スマートフォン版はこちら

サイクリスト

title banner

栗村修の“輪”生相談<40>20代男性「風の中を走るコツを教えてください」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 
 栗村さんはじめまして。北海道在住のサイクリストです。

 自分が住んでいる地域は非常に風が強く、常に吹いている為、ずっと向かい風という中で乗る事も珍しくありません。集団であればローテーションなどで空気抵抗を軽減するのは理解しているのですが、一人で乗る場合ではそうもいかず、いつも苦しい戦いを強いられています。風の中を走るコツのようなものがあればお教えください。

(20代男性)

 僕も選手でしたので、同じような経験をしています。ベルギーに住んでいたこともありますから、質問者さんが住んでいらっしゃる北海道と同じようなシチュエーションで練習をしなければいけないこともありました。

 当たり前ではありますが、向かい風が吹いていると、同じパワーでクランクを回していても、速度は落ちます。これは、パワーメーターをお使いの方ならよくわかると思います。ということは、やはりこれも当然ですが、パワーに注意していれば、多少の変動は絶対に発生しますが、一定のパワーで走ることは可能なわけです。

ロードレースは常に風との戦いだ(2009パリ〜トゥール)ロードレースは常に風との戦いだ(2009パリ〜トゥール)

 なので、向かい風のときは、無理をせずギアを落として走ってください。速度が落ちるのは当然ですから。

 風は辛いですよね。特に、ひとりで走る場合はきついですね。向かい風を攻略する裏ワザ的なものはありませんが、ここでは、積極的に向かい風を利用する走り方をご紹介しようと思います。評判が悪い向かい風ですが、実は、トレーニングという観点からは非常にありがたい存在でもあるんです。向かい風を使えば、平地でもヒルクライムの練習ができるんですよ。

 向かい風とヒルクライムとの最大の共通点は、「慣性があまり効かない」ということです。ペダルを踏むのをやめた途端、急に速度が落ちます。これ、上りと同じですよね。

 すると、平地ではなかなか難しいダンシングの練習もできるんです。無風状態や追い風でダンシングをすると、どうしても慣性の力が働くので、上りでのダンシングとは別物になってしまいます。ですが、向かい風があれば、すぐに速度が落ちるので、上りに近いシチュエーションになるんです。もちろん、厳密には違いますが。

ラルプ・デュエズの気分で向かい風を攻略しよう(2013ツール・ド・フランス)ラルプ・デュエズの気分で向かい風を攻略しよう(2013ツール・ド・フランス)

 このトレーニングは、ヨーロッパの強い国の選手もやっていたりします。強くなるためには、やはり上りを走りたい。が、近所に峠がある人は少ないでしょう。でも、風さえ吹いてくれれば、玄関を出たらそこはもうラルプ・デュエズです。そう考えると、風も魅力的に思えてきませんか? 

 上りがあるということは下りもあります。アップがてらダウンヒル、つまり追い風方面に走って、体が温まったらUターンし、脳内で上りに突入! などという方法をとれば、風を楽しむことができるでしょう。

 ひとつ注意していただきたいのは、追い風の中1時間走ったからといって、帰りも1時間で帰れるわけではない点です。これを忘れると、特にこれからの季節は、日が落ちてしまって風邪をひいたりと悲惨ですから、気を付けてください。

(編集 佐藤喬・写真 砂田弓弦)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会副ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
 ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

関連記事

この記事のタグ

栗村修の“輪”生相談

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

わたしらしく自転車ライフ

スペシャル

SBAA動画

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載