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はらぺこサイクルキッチン<59>春のロングライドには糖質+脂質の「簡単手作りオリジナル補給食」

by 池田清子 / Sayako IKEDA
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  ゴールデンウイークが近づき、いよいよ行楽シーズン本番! 景色を楽しめるロングライドを計画されている方も多いのではないでしょうか。となれば忘れてはならないのが、補給食。皆さんはお気に入りの“マイ補給食”をお持ちでしょうか?

 優秀な補給食はすでに数多く販売されていますし、コンビニに立ち寄るのも便利です。さらに、出発の10分前からでも作れるメニューがあれば、よりバラエティーに富んだ補給食になりますね。わが家でもバーを手作りするなどしていますが、中にはバー形状の補給食が苦手な方や、何も持たずにライド中は補給しないという方も。食べ慣れていないこと、甘い味が苦手なこと、価格が高いことなどがその理由だとか。

行楽シーズン到来!しばらく自転車から離れていた私は、コレでライドを楽しみます Photo: Sayako IKEDA行楽シーズン到来! しばらく自転車から離れていた私は、コレでライドを楽しみます Photo: Sayako IKEDA
ライドの合間にロールサンドを試食してくれた國井敏夫選手(MilePost BMC Racing)。自分でも作ってみたいと言ってくださり、作り手としてはうれしい限り Photo: Sayako IKEDAライドの合間にロールサンドを試食してくれた國井敏夫選手(MilePost BMC Racing)。自分でも作ってみたいと言ってくださり、作り手としてはうれしい限り Photo: Sayako IKEDA

 市販品は遠征先などでは持ち運び易さや手軽さ、衛生面でとっても便利ですが、時には普段食べ慣れている食材で作れる、身近で気負わない補給食もいいですよね。今回は、食事のように楽しむ“簡単手作り補給食”をお届けします。試作品は夫の池田祐樹(トピークエルゴンレーシングチームUSA)やその友人にも実際のライドで食べてもらいました。

サイクリングジャージを着用して、試作品作り。この後、ライドに合流して、さっそく試食していただきましたサイクリングジャージを着用して、試作品作り。この後、ライドに合流して、さっそく試食していただきました

 プロライダーからホビーライダーまで、素直な感想をフィードバックしてもらい、味・食べやすさ・パッケージを試行錯誤しました。今日からお家のキッチンで生まれる補給食、始めてみませんか?

 ロングライドの補給食は「エネルギー源になる糖質+腹持ちをよくする脂質」を組み合わせることが、快適なライドへのカギと考えました。糖質+脂質を基本に、いくつかの補給食を作ってみました。

ロールサンド

(スライスして潰した食パン、ローストクルミ、スライスしたバナナ、①はちみつと練りゴマを合わせたもの/②ココナッツオイルとブルーベリージャムを合わせたもの)
 ポイント:身近な食パンを潰し、簡単に生地を作った点。凝縮させることで、少ない体積でより多くのエネルギーを摂取できる。油分と糖質が合わさることで、腹持ちがよくロングライドにも適したエネルギー源になる。ジャムは好きなものでOK。ジャムの原料であるフルーツはクエン酸補給にもつながる。「時間が経つと油分がパンに染みて最高」という感想は、作った直後は分からなかったので意外でした。

	ロールサンド。好みの具材をのせ、具材が飛び出さない様に注意しながら手前からキツく巻いていきます Photo: Sayako IKEDAロールサンド。好みの具材をのせ、具材が飛び出さない様に注意しながら手前からキツく巻いていきます Photo: Sayako IKEDA
ロールサンド。ラップで巻いて上下をネジった包み方は開封が難しいとの意見があり、上だけでネジる方法に改善しました Photo: Sayako IKEDAロールサンド。ラップで巻いて上下をネジった包み方は開封が難しいとの意見があり、上だけでネジる方法に改善しました Photo: Sayako IKEDA
ロールサンド用に、食パンを5mmほどにスライス。予めカットしてあると時短につながりますねロールサンド用に、食パンを5mmほどにスライス。予めカットしてあると時短につながりますね

ライダーの感想:ブルーベリーの方は、フルーティーでありながらココナッツオイルの香りが心地よく、しっとりとしていて食べやすかった。エナジーフードはパサパサだったりベタベタだったりというのが多くて、食べづらいものが多い中、しっとり具合が本当にちょうど良くて、すごく食べやすかった。ただ、ラップで包んで上下で絞るのは、開封するのに手間取ってしまうので、レースや乗車中に使うなら工夫が必要。はちみつとゴマの方は、食べ応えあり。ジェルだと空腹感が常につきまとうけれど、お腹が満たされて、レース後半にまた頑張れる気がする。アルミホイルの方が開封しやすい。全体的には、しっとり感とココナッツオイルが好きなポイントでした。

トルティーヤサンド

(手作りトルティーヤ、手作りトマトソース、手作りひよこ豆のハマス、ローストクルミ)

モンゴリアバイクチャレンジ2015で優勝したニコラス・ペティーナ選手。レース後、リーダーズジャージに身を包んだまま即座に食べていたのが、ジャムを挟んだ自作のトルティーヤサンド Photo: Sayako IKEDAモンゴリアバイクチャレンジ2015で優勝したニコラス・ペティーナ選手。レース後、リーダーズジャージに身を包んだまま即座に食べていたのが、ジャムを挟んだ自作のトルティーヤサンド Photo: Sayako IKEDA

ポイント:生地となるトルティーヤは、焼きすぎると固くなるのでサッと焼くのがコツ。市販のトルティーヤにビザ用ソースを塗ると更に手軽に作ることができます。お好みでチーズを挟んでも。モンゴリアバイクチャレンジ2015で優勝したニコラス・ペティーナ(Nicholas Pettinà)選手が、市販のトルティーヤにジャムを挟んだものを毎朝自作し、レース中の補給食とレース後のリカバリーフードにしていたことから、ヒントを得ました。

トルティーヤサンド。クレープロールに使用した、トマトソースを手作り。トマト缶、玉ねぎ、にんにくすり下ろし、塩、砂糖、ローリエ、クミン(粉末)を30分ほど煮込みました Photo: Sayako IKEDAトルティーヤサンド。クレープロールに使用した、トマトソースを手作り。トマト缶、玉ねぎ、にんにくすり下ろし、塩、砂糖、ローリエ、クミン(粉末)を30分ほど煮込みました Photo: Sayako IKEDA
トルティーヤサンド。シンプルな材料で、トルティーヤを手作り。直径20cm程に伸ばして、フライパンで焼きました Photo: Sayako IKEDAトルティーヤサンド。シンプルな材料で、トルティーヤを手作り。直径20cm程に伸ばして、フライパンで焼きました Photo: Sayako IKEDA
トルティーヤサンド。トマトソースをのせ、両側を折りたたみ、下からギュッと巻いていきました Photo: Sayako IKEDAトルティーヤサンド。トマトソースをのせ、両側を折りたたみ、下からギュッと巻いていきました Photo: Sayako IKEDA
トルティーヤサンド。手作りのひよこ豆のハマスに、トマトソースを加えました。ライド以外でも食べたい、美味しさNo.1でした Photo: Sayako IKEDAトルティーヤサンド。手作りのひよこ豆のハマスに、トマトソースを加えました。ライド以外でも食べたい、美味しさNo.1でした Photo: Sayako IKEDA

感想:美味しい。ハマスも良く合う。市販のトルティーヤで簡単に作れるのもよさそう。

クレープロール

(手作りクレープ生地、ココナッツオイル、ブルーベリージャム、バナナ/手作りトマトソース)
ポイント:トルティーヤよりももう少し柔らかくて食べやすい、クレープ生地にしてみました。甘い系も食事系も良く合います。生地が薄い分、ソースがはみ出るのではないかと懸念しましたが、包むと何重にもなるので意外に大丈夫でした。但し、ソースを欲張るとはみ出します。

クレープロール。トマトソースのみを包んでしっかり巻くと、直径2cmほどのスリムな形状に。食べやすさNo.1でした Photo: Sayako IKEDAクレープロール。トマトソースのみを包んでしっかり巻くと、直径2cmほどのスリムな形状に。食べやすさNo.1でした Photo: Sayako IKEDA
生地に、トマトソース、クルミを加えて巻いたクレープロール。欲張るとはみ出してくるということを学びました Photo: Sayako IKEDA生地に、トマトソース、クルミを加えて巻いたクレープロール。欲張るとはみ出してくるということを学びました Photo: Sayako IKEDA
クレープロール。クルミ、ココナッツオイル、ブルーベリージャム、そしてバナナをスライスせずに入れました。クレープの生地のどこに具材を配置するかも試行錯誤 Photo: Sayako IKEDAクレープロール。クルミ、ココナッツオイル、ブルーベリージャム、そしてバナナをスライスせずに入れました。クレープの生地のどこに具材を配置するかも試行錯誤 Photo: Sayako IKEDA
クレープロール。具材を包んで、丸めたところ。直径3cm、長さ10cmほどのサイズに。生地も手作りで Photo: Sayako IKEDAクレープロール。具材を包んで、丸めたところ。直径3cm、長さ10cmほどのサイズに。生地も手作りで Photo: Sayako IKEDA
クレープロール。包み方は、上だけでネジってみました。今のところこの形状が一番開けやすいという結果になりました Photo: Sayako IKEDAクレープロール。包み方は、上だけでネジってみました。今のところこの形状が一番開けやすいという結果になりました Photo: Sayako IKEDA

感想:クレープの皮が適度に薄くて柔らかく、細く巻いている方は特に乗車中でも食べやすい。甘いクレープロールも美味しいけれど、トマトソースの方は塩気とトマトの酸味が効いた食事のような感覚。おにぎり用のホイルをクルクルクと上で絞った包み方は、食べている途中でも開閉ができてよい。

エナジーおにぎり

(材料:白米、細かくした梅干し、刻んだ大葉、刻んだ紅生姜、すりゴマ、エゴマオイル)

地元青梅のメンズたちには、エナジーおにぎりを試食してもらいました Photo: Sayako IKEDA地元青梅のメンズたちには、エナジーおにぎりを試食してもらいました Photo: Sayako IKEDA

ポイント:ナトリウム補給とクエン酸補給、食欲増進、細菌の繁殖を抑える働きのある梅干しを入れたこと。混ぜご飯にすることで、どこから食べても具材があり、味が均一になるようにしました。ゴマは消化が悪いので、すりゴマにして加えました。具材は好きなものを入れてよいのですが、中でも梅干しはレギュラーメンバーとしてオススメです。脂質としてオメガ3が豊富なエゴマオイルを加えていますが、癖は感じにくいです。

<包装で使用したもの>
●ラップ→蒸れる。上下でネジっていたが、開けにくい上に開けたくないシーンで開いてしまい、不評。(×)
●アルミホイル→上下でネジったところ、開閉はラップよりは良かったがスムーズでもない。(△)
●おにぎり用のホイル→適度に蒸気を逃す働きもありながら、破れにくく何度も開閉可能なので良い。上だけでネジるように包んだところ、好評。(○)

※おにぎりはおにぎり用のホイルを使用。包む方法は、FEED ZONE PORTABLES (VELO Press), 著者Biju Thomas & Allen Lim を参考にしました。

エナジーおにぎり。白米に、細かくした梅干し、刻んだ大葉、刻んだ紅生姜、すりゴマ、エゴマオイルを加えています。どこから食べても味が均一になるように、混ぜご飯にしました Photo: Sayako IKEDAエナジーおにぎり。白米に、細かくした梅干し、刻んだ大葉、刻んだ紅生姜、すりゴマ、エゴマオイルを加えています。どこから食べても味が均一になるように、混ぜご飯にしました Photo: Sayako IKEDA
エナジーおにぎりの包み方その① おにぎり用のホイルに混ぜご飯をのせ、ラップで四角い形を作りました Photo: Sayako IKEDAエナジーおにぎりの包み方その① おにぎり用のホイルに混ぜご飯をのせ、ラップで四角い形を作りました Photo: Sayako IKEDA
エナジーおにぎり包み方その② ホイルの上下からご飯を包み、どちらか一方をめくって折り曲げます Photo: Sayako IKEDAエナジーおにぎり包み方その② ホイルの上下からご飯を包み、どちらか一方をめくって折り曲げます Photo: Sayako IKEDA
エナジーおにぎり包み方その③ 両サイドの上下を内側に折り、更に後ろに折り曲げて完成。後ろは特に留めなくても開きませんが、心配な方はマスキングテープなどで軽く留めても Photo: Sayako IKEDAエナジーおにぎり包み方その③ 両サイドの上下を内側に折り、更に後ろに折り曲げて完成。後ろは特に留めなくても開きませんが、心配な方はマスキングテープなどで軽く留めても Photo: Sayako IKEDA
「ライド開始から1時間後、疲れているところで食べたら回復しました!」と、友人の山下悟さん Photo: Sayako IKEDA「ライド開始から1時間後、疲れているところで食べたら回復しました!」と、友人の山下悟さん Photo: Sayako IKEDA

 良いと思ったもの、自信がなかったものなど様々でしたが、実際にライドのシーンで食べてもらうと予想外の感想があって参考になりました。みなさんの中でも、ご自分でトレイルミックスを作ったり、おにぎりを作ったり、食べたいものを食べやすい形状にしたりと、色々なアイデアで工夫されている方が多いと思います(バターロールに穴を開けて、ジャムを詰め込んでまた蓋をするという自転車店長も!)。今回は手作りした割合が多かったですが、市販品と上手く組み合わせて作るのも手ですね。

 そうそう、これからの季節は気温も上がるので、衛生面だけはご注意くださいね。ぜひオリジナル補給食を作って、補給食自慢しちゃいましょう。かくいう筆者はここ最近、ライドへ出掛けておりませんでした。これを機にバックポケットを膨らませて、のんびりと新緑の景色を楽しみたいと思います。

池田清子池田清子(いけだ・さやこ)

アスリートフード研究家。モデル事務所でのマネジャー経験を生かして2013年夏よりトピーク・エルゴンレーシングチームUSA所属ライダー、池田祐樹選手のマネージメントを始め、同年秋に結婚。並行して「アスリートフードマイスター」の資格を取得。アスリートのパフォーマンス向上や減量など、目的に合わせたメニューを日々研究している。ブログ「Sayako’s kitchen」でも情報を発信中。

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