スマートフォン版はこちら

サイクリスト

title banner

“自転車革命都市”ロンドン便り<24>ロンドンのサイクルショップへ行ってみよう! 特色あるおすすめ4店舗をピックアップ

by 青木陽子 / Yoko AOKI
  • 一覧

 この連載を書かせていただいているからなのか、このところけっこうな頻度で「ロンドンに行くので、自由時間に自転車ショップを回りたい。おすすめを教えて!」というリクエストをいただくことが増えてきました。なので今回は、ロンドン・バーチャルサイクルショップめぐりガイドをお届けしてみます。なるべくロンドンらしく、さらにバラエティをもたせて選んでみました。

スタッフは全員同じお給料。サービスもパーフェクトな「ブリクストン・サイクルズ」。ジェンダーや人種バランスにも配慮していて、メカニックにも女性が多いスタッフは全員同じお給料。サービスもパーフェクトな「ブリクストン・サイクルズ」。ジェンダーや人種バランスにも配慮していて、メカニックにも女性が多い

自転車好きの“鉄板”チョイス

70年近くずっとこの同じ住所で営業しているコンドルサイクルズ。ロンドンのローディなら、知らない人はいない有名店70年近くずっとこの同じ住所で営業しているコンドルサイクルズ。ロンドンのローディなら、知らない人はいない有名店

 まず、自転車好きなら何はともあれマストでしょうという“鉄板”チョイスが、観光の中心ウエストエンドから少し東のクラークンウェルにある「コンドル・サイクルズ」。1948年から続くロード中心のプロショップで、若きブラッドリー・ウィギンスなど多くの名選手をサポートしてきた、この店なくしてはいまのイギリスのロード人気はなかったという老舗。ミック・ジャガーもコンドルに乗っていた。

 自社のUCIコンチネンタルチームのJLTコンドル(去年まではRaphaコンドルJLT)が乗るレジェーロを筆頭に、シクロやおしゃれヴィンテージ風鉄フレームまで多種のオリジナルフレームを作っています。日本でもファンが多いコンドルなので、ここでのおすすめは自転車友だちへのお土産にぴったりなロゴ入りのキャップやボトルでしょう。今回覗いてみたところ、オリジナルのウエアがデザインが増えてきていてなかなかよかったので要チェックです。

ショップB1Fはビスポークフレームのオーダーもできるフィッティングスペース、完成車の展示スペースショップB1Fはビスポークフレームのオーダーもできるフィッティングスペース、完成車の展示スペース
整理整頓された作業しやすそうな店内のワークショップ。このほかに大きな倉庫と別途ワークショップあり整理整頓された作業しやすそうな店内のワークショップ。このほかに大きな倉庫と別途ワークショップあり
1950年代、60年代などのオリジナルフレームが展示されている1950年代、60年代などのオリジナルフレームが展示されている
日本では手に入らないコンドルのオリジナルグッズ。ロンドン土産におすすめ!日本では手に入らないコンドルのオリジナルグッズ。ロンドン土産におすすめ!
平日昼間はたくさんの食べ物屋台が立って、近所のオフィスワーカーたちで賑わうレザーレーンにあるフルシティ・サイクルズ平日昼間はたくさんの食べ物屋台が立って、近所のオフィスワーカーたちで賑わうレザーレーンにあるフルシティ・サイクルズ

 コンドルから500mと離れていないレザー・レーンにある「フルシティ・サイクルズ」は、雰囲気がガラリとストリートな、ラフなテイストに変わります。ヴィンテージからハイドローリックのコンポーネントまですべての修理を手がけるこちらでは、新品はもちろんながら中古パーツも揃うので、お金をかけたくないときにも駆け込める。それでいて腕はたしかということで、メッセンジャーたちが多く出入りしているのが特徴です。

 イギリスに来て30年というアメリカ西海岸出身のジョージさんは、とくにヴィンテージバイクの話になるとおしゃべりが止まらない“エンスー”(熱心家)。チューブラータイヤのパンク修理後に使う糸は、VELOXのとくにフランドルで育った麻糸でないと丈夫さが足りないと熱弁をふるってくれました。ちなみに、毎週金曜の夕方には、メッセンジャーたちが店の前からル・マン式スタートで競うアリーキャットレースも開催しているとか。生のロンドンのバイクシーンを見物できそう。

けがなどで仕事ができないメッセンジャーのためのファンドをサポートしているけがなどで仕事ができないメッセンジャーのためのファンドをサポートしている
ほぼ毎週金曜日の夕方、メッセンジャーたちのレース、アリーキャットレースを開いているほぼ毎週金曜日の夕方、メッセンジャーたちのレース、アリーキャットレースを開いている
「チューブラータイヤの修理はこの糸でないと!」と取り出して見せてくれた。とくにフランドルで育った麻でないとダメなのだそう「チューブラータイヤの修理はこの糸でないと!」と取り出して見せてくれた。とくにフランドルで育った麻でないとダメなのだそう

コーヒーのおいしさも専門店級

いわゆるSOHOの中心地、テレビ番組製作会社などの多いエリアにあるSOHO BikesいわゆるSOHOの中心地、テレビ番組製作会社などの多いエリアにあるSOHO Bikes

 2軒めぐって一息入れるためにカフェでも……ならば「SOHO Bikes」へ! 自転車とクラフトコーヒーの組み合わせはアメリカポートランドあたりが発信地のようですが、ロンドンでも一時はほとんどのサイクルショップがコーヒーマシンを置いているのではという状態になっていました。けれどここで飲めるのはコーヒー専門店級。実際、すぐそばのこだわりのコーヒー専門店よりもおいしいと、自転車でなくコーヒー目当てのお客さんも多いとか。

 主力にしている自転車は英国ブランドのスチールバイクとMTB。番組制作会社などクリエイティブ系の会社がひしめくSOHOのお客さんの自転車通勤を始めたいというニーズに応えています。売れ筋のひとつは、鉄の街シェフィールド発信のCOTIC(コティック)「ロードラット」、ディスクブレーキにボリュームのあるタイヤ×内装ギアといった、扱いやすさと見た目を兼ね備えた街乗り車だそう。

ウナギの寝床的に細長い店内の通り側半分がカフェスペース。専任のバリスタも常駐で、専門店顔負けの豆のセレクトもウナギの寝床的に細長い店内の通り側半分がカフェスペース。専任のバリスタも常駐で、専門店顔負けの豆のセレクトも
ジェネシス、クーパー、コティックなどおしゃれ系コミューターが充実している。中心価格帯は£1000前後ジェネシス、クーパー、コティックなどおしゃれ系コミューターが充実している。中心価格帯は£1000前後
ラテアートも美しいコーヒーを出してくれるバリスタさんラテアートも美しいコーヒーを出してくれるバリスタさん
今回の4店舗はどこもスタッフがすばらしいが、とくにフレンドリーで気持ちのいいブリクストン・サイクルズの接客スタッフ。タパンさんとジュニアさん今回の4店舗はどこもスタッフがすばらしいが、とくにフレンドリーで気持ちのいいブリクストン・サイクルズの接客スタッフ。タパンさんとジュニアさん

 時間に余裕があれば、テムズ川の南側にある下町ブリクストンの有名な「ブリクストン・サイクルズ」もぜひ覗いてみてほしいところです。こちらの正式名称は「Brixton Cycles Co-op」。Co-op=コ・オペラティブとは協同組合。現在13人のスタッフは全員お給料が同じで、上下関係もなし。ショップ運営にかかわるすべてのことは全員で話し合って決めていく、というスタイルですでに30年以上続いているお店なのです。

 スタッフ全員がイニシアチブを持って働いていて、そんなお店が好きで支えたいという気持ちのあるアツいお客さんたちがついている……というなんともいい雰囲気が満ち満ちているショップは体験の価値ありです。主力商品はサーリーなどのコミューターですが、町の自転車ショップとして子ども用からブロンプトンまでほとんどのジャンルをカバー。ブリクストンらしいラスタカラーのオリジナルグッズも人気で、とくにジャージはロンドンでも着ているローディをよく見かけます。

平日の昼間でもお客さんがひっきりなしに訪れる。コミューターのお客さんが多い平日の昼間でもお客さんがひっきりなしに訪れる。コミューターのお客さんが多い
新しいタイヤとチューブを買ったお客さん、お店のタイヤレバーとポンプを借りて、自分で交換していた新しいタイヤとチューブを買ったお客さん、お店のタイヤレバーとポンプを借りて、自分で交換していた

◇         ◇

 ……と駆け足で4店舗をご紹介しました。同じ首都とはいえ、東京のサイクルショップとはけっこう違いがある雰囲気を感じていただけたでしょうか。このほか、以前もご紹介した自転車カフェの「LMNH」(コンドルサイクルズに比較的近い)、「Raphaサイクルクラブ」(SOHO Bikesに近い)も回れば、ロンドンの自転車お買い物シーンはだいたいカバーできたと言えるでしょう。いらした方は、ぜひ感想をお聞かせください。

今回登場したショップ一覧

●Condor Cycles: www.condorcycles.com
 →泣く子も黙るロンドンの老舗プロショップ
●Fullcity Cycles: www.fullcitycycles.co.uk
 →毎週金曜日のアリーキャットレースに注目
●Soho Bikes: sohobikes.co.uk
 →観光中心地SOHOで英国製コミューターをチェック
●Brixton Cycles: www.brixtoncycles.co.uk
 →スタッフは全員同じお給料。サービスもパーフェクト

青木陽子青木陽子(あおき・ようこ)

ロンドン在住フリー編集者・ジャーナリスト。自動車専門誌「NAVI」、女性ファッション誌などを経て独立起業、日本の女性サイトの草分けである「cafeglobe.com」を創設し、編集長をつとめた。拠点とするロンドンで、「運転好きだけれど気候変動が心配」という動機から1999年に自転車通勤以来のスポーツ自転車をスタート。現在11台の自転車を所有する。ブログ「Blue Room」を更新中。

現在募集中のイベント情報

関連記事

この記事のタグ

“自転車革命都市”ロンドン便り

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

イベント情報:御神火ライド

スペシャル

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載