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はらぺこサイクルキッチン<55>カフェインで刺激とリラックス サイクリストとコーヒーの切っても切れない縁

by 池田清子 / Sayako IKEDA
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 突然ですが、コーヒーはお好きですか?「イエス」とお答えになるサイクリストが多いのでは、と思います。

 私が夫の池田祐樹(トピーク・エルゴンレーシングチームUSA)と結婚して感じたのが、サイクリストにはコーヒー好きが多いということ。ライド前のリラックスタイムに一杯、出発前の気合い入れの1杯、ライド中に後半のライドを乗り切る1杯、ライド後に1日を振り返りながらご褒美の1杯…。サイクリングジャージにマグカップ、というのが私のイメージするサイクリストの朝の風景だったりもします。

ケアンズのカフェ、black bird Cairnsで。遠征先ではお気に入りのスーパーマーケットとカフェが見つけられたら、もうそれだけで幸せです Photo: Sayako IKEDAケアンズのカフェ、black bird Cairnsで。遠征先ではお気に入りのスーパーマーケットとカフェが見つけられたら、もうそれだけで幸せです Photo: Sayako IKEDA

 実際に、集合・解散場所がカフェというサイクリングチームも多いですよね。サイクリングのメッカ、アメリカコロラド州のボルダーでも早朝からコーヒーショップには60〜70人のサイクリストが集まりますし、日本でもバイクショップに併設するオシャレなカフェが増えました。ロードバイク界ではセガフレード ・ザネッティがスポンサーとなったチーム「トレック・セガフレード」ができたり、自転車とコーヒーは切っても切れない縁を感じます。

アメリカはカルフォルニア州のフェアファックスにて。バイクを店内に置くことができる人気のカフェ。ライドを終えたサイクリストで大にぎわいでした Photo: Sayako IKEDAアメリカはカルフォルニア州のフェアファックスにて。バイクを店内に置くことができる人気のカフェ。ライドを終えたサイクリストで大にぎわいでした Photo: Sayako IKEDA
トピーク・エルゴンレーシングチームUSAのライダー、スタッフもコーヒー好きが多い。遠征先の待ち合わせ場所はカフェが多く、みんなでコーヒーを飲みながら談笑も Photo: Sayako IKEDAトピーク・エルゴンレーシングチームUSAのライダー、スタッフもコーヒー好きが多い。遠征先の待ち合わせ場所はカフェが多く、みんなでコーヒーを飲みながら談笑も Photo: Sayako IKEDA

シーン別のカフェイン摂取の効果

 サイクリストとコーヒーの関係は、とても深く根付いているように思います。紅茶でも、スムージーでもない。その中心にいるのは、やはりコーヒーなんですよね。アスリートフードの観点から見ても、サイクリングを含む、とりわけエンデュランス系のスポーツにはカフェインが有効に働きます。

 カフェイン摂取の効果をシーン別に見ていきましょう。

ライド前

アロマ効果でリラックスを生むと同時に、神経を目覚めさせる働き。コーヒー、チョコレート、ココア、紅茶、緑茶等に含まれる。

ライド中

刺激を入れる効果。レース後半を乗り切る起爆剤としても有効。ジェル、エナジードリンク、エナジーバー、スポーツドリンク、コーラなどに含まれる。摂取してから15分後に効果が現れると言われている。エイドステーションで炭酸を抜いたコーラをフィードする光景も見受けられます。

ライド後

抗酸化作用物質であるポリフェノールが豊富。ライドで発生した活性酸素の除去効果。リラックス効果で緊張した神経の緩和させます。

ライド以外

脂肪燃焼効果、脂肪分解効果。大腸がんの予防。ただし飲み過ぎもカフェインの過剰摂取になるため、コーヒーなら1日3杯程度までに抑えることが推奨されています(私のおすすめは1日1杯、せいぜい2杯までです)。ライド前・中・後、全てで飲む必要はありません。何事も適量がイチバン。

※豆は焙煎してから1~2週間・挽いてから3日、淹れてから15~30分で酸化する為、より効果を発揮させるためには自宅では豆から挽き、2週間以内に使い切ることがおすすめです。また、余談ですがコーヒーフレッシュ(人工的にオイルから作られたミルクもどきです)は体に負担をかけるだけでなくその効果を軽減させますので、使用はおすすめしません。

◇      ◇

 レース中にコーヒーは飲まずとも、ジェルなどの補給食、エナジードリンクなどの補給飲料で「カフェインあり」を選んでいる方も多いかと思います。補給系の商品のパッケージにはカフェイン有・無の表示が、目立つように書かれていることが多く、選択肢の一つになっていることが伺えます。

カフェインを含むダークチョコレートを挟んだチアシードパンケーキの朝食  Photo: Sayako IKEDAカフェインを含むダークチョコレートを挟んだチアシードパンケーキの朝食  Photo: Sayako IKEDA
ヤックアタックレース前、ネパールはカトマンズにて。宿泊先のホテルの朝食でいただいたコーヒー Photo: Sayako IKEDAヤックアタックレース前、ネパールはカトマンズにて。宿泊先のホテルの朝食でいただいたコーヒー Photo: Sayako IKEDA

後半勝負どころでカフェイン有りジェル

 夫・池田祐樹の場合は、ここ数年あえて「カフェイン・レス」の補給食を選んでいました。理由はトイレが近くなるから。しかしながら、カフェイン摂取と利尿作用の因果関係はないという説もあり(個人差もあるでしょう)、最近は用途によって使い分けています。レースを通してエネルギー源として摂取する、カフェイン・レスのジェル(4本分をまとめて一本のフラスコに、水と混ぜて入れています)。そしてレース後半”勝負どころ”で投入する「カフェイン・有り」ジェルで、集中力を高めます。ジェルの糖分と合わせて摂るため、血糖値を上昇させ、効率よく最大のエネルギーと刺激を得ることができます。

ライド前、朝の貴重なコーヒータイムで精神統一!?ホームステイ先の奥様が淹れてくれるコーヒーがまた、ホッとする美味しさでした Photo: Sayako IKEDAライド前、朝の貴重なコーヒータイムで精神統一!?ホームステイ先の奥様が淹れてくれるコーヒーがまた、ホッとする美味しさでした Photo: Sayako IKEDA
アリゾナ州プレスコットのバイクショップにて。スタッフのダニエルが、アーモンドミルクのラテを作ってくれているところ。コーヒーがきっかけで友達になり、今でも忘れられない思い出の一つ Photo: Sayako IKEDAアリゾナ州プレスコットのバイクショップにて。スタッフのダニエルが、アーモンドミルクのラテを作ってくれているところ。コーヒーがきっかけで友達になり、今でも忘れられない思い出の一つ Photo: Sayako IKEDA
SDA in 王滝の定宿、藤屋さんにて。ライド前に究極のコーヒーをご主人に淹れて頂きました Photo: Sayako IKEDASDA in 王滝の定宿、藤屋さんにて。ライド前に究極のコーヒーをご主人に淹れて頂きました Photo: Sayako IKEDA

チョコレートで幸せな気分

 私はコーヒーが大好きなのですが、ハードなランニング練習前に飲むと不幸なことに気分が悪くなってしまい、逆効果になります。しかしながらチョコレートは大丈夫なので(という理由をつけて食べている?)朝食に少しチョコレートを加えることがあります。実際に大きな違いは感じませんが、食べているときは幸せな気分に浸れることもあり、緊張しがちな走行前に、リラックス効果を漏らしてくれています。

 夏のアメリカ遠征時には、祐樹さんのチームメートでもあるジェフ・カーコブ選手が毎朝必ず全員分のコーヒーを淹れてくれることが習慣になっていますし、ホームスティ先でも毎朝豆から挽いた香り高いコーヒーをいただきました。コーヒーの香りで目覚め、熱々をお気に入りのマグカップに注ぐ瞬間は、何度経験してもいいものです。

 そうそう、アリゾナ州のプレスコットという場所のバイクショップでは、スタッフの一人が「コーヒー入れるわよ!ミルクは何がいい?ココナッツミルク、アーモンドミルク、ソイミルク、ホールミルクがあるわよ!」と話しかけてくれました。コーヒー談義に花が咲き、以来彼女とは今でも友達です。

昨年、SDA in 王滝にて。選手がスタートした後は、スタッフ同士でコーヒータイム。外で飲むコーヒーもまた格別。自転車業界の色々な話を聞くのも、私にとっては新鮮でとても貴重な時間 Photo: Sayako IKEDA昨年、SDA in 王滝にて。選手がスタートした後は、スタッフ同士でコーヒータイム。外で飲むコーヒーもまた格別。自転車業界の色々な話を聞くのも、私にとっては新鮮でとても貴重な時間 Photo: Sayako IKEDA
地元青梅市にあるカフェ、らびっとさん。アメリカからやってきたティム・アレン選手とライド中に立ち寄り、コーヒーブレイク。丁寧に淹れられる様子を見ているだけで、癒されます Photo: Sayako IKEDA地元青梅市にあるカフェ、らびっとさん。アメリカからやってきたティム・アレン選手とライド中に立ち寄り、コーヒーブレイク。丁寧に淹れられる様子を見ているだけで、癒されます Photo: Sayako IKEDA
シングルスピード世界選手権にて。日本全国の自転車レース会場でも出店されているカフェ、BUCYO COFFEEさん。この後名古屋の本店にもコーヒーを飲みに行きました! Photo: Sayako IKEDAシングルスピード世界選手権にて。日本全国の自転車レース会場でも出店されているカフェ、BUCYO COFFEEさん。この後名古屋の本店にもコーヒーを飲みに行きました! Photo: Sayako IKEDA
自宅では、毎朝飲む分だけ豆を挽くところから。写真はBonsai-Cycle-Worksさんの豆 Photo: Sayako IKEDA自宅では、毎朝飲む分だけ豆を挽くところから。写真はBonsai-Cycle-Worksさんの豆 Photo: Sayako IKEDA

 また国内でも、毎年春と秋に長野県王滝村行われるSDA in王滝では、選手がスタートを切ったあとは、スタッフ達のコーヒータイム。簡易バーナーで沸かしたお湯で飲むインスタントコーヒーも、格別に美味しい!先輩方に自転車業界のいろはや昔話を聞くのが、とっても楽しみなのです。その真ん中には、いつもコーヒーが存在します。人と人を繋ぐ力をもっている、それがコーヒーの魅力でもあるのでしょう。純粋に「カフェインを摂取、注入!」という以外にも、コーヒーがもたらす効果は計り知れないものがありますね。

◇      ◇
 偶然コーヒー好きのサイクリストが多いのか、はたまた仲間とコーヒー片手に語り合う内にハマっていくのか。その謎は解けませんが、コーヒーは人と人をつなぐ架け橋の様な存在でもあることを、世界中を旅してこの目で確かに見てきました。コーヒーというツールを通じて、新たなサイクリスト仲間ができても不思議ではありませんね。さぁ今日もこの一杯から、ライドへと出掛けましょうか。

池田清子池田清子(いけだ・さやこ)

アスリートフード研究家。モデル事務所でのマネージャー経験を生かし2013年夏よりトピーク・エルゴンレーシングチームUSA所属ライダー、池田祐樹選手のマネージメントを開始、同秋結婚。平行して「アスリートフードマイスター」の資格を取得。アスリートのパフォーマンス向上や減量など、目的に合わせたメニューを日々研究している。ブログ「Sayako’s kitchen」にて情報配信中。

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