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「冬に乗りたくなる」高機能ウェアアソスの最新世代S7タイツ3モデルを一気にインプレ 優れた防寒性能と抜群の着心地

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 高機能サイクルウェア・アソスの、2015年秋/冬モデルで新登場したS7世代のタイツ特集。後編では3種類を試着し、徹底的にインプレをする。厳寒期向けの最上級モデル・ボンカ、厳寒期向けでややゆったりとしたフィット感を実現したミレ、やや薄手で運動量の多い人や暖かい地域向けのハブの、それぞれのウェアの特徴から見える、おすすめの使い方やユーザー像は? (浅野真則)

秋から春にかけて使えるハブタイツ。日本の冬ならこれでも十分なくらいだ Photo: Hideo MORI秋から春にかけて使えるハブタイツ。日本の冬ならこれでも十分なくらいだ Photo: Hideo MORI

【アソス特集・前編】最新のS7タイツ登場 新型パッドを採用、素材など見直し大幅軽量化

圧倒的な防寒性能を誇るボンカタイツ

 まずはボンカタイツから。

 厳寒期向けのシリーズなのに、思いのほか生地が薄い。僕が持っている2世代前のアソスの冬用タイツよりも重量は軽い。それでいて、着るとしっかり暖かい。薄くて暖かいのは、腹からももの前面などに防風素材、肌に当たる内側には防水機能を持たせたフリース素材を重ねて使っているからのようだ。

 防風性能の高いウェアは、伸縮性に欠けて脱ぎ着がしにくいイメージがあるが、このタイツはそんなことを感じさせなかった。裾まわりにはウエットスーツ風の防水素材を使っているが、実によく伸びる。

ボンカタイツは両すそにウエットスーツ用の防水素材を採用。足元が濡れて体が冷えるのを防ぐ Photo: Hideo MORIボンカタイツは両すそにウエットスーツ用の防水素材を採用。足元が濡れて体が冷えるのを防ぐ Photo: Hideo MORI
ボンカタイツは防風素材とフリースの二重構造。薄手だが暖かい Photo: Hideo MORIボンカタイツは防風素材とフリースの二重構造。薄手だが暖かい Photo: Hideo MORI
複雑なパターンで構成される膝まわり。素材も適材適所に切り替えられている Photo: Hideo MORI複雑なパターンで構成される膝まわり。素材も適材適所に切り替えられている Photo: Hideo MORI

 全体的に着心地はタイトだが、伸縮性に優れているので、脱ぎ着がしやすいだけでなく、フィット感も抜群。可動部である膝まわりや股の付け根あたりは複雑なパターンで構成されていて、ペダリングの動きを妨げないのが印象的だった。

 そして忘れてはいけないのが新しいS7シリーズのパッド。ボンカタイツには、長距離ライド向けのチェントS7パッドが採用されている。全周を縫いつけるのではなく、左右両サイドをあえて縫いつけないこのテクノロジーは、一見するとペダリングの際にパッドがずれてしまうのではないかと不安になる。しかし、実際は全く逆で、他社の製品ではありがちなペダリングの際にパッド付近が突っ張る感じが全くなく、むしろピッタリフィットするのだ。

長距離ライド向けのチェントS7パッド。チェント(10)が示す通り10mmと厚め Photo: ASSOS長距離ライド向けのチェントS7パッド。チェント(10)が示す通り10mmと厚め Photo: ASSOS
パッドは縫いつけは緻密かつ複雑(写真はハブタイツのもの) Photo: Hideo MORIパッドは縫いつけは緻密かつ複雑(写真はハブタイツのもの) Photo: Hideo MORI

 タイトフィットでやや薄手ではありながら、身体の熱を逃がさず、防風素材が冷気を通さず、ウェア内の湿気は身体の後ろ側から適度に逃がしてくれるので、冬でも本当に暖かい。ちょっと強度を上げて走ったら少し汗ばむほどだった。
 個人的には日本の冬には十分すぎるほどのスペックがあり、これなら寒冷地でも走れそうだと思った。

暖かくてゆったりめのフィット、ミレタイツ

 続いて、ミレタイツをテスト。こちらはボンカと同じ厳寒期向けのタイツだが、価格はボンカのほぼ半額、さらに少しだけゆったりめのフィットを採用しているのが特徴だ。

 ゆったりめといっても、アソスのウェアだから決してルーズフィットではない。イメージとしてはボンカがレーシングウェアの着心地に近く、ミレも普通のサイクリングウェアの着心地だと思っておけばほぼ間違いない。

 価格こそボンカの半額程度だが、手に取るとミレタイツの方がやや厚手で、着たときの第一印象としてはむしろこちらの方が暖かい気がする。何が違うのだろうか? メーカーの担当者に聞くと、ボンカタイツは防風素材と防水フリースの2重構造なのに対し、ミレタイツはフリースの2重構造になっているのだそうだ。

ミレタイツは比較的ゆったりめのフィット。生地もやや厚手 Photo: Hideo MORIミレタイツは比較的ゆったりめのフィット。生地もやや厚手 Photo: Hideo MORI
カッティングは比較的シンプルだが、それでも作りこまれたパターンだ Photo: Hideo MORIカッティングは比較的シンプルだが、それでも作りこまれたパターンだ Photo: Hideo MORI
ペダリング時にもしっかりタイツが脚にフィットしていることが分かる Photo: Hideo MORIペダリング時にもしっかりタイツが脚にフィットしていることが分かる Photo: Hideo MORI
ミレタイツが装備する「ミレS7パッド」 Photo: ASSOSミレタイツが装備する「ミレS7パッド」 Photo: ASSOS

 さらに膝まわりや腰回りのパターンも少しシンプルになっている。となると気になるのは動きに対するウェアのフィット性能だが、結論から言うと全く問題ない。生地の伸縮性が高く、フィット感がゆったりめになっているのもあるのだろう。個人的な好みを言えば、パターンが多めでタイトめなフィット感のボンカの着心地の方が好みだ。

 パッドはS7世代では最もベーシックなミレS7パッド。コストパフォーマンスに優れ、S7パッドの魅力を最もリーズナブルに楽しめる。もちろんゴールデンゲートテクノロジーを採用しており、ペダリング時の吸い付くようなフィット感は健在だ。

 個人的な感想だが、S7パッドはこれまでのS5世代のパッドに比べるとコシがあって、長距離ライドがより快適になっている気がする。お尻の痛みに悩まされている人は、サドルを変える前にアソスのタイツやショーツを使ってみるのもいいと思う。

晩秋から春先まで、長く使えるハブタイツ

 最後に、ハブタイツ。このモデルは、アソスのクライマレンジ(外気温によるアイテムの使い分けの目安)によると「アーリーウインター」に分類され、おおむね晩秋から初冬、冬の終わりから春先にかけてのシーズンをカバーするとされる。

薄手のハブタイツは、比較的暖かい時期や運動強度が高い場合に適する Photo: Hideo MORI薄手のハブタイツは、比較的暖かい時期や運動強度が高い場合に適する Photo: Hideo MORI
パッドはレース志向のスタンダード「エキップS7パッド」 Photo: ASSOSパッドはレース志向のスタンダード「エキップS7パッド」 Photo: ASSOS

 素材は薄手で軽量ながら暖かい。個人的には日本で使う分には、東京や名古屋、大阪を含む太平洋側の比較的温暖な地域であれば、一冬を通してハブタイツで乗り切れるのではないかと思えるほど。もちろん、運動強度や代謝の高さによっても印象は変わるかもしれないが…。とはいえ、防寒性能という面ではボンカ/ミレに一歩譲るので、冬場の風が強い日や長い下りなど体感温度が低くなるシチュエーションでは、上着の重ね着などでこまめに体温調整する必要がありそうだ。

作りこまれたパターンで、激しい動作でも常に身体にフィットする Photo: Hideo MORI作りこまれたパターンで、激しい動作でも常に身体にフィットする Photo: Hideo MORI

 膝まわりのパターンも人体の動きを研究して作り込まれている印象。もちろん生地そのものの伸縮性も高い。ハードに走ってもペダリング中に突っ張る感じがないので、練習にも集中できる。

 パッドはS7世代のレース志向のスタンダードパッド・エキップS7パッド。エキップパッドなどと比べると厚みがやや薄くなっているが、コシがあるので長距離ライドでも快適性は高い。もちろん、他のS7タイツのパッドと比べて若干薄くなっている分、ダイレクト感が増しているので、レース志向の人にはおすすめだ。このモデルにもペダリング中に吸い付くようなフィット感を実現するゴールデンゲートテクノロジーが採用されている。

 ハブタイツのすばらしいところは、パッドなしのモデルもラインナップされていることだ。パッドなしのモデルは、パッド付きのモデルに比べて数千円安い。筆者のように、すでにS7ショーツを持っていれば、パッドなしのモデルを購入することでショーツという“資産”も有効活用できるし、タイツにかける出費も抑えることができるのだ。

S7シリーズ共通のテクノロジーで、どのモデルも快適な着心地

 ここまでは各モデルの違いについて見てきたが、実は基本的な作りはS7ショーツのテクノロジーを受け継いでいて、タイツでも共通する部分も多い。

ビブストラップは体の外側に付けることで胸の圧迫を防ぐ。前後で素材の伸縮性を変えることで、パッドのずれを防いでいる Photo: Hideo MORIビブストラップは体の外側に付けることで胸の圧迫を防ぐ。前後で素材の伸縮性を変えることで、パッドのずれを防いでいる Photo: Hideo MORI

 その一つが、フロント部分が外側にオフセットされたビブ(肩ひも)のデザイン。胸を圧迫しにくく、呼吸をラクにしてくれる。

 また、ビブの背中側の生地は伸縮性が低く、前面のストラップは伸縮性が高い。背中の生地が伸びてしまうとパッドの位置がずれやすくなるといい、これを防ぐことで、パッドが常に適切な位置に保持され続けるそうだ。このこととゴールデンゲートテクノロジーとの相乗効果で、ペダリングを妨げないフィット感の実現と長距離ライドでの快適性向上に一役買っているようだ。

3種類のタイツ、どう使い分ける?

 以上をふまえ、最後にタイツの使い分けや着こなしに関する僕なりのアイデアを紹介したい。

最高の防寒性能を誇るのはボンカタイツ。厳しいヨーロッパの冬に対応する性能をもつ Photo: Hideo MORI最高の防寒性能を誇るのはボンカタイツ。厳しいヨーロッパの冬に対応する性能をもつ Photo: Hideo MORI

 まず、最高の防寒性能が必要か否か、どれぐらいの運動強度で走るかによって、ボンカ/ミレの厳寒期向けシリーズか、高強度で走る人向けで秋から春先までカバーするハブシリーズかを大まかに分けられる。厳寒期向けのモデルのどちらを選ぶかについては、価格で選んでもいいし、フィット感で選んでもいいと思う。

 僕が個人的に購入するなら、ハブタイツのパッドなしモデルを選ぶだろう。理由は次の通りだ。

●すでにS7ショーツを持っており、その資産を生かせること。ショーツとの重ね着によって、腹回りの保温性が高まること
●比較的温暖な地域に住んでおり、冬場も高い運動強度で走ること
●寒いときもウインドブレイクシェルやネックウォーマーなどを適宜使い、体温調整することで防寒性能をコントロールできるため

 S7タイツはどのモデルを選んでも間違いはないし、自転車に乗るのがつらいと感じがちな冬場のライドを快適に楽しめるようにしてくれる。さらに、自分のライディングスタイルに合ったモデルを選べば、寒さが厳しい日にさえ走りに行きたくなるぐらいモチベーションを高めてくれるに違いない。

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