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インカレ開催地の鹿児島県内で限定発売苦みばしった本格派 うわさの「サドルパン」を食べてみた

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 少し前から、ネットに集う自転車愛好家の間で、奇妙なパンのうわさが広まっていた。「サドルパン」。サドルを連想させる二等辺三角形をしているが、サドルには見えない、あの黒いやつだ。「Cyclist」編集部のある東京・大手町の産経デジタル内でも話題になっていたところ、これを聞きつけた編集長が、また無茶な指示を出した。

 「食べてみたいなぁ。よし、買ってこい」

 しかし調べてみると、鹿児島県内のローソンで限定発売となっている…。その事実を告げると、編集長はしばらく黙考してからおもむろに受話器をとり、電話に向かってペコペコとお辞儀をしながら頼みごとを始めた。「あの~、何とか手に入らないものでしょうか?」

錦江町から届いた「サドルパン」3個錦江町から届いた「サドルパン」3個

 相手は鹿児島県錦江町(きんこうちょう)の役場。広報担当者が「それでは、お送りしますよ」と快諾してくれた。あつかましいお願いを聞いてくださり、ありがとうございました。

 こうして無事に編集部へ届いた貴重なサドルパン。パッケージには「錦江町 南大隅町 共同開発」と大きく記され、両町のご当地ゆるキャラが4体も描かれている。どうやら地域をあげての特別な商品であることが、ヒシヒシと伝わってくる。そしてもう1つ、重要な情報が!

 『第68回全日本大学対抗選手権自転車競技大会を応援します』

 そう、これはただのサドルの形をしたパンではない。自転車競技のインカレに集う若者たちを応援し、このイベントを開催地の両町あげて盛り上げようという、情熱の詰まったパンなのだ。錦江町は、自転車競技の名門・鹿屋体育大学がある鹿屋市と隣接し、南大隅町はさらにその南隣に位置しており、ともに大学の自転車競技に理解が深いという。

 インカレの開催日程は8月30日から9月2日。南大隅町でトラック競技、錦江町ではロードレースが行われ、全国の大学から約400人が出場している。その大会に向けて、ローソンと錦江町、南大隅町がサドルパンを共同開発し、8月14日から約1カ月間の予定で販売中。製造は鹿児島県最大の製パン業者、イケダパン。価格は126円。

これが噂の「サドルパン」これがうわさの「サドルパン」
パッケージのキャッチコピーは「かつてない軽さで衝撃デビュー」パッケージのキャッチコピーは「かつてない軽さで衝撃デビュー」
サドルパンの説明。「使用上の注意をよく読んでからご賞味ください」と警告されているサドルパンの説明

 情熱が詰まっているとはいえ、マジメに作ったのかどうかは怪しいサドルパン。まずパッケージがユニークだ。商品名の上に記されたキャッチコピーは「かつてない軽さで衝撃デビュー」。おいおい、サドルは軽いほうがいいけれど、パンは軽くていいのか?

 続いて「使用上の注意」が細かく書かれているのだが、「座ることはできません」とか、「立ちこぎしながら食べないでください」とか、ここは完全にジョークのようだ(詳しくはパッケージの写真をクリックしてご覧ください)。

 裏面にはサドルパンの説明が。「人よりカブトムシの多い町・錦江町」という表現は、ジョークかも知れないが、ちょっと羨ましくも思えた。そういえば、パッケージの表側に印刷されたゆるキャラの中に、カブトムシの「でんしろう」がいる。

 パン生地はココア風味のデニッシュで、その上にベルギーチョコとカスタードクリームがたっぷりと盛られている。南日本新聞のニュース記事によると、エネルギー消費が激しい自転車競技で、カロリーを摂取できるように考えて作られたというが…正直、味は甘ったるくてくどいだろうと想像した。

苦味ばしったカカオの風味が強烈!苦味ばしったカカオの風味が強烈
このように、友だちのサドルにいたずらすることは禁止されていますこのように、友だちのサドルにいたずらすることは禁止されています

 ところがひと口食べてみると、甘いどころか、驚きの苦さと香ばしさ! パン生地に含まれる砂糖が控えめなうえ、ココアパウダーが予想以上に多く含まれているようだ。クリームも、コッテリしてはいるものの、口当たりや後味に感じるしつこさは少ない。普通のサドル型パンに見えるが、意外に高級なスペックかも知れないぞ。

 「こんな甘そうなパン、私は食べませんよ」と言っていた女性記者Kに、編集長は「いいから食べろ」と強引に指示。仕方なくサドルパンを口にしたKは「えっ、これ美味しいですよ」と目を丸くした。取材から戻ってきたエースライダーYは、サドルパンをわしづかみにしてムシャムシャと一気にたいらげてしまった。

 マジメさとジョークが入り混じった、不思議なサドルパン。商品として販売していること自体が凄いことだ。そして、味は紛れもなく本格派。何より、われわれサイクリストにとっては、自転車競技を応援してくれていることが嬉しい。ありがとう、錦江町と南大隅町! 凄いぞ、ローソンとイケダパン! 「Cyclist」編集部一同、感謝を込めて「ごちそうさま」とつぶやいた。

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