MTBワールドカップ フランス・ヴァルディゼール大会末政実緒が今季初シングル 男子はシリーズチャンピオンが決定
UCI WORLD CUP フランス・ヴァルディゼール大会
7月26日〜29日
2012年シーズンも後半戦、XCO第7戦、DHI第6戦は標高1,850m、周囲の山並みには雪が残るようなアルプスの山岳地帯を舞台に開催された。
※ XCOとはCross Country Olympicの略で、XCマラソンなどと区別し、オリンピック競技として行われる際の距離やルールで開催されるクロスカントリーレースであることを示している。DHIはDownHill Internationalの略で、UCIの国際ルールで開催されるダウンヒルであることを示している。
ダウンヒルコース上部
スペシャライズドチームのテントにはMTB世界チャンピオンジャージコレクターであるダニーさん所有のマイヨ・アルカンシェルが展示されていたが、その中に山本幸平の日本チャンピオンジャージも!
W杯初開催のコース
ここヴァルディゼールは、1992年に開催されたアルベールビル・オリンピックの男子滑降の会場となった場所。本格スキーリゾートとして有名だが、MTBのワールドカップは初開催のため、まずはどのようなコースが用意されているのか、という事にライダーの関心が集まった。
急峻なゲレンデを横切るコースはオフキャンバーの連続となった。ずり落ちていくのを我慢してラインをキープするブリン・アトキンソン(TEAM NORCO INTERNATIONAL)
とても彼らしいフォームでオフキャンバーを攻略するスティーブ・ピート(SANTA CRUZ SYNDICATE) 山頂のスタート地点から麓のゴールまでを駆け下りるダウンヒル競技では、標高差365mを僅か1.38kmでフィニッシュするショートコースが用意された。他のダウンヒル会場と比べてもかなり短い。また、急峻なゲレンデをジグザグに横切りながら降りてくる、どちらかと言えば一昔前のコースのようなゲレンデダウンヒルとなっていた。森の中の狭いセクションを走る、いわゆるシングルトラックは無く、ゴール地点からコースのほぼ全てが見渡せるレイアウトだ。
クロスカントリー競技のコースも独特だ。ゲレンデベースにあるホテル街の外周をぐるりと回るような円形コースに加え、街中のストリートに人工障害物を配置したセクションも用意され、見せる要素を盛り込んだレイアウトとなっていた。
またトライアル競技も併催され、会場中央の広場に流れている川を盛り込んだセクションなどにライダーたちが挑戦した。
53位という順位で予選を終えたサム・ブレンキンソップ(LAPIERRE INTERNATIONAL)
マーク・ボーモント(GT FACTORY RACING)は予選12位につけた転倒者続出 波乱のDH予選
27日に行われたダウンヒル競技の予選では、途中から雨が降った影響もあって転倒者が続出。予選上位からキャメロン・コール(LAPIERRE INTERNATIONAL)、ジョシュ・ブライスランド(SANTA CRUZ SYNDICATE)、ブルック・マクドナルド(MS MONDRAKER)という予想外の顔ぶれが並んだ。
有力選手は、今季ここまでワールドカップ5戦中4勝と絶好調のアーロン・グゥイン(TREK WORLD RACING)が2度の転倒で57位、元世界チャンピオンのサム・ヒルは75位、ミック・ハナーは210位など大荒れの予選となった。
女子はレイチェル・アサートンがトップ通過、末政実緒は9位で予選を終えた。
XCはシューターが優勝 山本幸平は52位
翌28日はクロスカントリー競技が開催された。天候は不安定なまま推移し、マッドコンディションでのレースとなった。
男子エリートクラスでは、ここまでワールドカップ3勝と今期絶好調のニノ・シューター(SCOTT-SWISSPOWER MTB RACING TEAM)が優勝。2位以下にルーカス・フルキガー(TREK WORLD RACING)、マルコ・フォンタナ(CANNONDALE FACTORY RACING)、マニュエル・フミック(CANNONDALE FACTORY RACING)、ホセ・ヘルミダ(MULTIVAN MERIDA BIKING TEAM)が表彰台に上った。4勝目を挙げたシューターは、今年のシリーズチャンプを決めた。
自身のワールドカップ最高位となる2位をマークしたルーカス・フルキガー
レース中盤、一時はトップを走ったフォンタナ(左)だが、シューターのスパートについて行けず、さらにルーカス・フルキガーにもかわされて3位となったオリンピック日本代表の山本幸平(SPECIALIZED RACING)は、29番ゼッケンの良い位置でスタートを切ったが後半に順位を下げ、52位でのフィニッシュとなった。
フランスを拠点に活動する平野星矢(BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM)は-3Lapの82位でレースを終えた
女子優勝はガンリタ・ダール(MULTIVAN MERIDA BIKING TEAM)
DH決勝は20歳マクドナルドがW杯初優勝
29日はダウンヒル競技の決勝。朝は雨が降ったが、その後に天候は回復し、時間とともに路面コンディションが変化する難しいレースとなった。予選は波乱含みだったが、決勝ではやはり実力者がきっちり好タイムを出してくる。そんな中、予選3位のブルック・マクドナルドがトップタイムを更新、そのまま自身初となるワールドカップの勝利を手にした。
シリーズ・リーダーのアーロン・グゥインは5位に入り、ライバルたちが大きくポイントを伸ばせなかったこともあって、最終戦を待たずに今季のシリーズチャンプが確定した。
日本の末政実緒は9位女子は末政実緒が大きなミスのない走りを見せ、今季初のシングルリザルトとなる9位に食い込んだ。末政は「やっぱり一桁順位は嬉しいですね。今日は楽しく走れました」と話した。
オリンピックを経て、次回のビッグレースはオーストリアのレオガング/サールフェルデンで8月末に開催される世界選手権となる。
(文・写真 中川裕之)
中川裕之(なかがわ ひろゆき)
’06年、大きな病気を乗り越える課程で写真を撮り始める。
’11年からは活動の場を海外に広げ、山の中を走る自転車レースを追いかけている。
MTBのコアな部分にフォーカスした雑誌SLmの発行人。
http://www.slmedia.jp/slm-mtbphotojournal/












































