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将来は日本人チームでツール・ド・フランス優勝を子供や若者が自転車に親しむ機会を ロードレースの底辺拡大目指す「JrIDE PROJECT」が旗揚げ

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 サイクルロードレースのメジャースポーツ化を推進する「JrIDE PROJECT(ジェイ・ライド・プロジェクト)」の旗揚げとなるシンポジウムが9月1日、東京都千代田区の毎日ホールで開かれ、子供たちや若い世代が自転車に親しむ機会を提供し、サイクルロードレースの底辺拡大を目指す活動方針が発表された。プロジェクトの実行委員を務める元プロロードレーサーの栗村修さんは、「日本の自転車界全体のつながりを作り、『日本人チームでツール・ド・フランスに出場し総合優勝を目指す』という目標に向かっていきたい」と意欲を語った。

「子供たちのための自転車環境創造を考えるシンポジウム」に出席した(左から)自転車協会の渡辺恵次理事長、ブラッキー中島さん、栗村修さん、山本雅道さん、益子直美さん、グローブマーケティングの宮田泰郎代表「子供たちのための自転車環境創造を考えるシンポジウム」に出席した(左から)自転車協会の渡辺恵次理事長、ブラッキー中島さん、栗村修さん、山本雅道さん、益子直美さん、グローブマーケティングの宮田泰郎代表

自転車競技の入り口に立った人を他競技に取られている

「子供たちのための自転車環境創造を考えるシンポジウム」で対談を行った(左から)益子直美さん、山本雅道さん、栗村修さん「子供たちのための自転車環境創造を考えるシンポジウム」で対談を行った(左から)益子直美さん、山本雅道さん、栗村修さん

 ジェイ・ライド・プロジェクトは、未就学児からアンダー23世代までの若者が自転車に触れて興味をもつ機会や、自転車競技に挑戦するきっかけをつくり、ロードレースの底辺拡大を目指す。この日は「子供たちのための自転車環境創造を考えるシンポジウム」として栗村さんのほか、元プロロードレーサーでバイクショップ「BICYCLE FACTORY YAMAMOTO」代表の山本雅道さん、山本さんの妻で元バレーボール女子全日本代表の益子直美さん、子供向け自転車教室「ウィーラースクールジャパン」を主宰するブラッキー中島さんらが対談した。

「日本中の子供が、世界の舞台を目指せるようなシステムが整っていない」と語る栗村修さん「日本中の子供が、世界の舞台を目指せるようなシステムが整っていない」と語る栗村修さん

 栗村さんは、自身が自転車選手を目指した当時について「自転車に対して並外れた興味がなければ、競技に取り組むこともできない環境だった」と語った。部活動などで自然に始められる野球やサッカーなどメジャースポーツと、ロードレースが認知されていなかった自転車では大きな違いがあったという。

 一方で益子さんは、メジャースポーツのバレーボール界について「全日本ではトレーニング、海外遠征などすべての面において環境が整っていた」という。また、“東洋の魔女”と呼ばれ1964年の東京五輪で金メダルを獲得した全日本女子チームや、漫画「アタックNo.1」などを通じてバレーボールが広く認知されていったことを例に挙げ、自転車競技を知ってもらうには「影響力のある人材が必要では」と投げかけた。

夫の山本雅道さんと出会うまで「ロードレースがどんなものか知らなかった」と語る益子直美さん夫の山本雅道さんと出会うまで「ロードレースがどんなものか知らなかった」と語る益子直美さん
「素質をもった子供を集め、東京五輪や世界を目指したい」と語る山本雅道さん「素質をもった子供を集め、東京五輪や世界を目指したい」と語る山本雅道さん

 山本さんは「日本中の多くの人が子供の頃に『自転車は楽しい』ということを体験しているはずなのに、その人たちを引き込めていない」と、自転車競技の入り口に立った人たちを他競技に取られてしまっている現状を指摘。また、前日に数人の子供が「自転車をやりたいけど、どうしたらいいですか」とショップに訪れたエピソードを紹介した。競技への入り方も浸透していないのが現状だという。

「自転車に理解のある大人」を育てる

 ジェイ・ライド・プロジェクトは、こうした環境を改善していくために立ち上がった。実行委員は、栗村さん、山本さん、プロジェクトの運営や事務局を担当するグローブマーケティング株式会社の宮田泰郎代表の3人。メジャースポーツ化に向けて賛同者や協力者を集め、自転車界をサポートする“旗振り役”になる。

 栗村さんはプロジェクトの目的について「自転車界の横のつながりを強化して、一つの方向を目指していくこと」と説明。「1人の選手、1つのチームという個々ではなく、自転車界全体で『ツール・ド・フランス総合優勝を目指す』という大きな目標に向かっていきたい」と語った。

実行委員の3人がプロジェクト概要発表に登壇実行委員の3人がプロジェクト概要発表に登壇
グローブマーケティングの宮田泰郎代表は「子供が自転車に乗る機会を増やすための”旗振り役”になりたい」と話したグローブマーケティングの宮田泰郎代表は「子供が自転車に乗る機会を増やすための”旗振り役”になりたい」と話した

 ジェイ・ライド・プロジェクトの活動の軸は「はじめての自転車教室」と「新人発掘トライアウト」の2つ。未就学児から10代前半の子供たちには、自転車の乗り方を指導するウィーラースクールを通して「自転車に乗る楽しみ」を伝える。

ウィーラースクールを通じて、自転車のファン、自転車への理解が広まると語るブラッキー中島さんウィーラースクールを通じて、自転車のファン、自転車への理解が広まると語るブラッキー中島さん

 ブラッキーさんは「子供の頃から自転車に親しむ機会を作っていくことで、『自転車に理解のある大人』が育ってくる」と話し、競技者やホビーユーザーだけでなく“自転車を愛し、応援する層”がこの活動によって増えてくると説明した。

 トライアウトは「エキップアサダ」の浅田顕代表がトレーニングディレクターを務める。ロードレースの日本代表などを指導している浅田さんが、才能をもつ子供を発掘。ここで見いだされた人材は、ロードレースの国内トップチームに紹介されるという。

 現時点ではUCIコンチネンタルチームの5チーム、愛三工業レーシングチーム、宇都宮ブリッツェン、シエルヴォ奈良ミヤタ-メリダ、ブリヂストン アンカー サイクリングチーム、マトリックスパワータグがプロジェクトへの参画を決めている。今後もコンチネンタルチームをはじめとして、プロジェクトに協力するチームを増やしていくという。

 また、プロジェクトに協賛する自転車協会の渡辺恵次理事長は、あいさつの中で「ヨーロッパに行くと、子供が家族と一緒にスポーツとして自転車を楽しんでいる姿が目立つ」と、日本とヨーロッパの違いを紹介。自転車協会としては、安全な品質の自転車を製造することを中心に、スポーツ自転車文化の醸成に貢献したいと語った。

◇         ◇

 今後の活動としては、10月4日に東京・臨海副都心でウィーラースクールを開催。10月26日には初心者の小学校高学年生や中・高生を対象にした講習会を、静岡県小山町の富士スピードウェイで行う。日時は未定だが、11月にはトライアウトが静岡伊豆市の日本サイクルスポーツセンターで実施される予定だ。チームとしてではなく、自転車界が合同でトライアウトを行うのは初めての試みとなる。

(レポート 平澤尚威)

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