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栗村修の“輪”生相談<15>16歳男性「高校を卒業してからロードバイクで日本のプロを目指したいと思っています」

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 自分は16歳の高校生です。部活で陸上競技をやっていて、今は自転車に関しては素人ですが、高校を卒業してからロードバイクで日本のプロを目指したいと思っています。

 そこで、自分が入ってもずっと試合に出られないで終わるかもしれない、日本でもトップクラスの大学の自転車部に入るのか、それとも自分でも頑張れば試合に出られる程度の大学の自転車部に入るのか、あるいはクラブチームに入り、そこでレースに出てプロを目指すのか。将来について真剣に悩んでいます。

(16代男性)

 いい質問ですね。プロにもついてまわる問題ですし、他のスポーツでもそうでしょう。サッカーの香川真司みたいに、自分が必要とされるボルシア・ドルトムントを辞めてまでレギュラーが約束されていないマンチェスター・ユナイテッドに移るべきか、残ったほうがいいのか。悩みますよね。

 まず必要なのは、自己分析じゃないでしょうか。自分が、どういうときに頑張れる人間なのかをよーく、観察してみましょう。僕の経験から言って、人は大きく2種類に分かれます。周りのライバルに負けたくない! という気持ちがモチベーションになるタイプか(対人型)、自分の中に基準があって、それに基づいてモチベーションを作り出すタイプか(自分型)。

大学生時代の西薗良太選手(砂田弓弦撮影)大学生時代の西薗良太選手(砂田弓弦撮影)

 周囲と切磋琢磨することで頑張れる対人型の人が最初からエースとして走れるような環境を選んでしまうと、ぬるま湯になっちゃうと思います。安住してしまう。いっぽうで、自分型の人が上下関係が厳しく、周囲からの干渉も多い名門校に行くと病んじゃうかもしれませんね。質問者さんはどっちでしょうか?

 どちらがいい・悪いというのではありません。僕が現役だったころは、対人型の先輩が多かった気がしますね。チーム内にライバルを作るんです。時代の雰囲気もあったのかな。でも最近だと、引退してしまいましたが、東大出身の西薗良太選手なんかは、自分型の匂いがします。もちろん負けず嫌いでしょうけれど、それ以上に自分をどうやって強くするかに興味がある選手に見えます。彼みたいな選手の場合、やりたいトレーニングができないのはストレスになるでしょうね。

 彼がもし、名門・日大自転車部に所属していたら、話はまた違ったでしょう。日大が悪くて東大がいいというのではなく、自分型の選手には東大のような大学が、対人型の選手には日大のような名門校がいいのでは、ということです。

大学自転車競技界の古豪・日本大学大学自転車競技界の古豪・日本大学

 ただし、必ずしも名門校が対人型に向いて、非名門校が自分型に合う、というわけではないので注意してください。強い・強くないとは別に、大学の雰囲気があるからです。あと、時代による変化もあります。体育会系で有名だった大学が、部員の入れ替わりに伴って、気が付いたらリベラルになっている、ということもあります。ちなみに近年の傾向として、リベラルな大学やチームから強い選手が出てきているイメージはあります。

 もっとも、16歳の質問者さんに自己分析と言っても簡単ではないかもしれません。難しければ、どういうときに学校のテストの点数が良かったかを振り返ってみるといいかもしれませんね。それがお友達と点数を競い合っているときならば、対人型の可能性が大です。そうじゃなくって、好きな教科だったり気が乗っているときにイケる、というタイプならば自分型じゃないでしょうか。まずは、自己分析ですよ。

(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 「宇都宮ブリッツェン」テクニカルアドバイザー、「J SPORTS」サイクルロードレースレース解説者、「ツアー・オブ・ジャパン」副イベントディレクター。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
 ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

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