしい運営とサービスでした。特に食事に関しては驚かされることがたくさんありました。

7日目のベジタリアンディナーはインドテイストで豆カレーとサフランライス、アジアンサラダ。バラエティに富んでいて毎日飽きませんでした Photo: Yuki IKEDA7日目のベジタリアンディナーはインドテイストで豆カレーとサフランライス、アジアンサラダ。バラエティに富んでいて毎日飽きませんでした Photo: Yuki IKEDA
スイーツコーナー。ついつい手が伸びてしまいます Photo: Yuki IKEDAスイーツコーナー。ついつい手が伸びてしまいます Photo: Yuki IKEDA

 800人以上のレーサー、スタッフたちを賄う大規模な3食の食事、補給食を用意するのは並大抵のことではありません。大会の専属食事担当以外にも通過する地域の方達もキッチンを手伝っていました。

 食事内容は、南アフリカの郷土料理からアレルギーや様々な食スタイルに合わせたチョイスまで幅広く用意されていました。私はビーガン(菜食)の食スタイルを希望していたのですが、特別なリストバンドをもらい、それが印となりました。

とある日のベジタリアンランチ。大豆ミートのソーセージとパップ(トウモロコシを煮た南アフリカ伝統料理)がとてもよく合いました Photo: Yuki IKEDAとある日のベジタリアンランチ。大豆ミートのソーセージとパップ(トウモロコシを煮た南アフリカ伝統料理)がとてもよく合いました Photo: Yuki IKEDA
メニューが豊富でお皿に載り切らないほどでしたが、栄養バランスがしっかり取れるので助かりました Photo: Yuki IKEDAメニューが豊富でお皿に載り切らないほどでしたが、栄養バランスがしっかり取れるので助かりました Photo: Yuki IKEDA

 特別に用意されたスペシャルダイエットコーナーには、グルテンフリー、乳製品フリー、動物性フリーなどの食べ物が種類豊富に並んでいました。毎食このコーナーは設置してあるのでアレルギーがある人や、自分の食スタイルでチョイスしたい人にはとてもありがたいことでした。


レース会場で登場した南アフリカの伝統料理

・ビルトン:ビーフジャーキー。
・ブライ:バーベキュー。
・ブルボース:太くて長いソーセージ。挽肉をスパイスで味付け。
・パップ:トウモロコシの粉をお湯で炊いたもの。南アフリカでは主食の一つとしてよく食べられている。マッシュドポテトのような食感。
・ポイキー:専用の鍋で野菜やお肉をじっくり煮込む南アフリカのシチュー。大会ではオックステイル(牛の尻尾)のシチューが振る舞われた。

今回は男女ミックスカテゴリーという初体験のレース。親友であり、24時間ソロ世界チャンピオンのソーニャ・ルーニー選手(USA)とタッグを組みました Photo: Yuki IKEDA今回は男女ミックスカテゴリーという初体験のレース。親友であり、24時間ソロ世界チャンピオンのソーニャ・ルーニー選手(USA)とタッグを組みました Photo: Yuki IKEDA
補給地点でジュースが入った紙コップを受け取る。暑い日だったので助かりました Photo: Yuki IKEDA補給地点でジュースが入った紙コップを受け取る。暑い日だったので助かりました Photo: Yuki IKEDA
壁に吊るしてあるのは「ビルトン」いわゆるジャーキーです。南アフリカでは一般的なスナックとして親しまれています Photo: Yuki IKEDA壁に吊るしてあるのは「ビルトン」いわゆるジャーキーです。南アフリカでは一般的なスナックとして親しまれています Photo: Yuki IKEDA

郷土料理にも挑戦

ホームメイドのベーカリーセクション。特にラスクとグラノーラバーが美味しかったです Photo: Yuki IKEDAホームメイドのベーカリーセクション。特にラスクとグラノーラバーが美味しかったです Photo: Yuki IKEDA

 私は基本的に野菜中心の食事でしたが、郷土料理はトライしたかったので少しずついただきました。南アフリカ特産のルイボスティーに大会スタッフが作るホームメイドラスク(ビスコッティの様なもの)とグラノーラバーを浸して食べるのが私のお気に入りでした。

 朝食のパンコーナーの横には「補給食用に使ってね!」というボードと共に小さめのジップロックが用意されていて、多くの方がレース用の補給食としてジャムやバターを塗ったパン、グラノーラバーなどを詰めていました。こういった何気ないサービスも嬉しいですね。

 大会側は、衛生面もかなり気を使っていました。これだけの人数がいるので、感染症や食あたりのリスクも高くなります。食品の管理を徹底することはもちろんですが、選手たちにもルールが決められていました。

まずシャワーを浴び、手を洗ってから食事のテントに入りましょう!衛生面と選手の健康を気遣う食事テント入口にある看板。消毒液のスプレーも常に設置(写真右) Photo: Yuki IKEDAまずシャワーを浴び、手を洗ってから食事のテントに入りましょう!衛生面と選手の健康を気遣う食事テント入口にある看板。消毒液のスプレーも常に設置(写真右) Photo: Yuki IKEDA
初日のエイドステーションにて笑顔で迎えてくれるスタッフの方々 Photo: Yuki IKEDA初日のエイドステーションにて笑顔で迎えてくれるスタッフの方々 Photo: Yuki IKEDA
地元の学生もボランティアで食事スタッフを担当。とにかく笑顔で対応してくれるのが嬉しいですね。レースの疲れが癒されます Photo: Yuki IKEDA地元の学生もボランティアで食事スタッフを担当。とにかく笑顔で対応してくれるのが嬉しいですね。レースの疲れが癒されます Photo: Yuki IKEDA

 レースが終わったら食事の前にまずシャワーを浴びて、手を洗い、テントに入る前には備え付けのサニタイザー(消毒液)を必ず手につけてから食事会場に入ること。それをチェックするスタッフも入り口に常駐していました。選手たちの健康管理を大事にしているからこそですね。

 南アフリカのお肉の大半をシェアしている会社「カランビーフ」が今レースのメーンスポンサーの一つでもあり、ほぼ毎食高品質の肉料理を提供していました。第1ステージは、カランビーフの農場がスタート地点でした。スポンサーとレースとの結びつき、運営力を感じました。

辛くもダイナミックで楽しいコースを2人チームで9日間戦いました ©Yuki IKEDA辛くもダイナミックで楽しいコースを2人チームで9日間戦いました ©Yuki IKEDA

元気に手伝う子供たち

 レース中のエイドステーションの補給食。大会スタッフだけではなく、ボランティアで集まった地元の子供たちも元気に手伝っていたのが印象的です。補給地点に着くと、「水とコーラとジュースどれがいい?」「バナナ、チョコレート、ブルボース(ソーセージ)もあるよ〜!」「チェーンにオイル塗るよ〜!」といたるところから声をかけてくれます。

興奮する現地の子供達に囲まれるチームメートのソーニャ ©Yuki IKEDA興奮する現地の子供達に囲まれるチームメートのソーニャ ©Yuki IKEDA
特別なリクエストに応える食事セクション。食品アレルギーがある人、ベジタリアンの人たちなどに対応しています ©Yuki IKEDA特別なリクエストに応える食事セクション。食品アレルギーがある人、ベジタリアンの人たちなどに対応しています ©Yuki IKEDA

揚げものスイーツも

 フルーツ、チョコ、水、コーラ、ジュースなどは他のレースでも見られますが、珍しかったのはブルボース(ソーセージ)、ゆでたまご、甘い揚げものスイーツです。なかなかヘビーなものですが、南アフリカらしく、とてもユニークで面白かったです。余談ですが、地域の方のボランティアで、泥まみれになったサングラスを洗ってくれるサービスもありました。

南アフリカ伝統料理の一つ「ポイキー」を作るスタッフ。専用鍋でじっくり煮込むシチュー。具はオックステイル(牛の尻尾)と野菜 Photo: Yuki IKEDA南アフリカ伝統料理の一つ「ポイキー」を作るスタッフ。専用鍋でじっくり煮込むシチュー。具はオックステイル(牛の尻尾)と野菜 Photo: Yuki IKEDA
埃まみれになったサングラスまで洗ってくれる手厚いサービス ©Yuki IKEDA埃まみれになったサングラスまで洗ってくれる手厚いサービス ©Yuki IKEDA

 毎日ゴール地点でも子供たちがフィニッシュを迎えてくれて冷えた水、ジュース、チョコレートミルクなどを差し出してくれました。自転車の洗車も子供たちがボランティアで行っていました。

現地の子供達が体の大きさと同じくらいのMTBを丹念に、楽しそうに洗車してくれていました ©Yuki IKEDA現地の子供達が体の大きさと同じくらいのMTBを丹念に、楽しそうに洗車してくれていました ©Yuki IKEDA

 マウンテンバイクを間近で観戦したり、海外の選手と交流したり、洗車や注油で選手を助けたり、子供たちにとって素晴らしい経験となっていたようです。通過する地域の学校に寄付金を募るチャリティーイベントも今大会は行っていて、地域と密着し、お互いに還元し合える理想の関係が築かれていました。

フィニッシュ地点で冷たいドリンクを持って出迎えてくれるかわいい子供たち Photo: Yuki IKEDAフィニッシュ地点で冷たいドリンクを持って出迎えてくれるかわいい子供たち Photo: Yuki IKEDA
食事テント内のフレッシュフルーツコーナー ©Yuki IKEDA食事テント内のフレッシュフルーツコーナー ©Yuki IKEDA
食事の説明を受けながら取るものを慎重にチョイスをするチームメートのソーニャ ©Yuki IKEDA食事の説明を受けながら取るものを慎重にチョイスをするチームメートのソーニャ ©Yuki IKEDA

おもてなし精神に感激

最終日のゴール地点ではフィニッシャーにバーガーが振る舞われました。私たちはベジバーガーをチョイス。選択肢があるのは非常に嬉しいですね Photo: Yuki IKEDA最終日のゴール地点ではフィニッシャーにバーガーが振る舞われました。私たちはベジバーガーをチョイス。選択肢があるのは非常に嬉しいですね Photo: Yuki IKEDA

 今まで世界中のステージレースに参戦してきましたが、今回のレースほど充実したサポートを受けたことはありません。食事面以外でも洗濯サービス、電源充電サービス、Wi-Fiサービスなども基本プランに入っているのです。その根底にあるのは「楽しんでほしい」というおもてなし精神に尽きると思います。南アフリカは2014年のMTBマラソン世界選手権に続いて2回目でしたが、また違った面で楽しむことができました。

 レース結果やその他のレポートはブログにも詳しく掲載しているので、ぜひ読んでください。

チャリダ―に出演します。お楽しみに ©NHKチャリダ―に出演します。お楽しみに ©NHK

〜TV出演のお知らせ〜

 毎週欠かさずご覧になっている方も多いのでは? 人気自転車情報番組「チャリダー★」で、ロングライドの食事アドバイスをさせていただきました。ぜひご覧くださいね!

NHK-BS1「チャリダー★」
5月14日(土)18:00〜 放送予定
 

〜トークショー出演のお知らせ〜

 サイクルライフナビゲーター絹代さんの『いくつになってもモテボディ』トークショーに出演します。ヘルシーでアクティブな活動を支えるための食事について語ります。皆さまのお越しをお待ちしております!

会場:玉川高島屋本館 1階 グランパティオ内 特設ステージ
(東京都世田谷区・東急田園都市線/東急大井町線 「二子玉川駅」下車すぐ) 
日時:2016年5月14日(土) 午後3時〜

池田清子池田清子(いけだ・さやこ)

アスリートフード研究家。モデル事務所でのマネージャー経験を生かし2013年夏よりトピーク・エルゴンレーシングチームUSA所属ライダー、池田祐樹選手のマネージメントを開始、同秋結婚。平行して「アスリートフードマイスター」の資格を取得。アスリートのパフォーマンス向上や減量など、目的に合わせたメニューを日々研究している。ブログ「Sayako’s kitchen」にて情報配信中。

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