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ブリッツェンとUKYOとのポイント争い白熱アジア大会銅メダルの窪木一茂が地元・福島で独走勝利 Jプロツアー「いわきクリテリウム」

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 国内ロードレースのシリーズ戦「Jプロツアー」の第17戦、「JBCF いわきクリテリウム」が10月5日、福島県いわき市で開催され、8人の逃げ集団から終盤にアタックを決めた窪木一茂(チームUKYO)がゴールまで逃げ切って独走優勝した。個人総合首位のルビーレッドジャージは、ホセビセンテ・トリビオ(チームUKYO)が堅守している。

後続にたっぷり差を付けた窪木一茂(チームUKYO)が悠々ゴールイン後続にたっぷり差を付けた窪木一茂(チームUKYO)が悠々ゴールイン

予選と敗者復活戦で勝ち残った40人が決勝進出

 年間21戦のシリーズ戦も、いわきクリテリウムを含めてあと5戦。レースはいわき湯本に近い「いわき21世紀の森公園」内で行われた。遊歩道などを組み合わせた1.63kmの周回コースを、Jプロツアーの決勝レースは35周する。最後の周回のみ1.23kmのショートカットコースを使用し、距離55.42kmで争われた。

「サイクルフェスティバル2014 in いわき」が併催。市民レースや、恒例の3輪車耐久レースなどが行われた「サイクルフェスティバル2014 in いわき」が併催。市民レースや、恒例の3輪車耐久レースなどが行われた
Jフェミニン(女子)は、4人の先頭集団から、最後ゴールスプリント直前にロングスパートを仕掛けた智野真央が優勝Jフェミニン(女子)は、4人の先頭集団から、最後ゴールスプリント直前にロングスパートを仕掛けた智野真央が優勝
この日引退の辻善光は「幸せな競技人生でした」とコメント。今後の進路はシクロクロスシーズンを走りながら考えるというこの日引退の辻善光は「幸せな競技人生でした」とコメント。今後の進路はシクロクロスシーズンを走りながら考えるという

 決勝の前日に予選が2組で行われ、この予選のそれぞれ上位15人ずつと、決勝当日朝に行われた敗者復活戦で勝ち残った10人の計40人が決勝のスタートラインに並んだ。クリテリウムなどスピード系レースで活躍した辻善光(湘南ベルマーレ)が、この日限りでロードレースの第一線からの引退を表明しており、スタート前には引退セレモニーが行われた。

 台風接近に伴い天気は下り坂。決勝レースは、小雨が降り気温も低い中でスタートした。スタート直後に数人が絡む落車が起こり、走行不能になった大場政登志(クロップス・チャンピオンシステム)が0km地点でリタイアするアクシデントがあったが、その後はしばらく各チームの主導権争いが続き、レース自体はほぼ一つの集団のまま推移した。

レース序盤、集団前方固める宇都宮ブリッツェンレース序盤、集団前方固める宇都宮ブリッツェン
最終コーナーを抜け、コントロールラインを通過していく集団最終コーナーを抜け、コントロールラインを通過していく集団
上りで先頭に立つ小室雅成(ロヂャース レーシングチーム)。2年前このコースで優勝上りで先頭に立つ小室雅成(ロヂャース レーシングチーム)。2年前このコースで優勝
集団先頭で、土井が後方の様子を確認集団先頭で、土井が後方の様子を確認

逃げグループに土井が合流、UKYOは3人に

 雨が徐々に強くなる中、レースは中盤の15周目を目前にしたところで動いた。まず6人のグループが抜け出しに成功。窪木一茂、山本隼(ともにチームUKYO)、青柳憲輝、大久保陣(ともに宇都宮ブリッツェン)、中山卓士(ロヂャース レーシングチーム)、岡篤志(EQA U23)が集団からわずかに差を付けて先行する。

 メーン集団の先頭はブリッツェンが押さえる形でコントロールする中、3周ほどの後に小室雅成(ロヂャース レーシングチーム)が単独で先頭を追走して合流。続く周回では土井雪広(チームUKYO)が一人で逃げ集団に追い付き、先頭は8人となった。結果的に土井が追い付いたことで、この日のレースの流れは決定的なものとなった。

6人の逃げグループ6人の逃げグループ
逃げを単独追いかける土井逃げを単独追いかける土井
逃げを追うのはブリッツェンの隊列。先頭は阿部‎嵩之逃げを追うのはブリッツェンの隊列。先頭は阿部‎嵩之
レース後半、遅れてしまった辻善光はリタイアにレース後半、遅れてしまった辻善光はリタイアに

 逃げに3人を送り込んだUKYOは、スプリント力に優る窪木を温存する作戦。土井、山本らが他の選手と協調体制を取りつつ、積極的にペースを上げる。一方、メーン集団ではブリッツェンが先頭を固めて追走体制を取るが、チームポイントを意識してか、先頭を引くのは阿部‎嵩之、鈴木真理、堀孝明の3人のみ。後半で堀が力尽きて遅れ、最初は5秒ほどだったタイム差も、10秒、15秒と少しずつ広がっていった。

逃げ始めは微妙な差だった逃げとメーン集団だったが…逃げ始めは微妙な差だった逃げとメーン集団だったが…
集団後方で力を溜める窪木集団後方で力を溜める窪木
メーン集団はブリッツェンが変わらず追走メーン集団はブリッツェンが変わらず追走

窪木が単独アタックを敢行

 残り5周となり、先頭8人の逃げ切りが濃厚となったところで、逃げ集団から窪木が単独アタックを敢行。追走の動きを土井らUKYO勢がマークして潰し、結局、窪木以外の全員が、ブリッツェンが引くメーン集団に吸収されることになった。

単独アタックを決めた窪木単独アタックを決めた窪木
逃げ集団が割れ、追走はチームUKYOのチームメートがチェック逃げ集団が割れ、追走はチームUKYOのチームメートがチェック
前を追い続けるブリッツェン列車前を追い続けるブリッツェン列車
窪木以外の逃げメンバーは全員集団に吸収される窪木以外の逃げメンバーは全員集団に吸収される

 窪木は安定したハイスピードを保ってメーン集団の追い上げを許さず、最後は後ろを大きく振り返って勝利を確信。右手を体に添え左手を横水平に差し出した、西洋式お辞儀のポーズでゴールラインを通過した。10秒遅れのメーン集団の先頭争いは、2位と3位を鈴木譲、大久保陣のブリッツェン勢が占め、意地を見せた。

2位争いのスプリントは、鈴木譲が先着2位争いのスプリントは、鈴木譲が先着

 窪木はJプロツアー2勝目。今季にチームUKYOへ移籍してからは初勝利となる。福島県出身ということもあり、表彰式では「地元・福島で優勝できて本当に嬉しかったです」と表情をほころばせた。

 トラックレースの中長距離選手としても国内トップクラス。先日のアジア大会では団体追い抜きで銅メダルを獲得した。しかし銅メダルの話を振っても「もう過去の話です」と一言。「残りのレース、出場できる試合で勝ち、アシストして、(チーム総合で)逆転優勝できるように頑張りたい」と意気込みを語った。

表彰式前のステージで、地元のフラダンスが祝福表彰式前のステージで、地元のフラダンスが祝福
P1表彰。(左より)2位の鈴木譲、優勝の窪木一茂、3位の大久保陣P1表彰。(左より)2位の鈴木譲、優勝の窪木一茂、3位の大久保陣

激しさ増すポイント争い 個人、団体ともまだ逆転可能

 シリーズ年間個人総合争いでは、現在首位のトリビオがこの日5位と、7位の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)に先着。首位の座を守り、ポイント差をわずかに広げることにも成功した。しかし増田との差は195ポイントで、依然として1レースで逆転可能な僅差のままだ。

リーダージャージは変わらず、ルビーレッドジャージをトリビオ(右)、ピュアホワイトジャージを堀が守ったリーダージャージは変わらず、ルビーレッドジャージをトリビオ(右)、ピュアホワイトジャージを堀が守った

 一方、チーム総合は、この日もチームUKYOが首位のブリッツェンに対して300ポイントを詰め、その差は1670ポイントにまで縮まった。第15戦、第16戦では1000ポイントずつを一気に縮めることもあっただけに、残り4レース、個人・チームともに、総合争いから目が離せない。

 第18戦は10月12日、石川県輪島市で「JBCF 輪島ロードレース」が開催される。激しい上りと長い下りのあるコース。実力者がその力を遺憾なく発揮するレースとなるはずだ。

(文・写真 米山一輝)

P1結果(55.42km)
1 窪木一茂(チームUKYO) 1時間18分34秒
2 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン) +10秒
3 大久保陣(宇都宮ブリッツェン) +10秒
4 中村龍太郎(イナーメ信濃山形) +10秒
5 ホセビセンテ・トリビオ(チームUKYO) +11秒
6 リカルド・ガルシア(チームUKYO) +11秒
7 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +11秒
8 岡篤志(EQA U23) +12秒
9 平井栄一(チームUKYO) +12秒
10 小室雅成(ロヂャース レーシングチーム) +12秒

Jプロツアーリーダー(ルビーレッドジャージ)
ホセビセンテ・トリビオ(チームUKYO)

U23リーダー(ピュアホワイトジャージ)
堀孝明(宇都宮ブリッツェン)

F結果(25.83km)
1 智野真央(ニールプライド・メンズクラブ JFT) 45分23秒
2 西加南子(ルミナリア) +0秒
3 伊藤杏菜(チャンピオンシステムジャパン-中京大学) +0秒

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