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つれづれイタリア~ノ<43>ニバリやコンタドールに会える冬のシチリア島 チームキャンプの新スポットに

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ダミアーノ・クネゴ(先頭)が所属するイタリア籍のプロコンチネンタルチーム「NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ」のトレーニング風景(田中苑子撮影)ダミアーノ・クネゴ(先頭)が所属するイタリア籍のプロコンチネンタルチーム「NIPPO・ヴィーニファンティーニ・デローザ」のトレーニング風景(田中苑子撮影)

 12月から1月は、北半球ではほとんどロードレースが行われない時期です。特にヨーロッパでは、シベリアから吹く風の影響で雪と雨の日が多く、道が頻繁に凍結します。なので冬はどちらかというと、悪天候でも開催できるシクロクロス向けの季節です。しかし、選手たちは休んでいるわけではなく、次のシーズンに向けてチームキャンプを行います。12月のうちにスタートして、短いクリスマス休暇を終えた選手たちが、1月から本格的なトレーニングを始めます。

 多くのプロチームがイタリア各地でキャンプを行っていて、なかでもトスカーナ州が好まれます。地理的な条件や気候が良く、宿泊施設も充実しているからです。また、多くのライダーが暮らしている人気の地域でもあります。

 ところが今年は、イタリアの最南端に位置する地中海最大の島、シチリア島も“熱い”キャンプ地になっています。

気候、グルメ、世界遺産 魅力いっぱいのシチリア

2011年のジロ・デ・イタリア第9ステージで、プロトンがシチリア島を駆け抜けた(砂田弓弦撮影)2011年のジロ・デ・イタリア第9ステージで、プロトンがシチリア島を駆け抜けた(砂田弓弦撮影)

 シチリア島は冬も温暖な気候で、海岸沿いの地域では、平均気温は11.5度くらい。真冬でも平地ではほとんど雪が降りません。さらに食事もおいしい。豊富な魚介類に加え、パスタ、チーズ、お米(アンチョビ入りのライスボールがおすすめ)、新鮮な野菜、おいしいワインなどがあり、美食家たちから愛されている島です。

 観光の面でも魅力的です。タオルミーナ、アグリジェントには古代ギリシャや古代ローマの頃の遺跡が多く、島の西側を中心にアラブ文化の建築物も数多くあります。この島だけで、6つの世界遺産が点在しています。その1つにはヨーロッパ最大の火山である自然遺産、エトナ山も含まれます(2013年登録)。標高3350mで、現在も元気に噴火中。

メッシーナからエトナ山の上りゴールで行われた2011年のジロ・デ・イタリア第9ステージ(砂田弓弦撮影)メッシーナからエトナ山の上りゴールで行われた2011年のジロ・デ・イタリア第9ステージ(砂田弓弦撮影)
2014年のツール・ド・フランス総合優勝者、ヴィンチェンツォ・ニバリはシチリア島・メッシーナ出身(砂田弓弦撮影)2014年のツール・ド・フランス総合優勝者、ヴィンチェンツォ・ニバリはシチリア島・メッシーナ出身(砂田弓弦撮影)

 さて、シチリアでは、自転車がブームになっています。その理由は言うまでもなく、地元のヒーロー「メッシーナ海峡の鮫」こと、2014年のツール・ド・フランスで総合優勝を果たしたヴィンチェンツォ・ニバリ(アスタナ プロチーム)の存在です。

 路面が悪く、クルマの運転が荒く、夏は暑すぎるという悪条件があったため、自転車の使用や自転車競技は敬遠されてきた地域ですが、今は逆。自転車歓迎ムードがすごく盛り上がっています。

キャンプ期間中にファンサービス

ジロ・デ・イタリア2014でイタリアを駆けるティンコフ・サクソの選手たち(砂田弓弦撮影)ジロ・デ・イタリア2014でイタリアを駆けるティンコフ・サクソの選手たち(砂田弓弦撮影)

 そして今年は、あるチームがシチリア島をキャンプ地に選びました。イエローとブルーが特徴的で、ツールで2度の総合優勝を誇るアルベルト・コンタドール(スペイン)や、イヴァン・バッソ(イタリア)、ペテル・サガン(スロバキア)、ラファウ・マイカ(ポーランド)らが所属しているティンコフ・サクソです。ちなみに昨年は、スペイン領カナリア諸島でキャンプを行いました。

 ティンコフ・サクソは、アフリカの最高峰キリマンジャロ登山という一風変わったチームビルディングキャンプを12月に行い話題になりました。そして1月8日から、本格的にロードレースのキャンプが始まっています。オーストラリアで行われるツアー・ダウンアンダー(20日から25日開催)に参加する選手を除いて、ティンコフ・サクソの選手たちが8日から22日まで、エトナ山のふもとにある有名なリゾートホテル、イル・ピッチョロ・エトナ・ゴルフリゾートに滞在します。

 このキャンプでは、リゾートホテルの一般宿泊者や自転車ファンに対し、あるサービスが用意されています。「PEDALANDO CON IL TEAM TINKOFF-SAXO」(ティンコフ・サクソとサイクリングしましょう!)というサービス。そう、コンタドール、バッソ、サガンたちとサイクリングできるのです。

 具体的にどんな内容なのか、ご紹介しましょう。なかなか魅力的なサービスですし、参加費も高すぎるものではないので、何人が参加するのか気になるところです。

プログラム

・エトナ山のふもとで選手たちとサイクリング(1回)
・期間(1)1月8~11日、(2)1月15~18日
・3食付き(ビュフェスタイル、ミネラルウォーター、コーヒー付き)
・スパ使用が無料
・スポーツマッサージ(1回30分)
・自転車専用のガレージ使用(修理道具付き)
・洗車スペース完備
・参加費 2泊3日:455ユーロ~ 3泊4日:590ユーロ~(1ユーロ=約141円)

【別料金】
・ロードバイクレンタル
・プロによるメカニックサービス
・自転車故障などが起きた時の送迎バス
・ガイド付きのエトナ山サイクリングツアー(MTBのみ)

オフシーズンは地元を走るニバリ

 さらにシチリアには、運がよければエトナ山の北側でニバリに会えるという、もう一つの大きな“特権”があります。普段はスイス、ルガノ市在住のニバリですが、12月末になると実家のあるメッシーナ市に帰郷します。もちろん、地元に帰ってもトレーニングは欠かせません。ほぼ毎日、地元のライダーを集め、エトナ山の北側やメッシーナ近辺の街をよく走っていて、本人もその情報を公開しています。

ニバリが参加するメッシーナ市のサイクリングイベントのポスターニバリが参加するメッシーナ市のサイクリングイベントのポスター

 さらにニバリは、毎年1月6日にメッシーナ市で行われるチャリティーサイクリングイベント「Pedalata per la ricerca – Fermare la distrofia muscolare di Duchenne」(研究のためにサイクリング ―デュシェンヌ型筋ジストロフィーを防止しましょう)に参加しています。

 このイベントの趣旨は、筋肉委縮・筋力低下を起こす「筋ジストロフィー」という病に苦しむ子供たちを救うための研究資金として、募金を集めることです。ニバリは、こういったイベントに積極的に参加しています。サイクリング中、押し寄せる人の波をうまくかわせれば、彼の隣でゆっくり走れますよ。

 さて、日本は本格的に寒くなってきたので、私もどこかの南の島へ避難したい気分です。シチリアに住んでいる友達が羨ましく思えます(笑)。

文 マルコ・ファヴァロ

マルコ・ファヴァロMarco FAVARO(マルコ・ファヴァロ)

イタリア語講師。イタリア外務省のサポートの下、イタリアの言語や文化を世界に普及するダンテ・アリギエーリ協会で、自転車にまつわるイタリア語講座「In Bici」(インビーチ)を担当する。サイクルジャージブランド「カペルミュール」のモデルや、Jスポーツへ「ジロ・デ・イタリア」の情報提供なども行なう。東京都在住。ブログ「チクリスタ・イン・ジャッポーネ

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